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タモリさんもびっくりの南紀白浜温泉

12月10日放送の『ブラタモリ』(NHK)の舞台は南紀白浜温泉だった。そのなかで、タモリさんが海岸沿いにある共同浴場「崎の湯」を訪れて、露天風呂のワイルドな風景に感嘆の声をあげていた。

「崎の湯」がきっかけで温泉にハマった私としてはうれしいかぎりだ。20年ほど前に、当時付き合っていた彼女と一緒に「崎の湯」を訪れたときは、まったく温泉に興味がなかったが、波しぶきを浴びるほどの野趣あふれる露天風呂と絶景に心を打たれ、その結果全国の温泉地をまわることになった。

私にとって思い出深い温泉地なので、尊敬するタモリさんが「崎の湯」を訪れたことに興奮を抑えられなかった。

さて、『ブラタモリ』は私が唯一、毎回欠かさずに観ているテレビ番組である。タモリさんの得意ジャンルである地質と、町の成り立ちが大きく関係していることを知り、毎回「なるほど~」と思わず唸ってしまう。

南紀白浜温泉の回でも、地質の面で大きな学びがあった。

まず、南紀白浜の有名スポットである「白良浜」。インスタ映えするような白い砂浜が特徴である。私は白良浜の砂をオーストラリアから運んできたことまでは知っていたが、その理由については初めて理解することとなった。

もともとの白良浜は、現在の砂浜よりも白い砂で覆われていたが、温泉街が観光地として開発・発展することによって、川から供給される白砂が大きく減少。砂浜が細ってしまったそうだ。そこで、観光資源である白浜を復活させるために、10年かけてオーストラリアから砂を運んだという。

観光スポットを無理くりつくるために、砂をはるばる運んできたと勝手に思い込んでいた自分の浅薄さを恥じることとなった。

温泉湧出についても、地質の面から解説がなされていた。温泉が湧き出すには、「水」と「熱源」と「湯の通り道」の3つが欠かせない。

ところが、紀伊半島には、温泉の熱源となる活火山が存在しない。では、なぜ温泉が生成されるのかというと、地下にあるフィリピン海プレートが大陸のプレートの下に沈みこむ際にプレートから絞り出された水分がマントルの熱で温められて、温泉として湧出しているという(諸説あり)。

また、温泉が湧出するには、湯が地上に出てくるための通り道が必要である。南紀白浜の地質は マグマが冷却固結する際にできる「節理」でできており、その割れ目を通って温泉が湧き出すのだという。

番組で取り上げられた情報のうち、すでに知っている知識は5割くらいで、残りの5割は「へぇ~」と声を漏らしながら視聴していた。地質は奥が深いことをあらためて実感することとなった。

温泉は地質とは切っても切り離せない関係にある。断片的な知識しか持ち合わせていないので、横断的な地質の知識を身につけたいと思いを新たにした。

そんな矢先、地質学専門家の橋本純(ゆるく楽しむ)さんのnoteの記事が『教養としての「日本列島の地形と地質」』として発売されることを知った。

地質の面白さを伝えてくれる内容で、以前から購読していたが、一冊の書籍としてまとめられたのはうれしいかぎりだ。本書からも地質について学びたいと思っている。

〈橋本純さん(ゆるく楽しむさん)のnote〉




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