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お世辞が言えない人


以前NCT DREAMのライブの同行チケットを譲ってくれたマークペンさんが、なにわ男子の長尾謙杜担でもあるとのことで、開演前に少しジャニーズの話をした。
マークと長尾くんはフレッシュな可愛さと芸術家肌なセンスを持ち合わせている2人なので、その掛け持ちはとても納得できた。

私は、NCTではマークペンだけれど普段はSEVENTEENでバーノンペンをしていて、K-POPにハマる前はSixTONESの松村北斗が好きだったと話した。チケ主さんは困惑していた。「えっ…共通点なくないですか?」確かに。
長々と説明するわけにもいかず、パッと思いついたこの答えを返した。

「お世辞が言えない人が好きなんです」

チケ主さんは腑に落ちたようだった。私も腑に落ちた。

現場では3人の名前しか挙げなかったけれど、もしここに嵐の櫻井翔・関ジャニ∞の安田章大・Hey!Say!JUMPの山田涼介を並べていたらもっとわからなくなっていただろう。
オタク歴が長くなって自分の価値観が定まってきたこともあり、実は直近の3人は、私の中ではかなり共通点があるほうだ。


一旦お世辞以外の話をすると、直近3人は全員芸術に関心が強い。摂取するほうにも創るほうにも強い思いがある。
北斗は映画と文学(後者は今のところ読み専だけれどエッセイは書いている)、バーノンは音楽と映画(後者は観る専)、マークは音楽と文学(文学と言ってしまっていいのかわからないけど、もともと小説家志望で、今もいつか本を出したいと言っていて、Instagramで時々詩のような文章を書く)と、ジャンルはちょっとずつ違うけれど、みんな芸術に生きている。

もともと私が小説家志望なのもあるし、何よりも安田さんの影響が大きい。安田さんは音楽、ファッション、絵、そして今は演劇と、さまざまなジャンルの芸術表現を股にかけている。そしてどの表現にも境界線を引かず、全てまとめて「芸術」という言葉を使っていた。これは北斗も同じだった。

櫻井さんと山田涼介は芸術に生きるタイプではないけれど、櫻井さん主演のドラマ『家族ゲーム』と山田涼介出演の映画『グラスホッパー』で、「やらせたらすごい」ということはわかっていた。

芸術に対する魂の感度が高い人。これは明確に私の基準の一つだと思う。単純に見ていて気持ちがいいし、心の最も正誤判断から遠い部分を見せてくれることに他ならないので、こちらが心を開きやすい。
ジャニーズ(安田さん以外)は芝居、K-POPアイドル(と安田さん)はステージで己を解き放つ姿を見るのが好きだ。

だから、ファン対応とかアイドルらしいキラキラ感とかアイドルスマイルとか、全然気にしたことがない。
北斗担をやっていた時、よく同担の「アイドルをやっている北斗くんが好き」という言葉を目にしていたけれど、いまだにどういう意味なのかよくわかっていない。


自担たちは「お世辞が言えない人」ではあるけれど、「嘘がつけない人」ではないと思う。
特に櫻井さん、山田涼介、バーノンはいい意味でプライドが高いタイプでもあり、櫻井さんなんかはまさに「そつがない」人物なので、必要とあらば嘘をついて切り抜けてきた場面もあったんじゃないだろうか。

そもそも櫻井さんは初めて好きになったアイドルだっただけに、正確には「自担」ではないし、お世辞が言えないかどうかも怪しい。というか普通に言うと思う。
でもそれはきっと計算高いから。つまり心底「心にもないこと」だ。
紅白の司会の時に黒柳徹子さんの長い話をバッサリ切ったこと、VS嵐で相手チームへの拍手を3回くらいで終わらせたこと、私は忘れない(風評被害)。

いるじゃないですか。心からお世辞を言う人。そんな些細なことでそんなに感動する!?ってこっちは思うんだけど、本人は至って真面目に言ってるっぽい、みたいな。
いいんだけど、っていうかいい人なんだろうけれど、その優しさに私はノれなくて、申し訳ない。


これはもう自分の感覚の話でしかないのだけれど、自担たちの言葉は実感と根拠が伴っていて、納得できるし信頼できる。
あなたの確固たる価値基準に照らしてそう判断したんだな、とか、言葉にこもる熱から強くそう感じたことが伝わってくるな、とか。
表現の上手い下手は置いといて、言葉に質量がある人たちだ。

山田涼介とかはあんまり人を褒めるイメージがないけれど(おいおい)、「思ったことは全部言う。それで嫌われても上等」と言うその言葉がもう実感の塊だと思う。

松村北斗の言葉もすごい。雑誌のインタビューだからライターさんが書く文章なのに、言い回しが独特すぎて明らかに他のアイドルたちと文体が違う。実は、北斗は雑誌のインタビューを読んで好きになった。

それから、自分の実感が乗っかった言葉を話すということ自体をよしとする人たちでもある。
バーノンだってつこうと思えば嘘もつけるのだろうけれど、「率直・誠実・自然」の標語通り、嘘やお世辞をつき続けることをよしとしない。大切な人には実感のある言葉しか言わない。
マークはそもそも自分の思ってないことを言おうとかいう選択肢がなさそう。


あと大人になって気づいたけれど、自担たちはみんな地頭がいい。安田さんは日本語怪しいし、山田涼介は壊滅的に勉強ができないけれど、そういうのとは違う意味で頭がいい。
哲学的思考ができるというか、内省ができるというか。自我があって、意志があって、好き嫌いがはっきりしている。

そういう人しか信頼できないのだろうなと思う。
SEVENTEENを自軍にした決め手の一つが、「バカがいない」だった。
話が通じそうな人しか好きになれない。仮に話が通じない人を好きになっても、ペット扱いとかにしかならないものなんじゃないだろうか。まあ、私だって誰かからしたら話の通じない人なんだけれども。


自担以外をすごいなぁかっこいいなぁと思うこともたくさんあるけれど、自分の中で腑に落ちるというか、思考だったり、感覚だったりの軌跡を少しでも掴める(気がする)人が自担だし、「私の人生の人」だなと思う。

たぶん思考や感覚を掴める相手は人それぞれ違う。さらに言うと、何を考えているのかわからない正反対の人に惹かれるという人もたくさんいる。
そういった「好き」の価値観は、それぞれの生きてきた人生に裏打ちされているもので、だからこそ他人の自担への思いを聞くのは面白い。

それぞれの自担を通して、「好き」という確かな実感のある言葉を聞くことで、相手もアイドルも立体的に見えてくる。
みなさんどんどん語ってください。私の話も読んでいただけると嬉しいです。✌️


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