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「札幌移住」から半年後の雑感③QOL編

2021年1月に東京から札幌に移住してから約半年が経過しました。札幌に住み始めてからの生活を振り返って感じることのひとつに、QOL(quality of life:生活の質)の向上があります。

〈前回までの記事はこちら〉

部屋が広くなったのに家賃はダウン

ご存じのとおり、QOL(quality of life)は、「生活の質」「人生の質」などと訳される言葉です。

一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた『生活の質』のことを指し、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である〈Wikipdiaより〉

札幌に移住してきてから、このQOLが向上したと実感しています。まず、わかりやすいのが金銭面。収入は札幌に来てから少々減った程度でほぼ影響はありませんが、一方で支出はかなり減りました。

東京・新宿に住んでいたので、家賃は23区内でもだいぶ高いほうでした。それでも、利便性などの面から都心に住むメリットのほうが大きいと判断していたのです。

新宿に比べれば、札幌の家賃相場は安い。ざっくり言うと、今の我が家の家賃は東京に住んでいたときの3分の2ほどです。

子どもの成長にともなって部屋が手狭になっていたので、札幌ではもうひとつ部屋が多い物件を選びました。したがって、部屋が広くなったにもかかわらず、家賃が安くなる結果となりました。

家賃は毎月出ていく固定費ですから、3分の1のコストカットは大きい。単純に部屋が広くなれば居住性が高まり、快適に過ごせますから、心理的なメリットも大きいといえます。

ムダな飲食費が大幅ダウン

他の支出でいえば、飲食に関する支出も大きく減りました。東京に住んでいたときは、そこら中に飲食店があるので誘惑が多い。たいしてお腹が減ってもいないのに、なんとなくご飯屋さんに入ったり、なぜか気分がイライラして居酒屋に立ち寄ったりすることがよくありました。帰宅時に立ち寄ったコンビニで、購入するつもりのなかった酒やつまみをカゴに入れてしまうことも・・・。

そんな食生活だったので、自然と出費も多くなりますし、体重も増えていきました。

一方、札幌での生活は、浪費の誘惑が少ない。もちろん、繁華街に出れば飲食店やコンビニはたくさんありますが、住宅街に入ればそれほど多くはありません。

また、札幌は美味しい食べ物が多いので、逆に余計な食費を使わないようになりました。たとえば、お寿司。札幌は回転寿司が充実しています。「トリトン」「なごやか亭」「根室花まる」が、北海道の回転寿しの御三家と言われていますが、どれもネタが新鮮で大きい。そして、安い。私は5~6皿食べればお腹いっぱいになるので、1500~2000円ですみます。

東京で同じネタを食べたら、間違いなく2~3倍の値段をとられます。東京で食べた高級店の寿司もおいしかったですが、御三家の寿司を食べてしまうと、「もうこれで十分」と思ってしまいます。

他にもラーメンやスープカレー、豚丼、ジンギスカンなど北海道ならではの名物はありますが、こうしたグルメに気軽にありつけるので、食生活は満足度が高くなります。

もちろん、頻繁に外食していたら出費も重なるので自炊もしています。スーパーの食材は想像していたよりは安くはありませんが(たとえば葉物など)、ざっくり言うと、東京の7割くらいの値段で調達できます。もともと料理は嫌いではありませんでしたが、札幌に来てからは料理への意欲もアップしています。

食生活が充実すると、不思議とムダな飲食費が減ります。今考えると、東京では食事がマンネリ化して、楽しんでいなかったのかもしれません。だから、たいしてお腹も空いていないのにダラダラと食べてしまう・・・。札幌に来て食生活が改善したおかげで、体重も7キロほど減りました。

毎月の生活費を減らせれば、貯金も貯まりやすくなりますし、子供や趣味(とくに温泉)にお金をまわすこともできます。そういう意味でも、生活の質は充実していると実感しているところです。

いつも空いている優先席

札幌に来てからは心理的なストレスが減ったことで、QOLが向上しているようにも感じます。東京に住んでいた頃は、常に追われているように感じ、イライラすることも多かった。悪夢にうなされることも多かった。しかし、札幌に移住してからは心穏やかな時間が増えました。

北海道の、夏でも涼しい気候や自然豊かな生活環境も影響しているのかもしれませんが、札幌の人が醸し出すおおらかな雰囲気も心の安定につながっているのかもしれません。

北海道の人は良くも悪くも「のんびりしている」と事前に聞いていましたが、たしかに東京に比べれば、殺気立っている人やイライラしている人は少ない。もちろん、のんびりしすぎるデメリットもありますし、人柄を一括りにすることもできません。それでも、札幌ならではのおおらかな雰囲気は肌で感じています。

札幌の電車に乗ってびっくりしたのは、優先席がいつも空いているということです。東京だと優先席でさえ競って座る人がいて、「譲れ、譲らない」の醜い言い争いに遭遇したことも一度や二度ではありません。

しかし、札幌の優先席にはそういうギスギスした光景がありません。ある程度混んでいる車内でも、優先席だけは空いている。なぜなのか、理由はわかりません。もしかしたら、私が利用する路線や区間だけなのかもしれません。しかし私は、札幌に暮らす人の心の余裕や生活の質などとも関係しているのかなと思っています。

心に余裕があるときは、小さなことにも気づけるようになる――とよく言われます。先日も街を歩いているときに、コスモスとあさがおが同時に咲いている光景が目に入りました。

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コスモス(秋桜)は秋に咲くイメージだったので驚いて足を止めました。そして、それに気づいた私自身に二度驚きました。これまでだったら、見過ごしていたでしょう(ちなみに、あとで調べたらコスモスは夏に咲く早咲きの品種もあるそうです)。

以上、札幌に移住してよかったことを書き連ねましたが、まだ「移住バイアス」がかかっている時期であることは自覚しています。つまり、移住してきたばかりで、なんでもポジティブにとらえてしまう、という傾向があるはずです。

それでも、今感じていることも否定できない事実。1年後、3年後・・・将来、自分がどう感じているか、今から興味津々です。

〈移住の経緯はこちらから〉


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