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ましろ

ましろ。

soles 初の映像作品の曲。

あの撮影は過酷だったなぁ。ほんと。雪山に行ってさ。重たい機材を担いで、足元が雪で埋 まる中、階段を上って撮影スポットまで行って...。

出演してくれるモデルさん探しも時間がかかった。ミュージックビデオに出てくれる人を 探すこと自体、初めてのことだったから。見つかったのも結構ギリギリで。メールで打ち合 わせを重ねてさ。でも本当に協力的な方で、こちらの要望にもしっかり応えて頂いて。彼女 はダンサーで、撮影の最後のテイクで踊ってもらった。それまで晴れていたのに急に雪雲が 出てきて、踊っている時には吹雪いて。それでもしっかりやり切って踊ってくれた。本当に 感謝です。おかげで良い映像が撮れました。ありがとう。

アシスタントでも1人協力してくれた。僕らの荷物を持って運んだり、モデルさんが寒くな いようにコートを羽織らせたりホッカイロを渡したり。何より移動中にモデルさんと話し てくれたことが本当に助かりました。僕らは 30 代半ばで、モデルの彼女はハタチだったと 思う。もちろん我々と共通の話題がないよ笑。アシスタントの方も 20 代前半で女性だった から、モデルの彼女も安心して話ができたと思うよ。僕らだけだったら行き帰りの移動時間、 かなり息が詰まったんじゃないかな笑。きっと話すことがなさすぎて車内がシーンとして お互い気まずかったはず。だからアシスタント方にも本当に感謝しています。ありがとう。

さて。

この曲が生まれて完成するまでの話。

まずね、最初に浮かんできたのはサビのメロディだった。 あれは確か去年の夏だったかな。すごく暑かったから 7 月か 8 月だよ。車を運転している 時に思いついた。良いメロディだったから、すぐにアイフォンに録音した。

Aメロはどうやって思いついたのか、覚えてない。なんとなく流れでできたのかな。でもこ の曲はAメロが結構大事な役割を果たしている気がする。特徴的なサビのメロディのあい だっこに入って、でもサビに負けないメロディ、それでいて出しゃばり過ぎないメロディ、 なおかつ大サビに入る前の大事な橋渡し役。
Aメロもとても好きだよ。

スタジオでこの曲を組み立て出した時点で、『絶対良い曲になる!』と思った。曲の構成も あまり迷わなかったかな。コーラスもとても効果的だし、曲の良さを後押ししていると思う。

最後まで決まらなかったのは、曲の終わり方だった。アルバムに収録されているようなギタ ーソロからのフェードアウト、というのに落ち着くまで結構悩んだ気がするな。初ライブで もこの曲を演奏しているんだけど、ちょっと違う構成なんだ。どんなか気になる人は、soles のライブに来てね笑。

レコーディングでも時間が掛かったのは最後のギターソロ。僕が最初考えていったのはしっくりこなくて、いしつか君が提案してくれたアイデアを元に半分くらいその場でパパっ と考えて即興で弾いたと思う。即興で何とかなるなんてほとんどないけど、偶然マッチしたんだね。あとから聴いてホッとしたのを覚えているよ。

それでさ、もっとも悩んで苦戦したのが...歌詞。

最初全然思いつかなかった。歌詞を考え出して気づいたんだけど、僕、今までバラードを作 ったことなかったんだ。まさか 30 代半ばで初めてバラードを作るなんて、思ってもみなかったよね。 
かなり行き詰っていた時に、昔観た映画に何かヒントがないかな、と閃いた。バラードだから恋の映画が良いなと思って、観てきた映画の記憶をひねり出していたら「真白の恋」とい う映画を思い出したんだ。富山県に住む軽度の知的障害を持った女の子の初恋の話。で、まあ歌ってみた。とりあえず主人公の名前を。【まぁああ、し、ろぉおき、みぃの~】。これだ、 と思った。 

これだ、と思ってからも時間かかった笑。この曲の歌詞はがちがちに言葉のチョイスに気を 付けていて、母音とかもすべてあらかじめ決めていた。母音を軸に言葉を引っ張ってきたし、 全体の歌詞の重さのバランスも考えていて、【愛・恋】とか抽象的な言葉を使った後には【一 重の目・くせっ毛】など具体的な言葉を置いて歌詞の体重が始まりと終わりで偏らないよう にした。一応かっこよく言うと、他者には分からない作り手のこだわりってところです。 
まあ、とにかく歌詞が完成した時は胸をなでおろしたし、今まで書いたことのないようなタイプの歌詞になったなぁと思ったよ。

完成した曲を聴いた時、本当にうれしかった。本当に良い曲を作れたなと思った。特別音楽 が好きではない人、ライブハウスとかに普段行かない人にも聴いてほしいです。きっと気に 入ってもらえると思うな。

と、ここまで読んでくれた方、本当にありがとう。

こんなに長文になるとは思わなかった笑。

ましろ。素敵な曲です。よろしくお願いします。

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