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ウォッチメンは"包丁が床に刺さる映画"史上で最高傑作

ウォッチメンがドラマ化するらしいです。嬉しい限りですね。

ウォッチメンは映画の公開当時に観て異常にハマりました。原作も読みました。ただ、原作を読んでもやはり映画版が好きで好きでたまりません。原作厨の方々はウォッチメンの映画をそれほど褒めませんが、私はとても好きなのです。その理由は、映画版のウォッチメンに映画史上で最も素晴らしい"包丁が床に刺さるシーン"があるからなのです。

それは、冒頭にあります。包丁のシーンは、1:20秒ほどから。

Nat King ColeのUnforgettableが流れるなかで、ウォッチメンの一人であるコメディアンと、ニット帽を被った男が戦う冒頭のシーンです。ニット男にぶん投げられたコメディアンが、咄嗟に包丁を掴んで投げます。


包丁とナイフがあるので.....

コメディアンがナイフを掴んで投げる....

避けられて壁に当たる......

今度は包丁を投げる......

ニット男に掴まれて......

包丁が床に刺さる!


......本当に素晴らしい。何度みても惚れ惚れしてしまうシーンです。包丁というものが床に刺さるためだけにあるようです。包丁の"包"という漢字は"床に"という意味で、丁"は"刺さる"という意味からきているかのように思える。最近のDC映画は、包丁が床に刺さらないからマーベルに負けているのです。


このまま感嘆しているだけでは良くないので、この包丁が床に刺さるシーンがどう最高なのかについて3つほど理由を列挙します。

1. 音が最高
包丁が刺さったときに、キィィンという音が鳴ります。最も気持ちいい音です。

2. カメラワークが最高
手元から床にカメラがジャンプ・カットして、刺さります。ゴダールの勝手にしやがれと同じ画期的なカットです。

3. 包丁が最高
包丁がとても大きな肉切り包丁です。料理もロクにしなさそうなコメディアンは何を切断するためにこれを買ったのか、とても興味深いです。


他の刃物が床に刺さるシーンと比べてみましょう。

ミッションインポッシブルでは、感知床にナイフが刺さるかどうか......というハラハラのシーンが出てきます。作劇を盛り上げる効果は申し分ないですが、スローモーションなのが気に食わないのと、ナイフが刺さる音があまり良くありません。ウォッチメンはあの床だからこそ、あの気持ちいい音が鳴ります。

ギャングオブニューヨークでは、ダニエルデイルイスがショーを行う際に、挑発のため敢えて危険なナイフ投げをします。ナイフが床に刺さる瞬間がしっかり映っていますし、彼の狂った感じが伝わってくるいいシーンですが、やはり音が良くないのは、木の床だからです。

このように、ウォッチメンは床に包丁が刺さるシーンでは最高峰であることが分かりました。ドラマ版でも包丁が床に刺さる場面を是非やって欲しいです。

冗談みたいになりましたが、映画はどんな細いシーンが好きでも構わないと思います。他のシーンが全部つまらなくても、素晴らしいシーンが一か所でもあれば、その映画のことを好きになれます。私はウォッチメンはそういうことを学んだのでした。

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