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10.ましろ

ましろ。
solesのファーストアルバム「I don't want you to be dyed like that shining black」の10曲目。

真白の恋という映画があります。
2017年公開の日本の映画。


渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている。
見た目にはそれとわからないが、真白には、ごく軽度の知的障がいがある。
日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、
飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、
東京からやって来たフリーカメラマン、油井景一に出会う。
真白の、生まれて初めての恋。
応援する人、心配する家族。
その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか…。
自然豊かな富山に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。
この映画が、あなたの心に響くことを願って。
(映画「真白の恋」オフィシャルサイトより)


solesの初ミュージックビデオの「ましろ」という曲は映画「真白の恋」にインスパイアされて出来た楽曲です。

僕たちがsolesを組んでまだ2、3ヶ月くらいかな?2020年の夏頃にユウスケ君がサビのメロディを持ってきて、そのメロディに純粋なイメージの歌詞を乗せたいと言ってました。
そして僕に歌詞を書いてほしいと言われ、しばらくどんな歌詞を書こうかと考えたのだけど、しっくりくるものが全く浮かばず、そうこうしてる間にユウスケ君が歌詞と全体の流れを考えて持ってきてくれたのです。
メロディに乗っかった言葉を初めて聴いた時、サビの譜割り(※メロディに対しての歌詞の乗せ方)が独特で、なんじゃこりゃ?と内心戸惑いました。
ですが、この独特なセンスがsolesの核であると強く確信し、この曲の持つポテンシャル、シミズユウスケというソングライターの楽曲の魅力を最大限に引き出すのが、僕の役目だなと強く思ったのです。

ましろの最初の全体のイメージはオアシスの「Don't Look Back in Anger」のような思わずシンガロングしたくなるような曲にしたいねと言ってましたが、サビでのコーラスを重ねた時にまた違った顔を見せたので、情景が浮かぶように、メロディと言葉を邪魔しないように、そんなアレンジに変わっていきました。

リズムは歌に寄り添うようなイメージで。うるさすぎず静かすぎず。(これがとても難しい…)
打ち込みドラムでしっかりと情景を作るのはかなり苦労しました。シンバル一個の入れ方で印象がガラッと変わってしまうので、リズムパターンには最後まで頭を悩ませました。
そもそもsolesの2人はドラマーじゃないので…。

後半から入ってくるシンセの音。そしてアウトロのギター。これは映画「真白の恋」の舞台になった富山県射水市の風景をイメージしてます。と言っても射水市には行った事が無いのですが。
映画に出てくる風景や、ネットで調べた写真を見て、雪のあまり降らない北関東の端っこで生きてきた僕が、最大限の想像を膨らませたのがこの音です。真冬のどんよりとした空に吹き荒ぶ雪と、市のシンボルの大きな船。言葉じゃ上手く伝えられませんが、日本のベニスと呼ばれる港町の射水市の風景を音にするなら、きっとこんな音なのかなと思います。

ミュージックビデオについてユウスケくんも書いてますが、撮影は本当は射水市で撮りたかった。でも歳がひと回り以上離れたモデルの子を、僕たちが一日中連れ回すのはなんだかヤバい感じがするぞ!と思って断念。
代わりに選んだ日光での撮影は天候に恵まれて(?)吹雪の中で撮ることが出来ました。寒すぎてもはや寒くなかったけど、おかげさまで良いミュージックになりました。

ちなみにミュージックビデオとサブスクで配信するましろのミックスは違うので、違いを楽しんでください。(めちゃくちゃ細かい所なので気付くかな…?)

最後に、ましろが出来た時から口癖のように「これは良い曲だから、たくさんの人に聞いてほしいね」と2人で言ってたけど、今でも、これからもそう思っています。
雪のように真っ白な純粋な気持ちで。

いつか射水市に行ってましろを聴くのがささやかな夢。

(いしつかねこ)

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