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飲食店大進化論Ⅱ投稿集202302

【2023年2月分Twitter履歴】

近くの店と同じことをやっているから値段を上げるのにちゅうちょする。 独自ルールや世界観の中で生きている人は同業から見れば信じられない型破りな行動にも平気で挑戦するが、飲食店のぶっ飛んだ値づけは値頃感のタガをいい意味で外してくれる。意味が変われば値段が消滅するからだ。

熱心なファンによる世界をファンダムと言い、映画やアニメなどでファンコミニティを指す場合が多い。 今は価格を見直さなければやっていけない時代である。これまでの飲食店は市場データでお客様像を推定してきたが、これからはファンダムを持って生身のお客様と一緒に店づくりしたい。
 
最近は推し活という言葉を頻繁に耳にする。 推しは推しメンバーから来ており愛でたり応援する対象という意味、実在のアイドルや2次元キャラクターだけではなくダムや城などジャンルを問わず様々だ。それを応援するのが推し活。 つながりに飢えた時代だからこそ飲食店にも取り込みたい。
 
食材原価が昨年来高騰し街場の焼肉店と寿司店は特に厳しく50%を超え始めている。人件費も最低時給がここ数年何度も上がっているのでFL比が70%超えになり深刻な事態になった。 これまでのようなほんの少しの対策では明日が見えない。思い切った改革を打てるだけの価値を打ち出したい。
 
今のお客様はメニューの値段が安いだけで動かない。価値が明確な場所でなければわざわざ足を運ばないのだ。 空腹を満たすために外食する時代は終わっている。コロナ禍以降顕著なのは、自分の価値観に重なる世界観の飲食店で、食生活の満足感を高めるための外食にシフトしたことだろう。

飲食店が売上を伸ばすためには客数を増やしできるだけ客席を埋めて多く回転させることが重要と考えてきた。 だから出数拡大が基本思想だったのだが、コロナ禍で満席率や回転率の考え方が通用しなくなると、数で稼ぐ発想から必要売上の確保という発想へ切り替えなければならなくなった。
 
店での食事をいくらが妥当とするかは主観の問題なので人によって評価がマチマチだ。 多くの場合コスパが判断基準になるがそれを超越したパラレルな価値が推しという感情だろう。打算とは違うお金をつぎ込みたく感覚が推し活を生む。関係性が強固な推しの飲食店はコロナ禍でも強かった。
 
飲食業は"お客様に食事を提供する店舗ビジネス"から"お客様と食事を結びつけるソリューションビジネス"に脱皮する必要がある。 コロナ禍で飲食店=イートインという常識が崩れ 時間,場所,ヒト,モノという外食の利用要素がバラバラになっている。お客様に寄り添い何をすべきか考えたい。

お客様とファンは違う。入りやすさとお得感で動くバリュー重視のお客様は他にいい飲食店を見つけると簡単に乗りかえるが、関係性がより強固なパーパス重視のファンは何があってもずっと通い続けてくれるものだ。 ただしパーパスを理解してもらうにはそれなりの工夫と時間が必要になる。

飲食店はキッチンで調理したでき立てをホールでイートイン提供するのが当たり前だったが、これからはキッチンに提供技術など商品開発のラボを装備しホールには商品提供の拡大を目的にマルシェを併設したい。 イートインだけでは時代に対処しきれない。全方向で食ニーズに寄り添うべき。

コロナ禍により食材へのダメージが少ない特殊冷凍技術が急進し、飲食店は従来よりの保有機能を解放して新しい事業に乗り出せるようになった。料理人の知識やアイデアを店外にも展開できる。

飲食店はモノ(料飲品質)+ヒト(人的接客)+場所(施設内容)+安心(衛生環境)の組み合わせで発展してきた。 しかしコロナ禍によって食ビジネスの業界的な境界線があいまいになったために様々な改良余地が生まれており、コレはやめてコレに特化するといった思い切りも必要になってきている。

コロナ禍による巣ごもり生活が飲食店の一等立地と二等立地をひっくり返した。 オフィス街や繁華街は店前交通量激減で落ち込み人流抑制の影響を受けにくい郊外の方が有利になった。郊外回帰の流れに乗り今も居住圏の土日祝利用が伸びている。繁盛立地の常識が変わったと見るべきだろう。
 
経済活動の停滞と物価の持続的な上昇が同時進行する経済現象をスタグフレーションという。 景気が悪いから思うように外食が活性化できず、コロナ禍とウクライナ侵攻で輸入資源が高騰し物価高で店の運営が苦しくなった。日本経済はインフレからデフレを経験して新たな段階を迎えている。

妻語を学ぶという本がある。アドバイスしたがるのが男性脳、共感して欲しいのが女性脳、ここから男女のすれ違いが生まれるというのだ。 戦いに勝つ(所有欲)より問題解決する(経験欲)より大切なのが共感欲で、男性には想像できない力がある。女性を集める店は共感欲を満たすのがうまい。

