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大自然の中の「温泉ワーケーション」は心身に効く

せっかく温泉ワーケーションに出かけるなら、自然豊かな環境で過ごしたいという人は少なくないだろう。

実際、温泉地は山地や高原、森林、河川、海など自然に恵まれたロケーションに湧いていることが多い。

今回は、大自然の中で過ごす「温泉ワーケーション」について考えてみよう。

自然や気候は心身に効く

私は山や高原など高地にあって、木々に囲まれているような温泉地が好きだ。

現地に到着すると、まず、都会とはまったく純度の違う新鮮な空気に癒される。深呼吸をすると、体の中から浄化されていく感覚になる。そして、木々に囲まれた露天風呂に入れたら最高だ。たまりにたまったストレスや疲れが一気に吹き飛んでしまうような気分にもなる。

温泉地の豊かな自然は、医学の面からも心身にプラスの作用を及ぼすとされている。

北海道大学教授で医学博士の大塚吉則氏は著書『新版 温泉療法』(クルーズ)の中で、「温泉療法とは温泉入浴だけを指すものではない」としたうえで、温泉地の存在する地域の気候も人間の体によい作用をもたらすと述べている。

たとえば、海岸性気候の環境では、海風に含まれる微量元素(カルシウム、マグネシウム、ヨード[Ⅰ])を取り込むことができ、新陳代謝を高め、自律神経の安定化を促す。また、中山気候(海抜300~1000m)に位置し、なだらかな丘陵地帯で森林が多い地域では、森林内を歩くことにより、脱ストレス作用、リフレッシュ作用、リラックス作用が働くとされている。

もし「ストレスがたまっている」「体の状態が本調子ではない」と感じているなら、海や山など自然環境に恵まれた温泉地を選択するといいだろう。

「国立・国定公園」と「国民保養温泉地」

ワーケーションは菅政権の肝いりの政策としてにわかに脚光を浴びるようになった。実際に、政府は「国立・国定公園」および「国民保養温泉地」でのワーケーションを支援している。

環境省は国立・国定公園でのワーケーションを推進している。国立・国定公園は自然豊かなのはもちろんのこと、質の高い温泉も豊富に湧いている。たとえば、北海道の支笏洞爺国立公園には、洞爺湖温泉や支笏湖温泉がある。長崎県の雲仙天草国立公園には、雲仙温泉がある。

いずれも滞在するだけでも、気分が爽快になる大自然に囲まれていて、自然を愛する人や非日常を求める人に適している。温泉の質も高く、温泉ワーケーションをするにはもってこいの環境である。

国民保養温泉地は、温泉の利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき、環境大臣が指定するもの。

国民保養温泉地に選ばれる条件のひとつは、自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化などの観点から保養地として適していること。

また、源泉に関する条件もある。利用する温泉の湧出量が豊富で、湧出量の目安が温泉利用者1人あたり0・5リットル/分以上であること。よって、温泉の質に関しては担保されているわけだ。

現在、全国の温泉地77カ所が登録されている。この中から特に自然環境に恵まれた温泉地にフォーカスすれば、ワーケーションの滞在先を選ぶ際の目安のひとつとなる。

散歩や森林浴を習慣にする

せっかく自然豊かな温泉地に滞在するなら、宿の中に引きこもらずに、周囲の散策も愉しみたい。

私は、海の温泉地に滞在するときは、必ず海岸線を散歩する。波の音を聞き、潮の香りを嗅ぎながら歩いていると、不思議と元気がわいてくる。

また、山の温泉地に滞在するときは、森林浴を楽しむ。散歩やちょっとしたトレッキングができるコースが整備されている温泉地も多い。登山を趣味にしているなら、温泉地を拠点に山登りに挑戦してもいいだろう。ジョギングもありだ。もちろん、帰ってきたら温泉が待っている。体を動かしたあとの温泉は格別である。

「温泉ワーケーション」は、心身ともに健康になるための旅でもあるのだ。

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