機能価値とは飲食店の機能面や品質面においてお客様に提供できる価値で、情緒価値は飲食店を利用した際にお客様が感じる事のできる価値になる。 未来価値は目の前にある顕在ニーズだけではなくお客様の将来を見据えた潜在ニーズまでを理解して提供する価値で、だから期待を超えられる。

景気が悪いのに物価は上がり続けている。20年前と値段を変えないというのに慣れた飲食業界だからインフレで客足が遠のいたら可能な限り低価格で提供すべきという店は多いはず。 だけど原価が高騰する中で売価を抑えるには必ず無理が生じる。時代にそぐわない安売り競争だけはやめたい。
 
客想いの店ほどメニュー数が増えやすい。その結果何をしたいのかが分からなくなってしまうし食材ロスが増えて手間もかかるから利益が出なくなる。 調達側が高値で提供側が安値の今は背に腹は代えられないし店の主張を明確にしないと集客が不安なので、数を減らして傑作を生み出すべき。

飲食店はもっと魅力化に努力しよう。 お客様の利用頻度が減るのであれば薄利多売を追求すべきではない。原価を吸収するための値上げでは能がなさすぎる。店が提供可能な頂上の食事を提案して利用価値を高めたい。お客様の納得できる内容であれば数少ない外食機会でも通いたい店になる。
 
優秀な調理人ほど技ありの料理を提供しようとするので、インパクトがあると分かっていても時間をかけて磨いてきた経験知識は崩せないだろう。 飲食店が物売り発想であるうちは調理人の長くて優秀なキャリアが必要だったがコロナ禍を経てお客様に寄り添える感性の方が重要になってきた。
 
成長期の飲食店は調理人によるものづくりビジネスでありプロダクトアウトで外食ニーズに対応した。 発展期になるとマーケットインで市場性を探り新業態を生み出していった。 コロナ禍が境になった挑戦期はお客様ニーズを"個"で捉えて細かく対応するカスタマーインが必要になっている。
 
インフレが外食業界を成長させ出店すれば儲かったから大手は多店舗化でシェアを拡大していった。デフレになると同一商圏での競争が激化したのでパイ獲得に奔走するようになる。 コロナ禍による生活変化で人のつながりが求められるようになり飲食店ではファン獲得の競争が始まっている。
 
トルコ地震への支援物資で韓国国民が大量に送る豚肉製品が厄介者として問題になっている。イスラム教徒の多い国だから善意も迷惑だろう。 飲食店のインバウンド対策は利用客を想定して食習慣を知ることから始めたい。少なくとも中国客が大量に押し寄せた時と今とでは提供すべき内容が違う。
 
飲食業は工場化してコスパを追求する激安店と技術力でタイパを追求する高級店に二極化しているが、大半はどちらにも当てはまらない味も値段もほどほどの店だから中途半端ゆえに利幅を削って持ち堪えているというのが現状だろう。我慢くらべは限界を超えている。思い切った改革が必要。

失われた30年で日本は世界に大きな遅れをとってしまった。少子高齢化/デフレ政策/日本ブランドへの過信/デジタル化の遅れと要因は様々だが人類的に時代の変わり目である今が仕切り直しのチャンスだろう。他店の成功をマネする同業横並び発想からゲームチェンジャー指向に切り替えたい。

飲食店はFLコストの最適化が重要とされ、いかに原価を抑制して売価に反映できるかが経営努力とされてきた。その結果平成の時代に外食は安いというイメージが定着している。 安売りは楽だが店の体力を奪っていく。令和の今は付加価値を高めるという難しい課題に挑戦しなければならない。 

飲食店は自店客席を最大活用させるための方策を練ってきた。客単価は店の値ごろ感で概ね決まってしまうからもっと客数を増やせというわけである。 しかし状況は一変した。飲食店は満席率や回転率の呪縛から解き放たれるべきなのだ。全く違う発想で付加価値により持続可能な店へ変える。 

コロナ前の飲食店はディナータイムがメインで一番の稼ぎ時だった。 しかし自粛要請で深夜タイムを切り捨て、生活習慣の変化でランチ需要が拡大し朝飯で勝負する店も増えている。昼飲みやティータイム利用も当たり前になった。ニーズに合わせた時間帯でのサービス提案が求められている。 

コロナ禍は一過性の特殊状況でなく今後も起こりうる事業変化だ。行動制限の中で嵐が過ぎるのをひたすら待った飲食店と死中に活を求めてがんばった飲食店とでは大きく差が開いている。 最初の緊急事態宣言直後に店前で弁当売りした店は多かったが体制を整えて事業定着させた店は少ない。

飲食店売上は一般的に販売額で捉えているから、デリバリーの外へ出ていく3割4割の配達手数料をコストと考えやすい。手数料を引いた額で売上設定しないと失敗する。 しかも出前サイトは割引しない店の検索順位を上位にしない仕組みが多く原価率を値引き後価格で設定しないと儲からない。




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