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05.ロマンチック

ロマンチック
solesのファーストアルバム「I don't want you to be dyed like that shining black」の5曲目。

今回の投稿でファーストアルバムの楽曲解説は終わりです。あとはアルバム全体や一年の振り返りでちょこっと書くかも。
ひとまず無事配信もされてひと安心。たくさんの人に聴いてほしいし、聴いてもらえるよう頑張ります。

さて、このロマンチックという曲ですが、アルバムを聴いてくれた人は分かると思いますが、唯一、僕いしつかねこがメインボーカルで歌ってる曲です。

この曲が出来るきっかけになったのは、ユウスケ君も書いてますが、2021年4月24日の新宿WildSideTokyoでのライブの帰り道。僕もはっきりと覚えています。

この頃のsolesはましろという玉珠のバラードを作り上げて、それを越える対になるような、そんな曲を作りたいと考えていました。

分かりやすく浮かんできたイメージは「黒」という色。黒ってネガティブな言葉で使われることが多いんですよね。腹黒いとかどす黒いとか暗黒とか。あ、でも黒字は良い意味だな。

黒って言葉の持つパワー、それって白とは違う純粋なものなんじゃないかなと考えてて。

「黒は何色にも染まらない」

こういうイメージを曲にしてくれないかとユウスケ君に伝えました。

まあカッコつけて言いましたが、この頃放送された「イチケイのカラス」ってドラマがあって、それを毎週観ていたんです。
このドラマは裁判官のお話くで、裁判官は裁判する時には決まって、黒い服を身に纏うんです。

なぜかというと「黒は何色を混ぜても他の色に染まることはない」という事から、公平を表す色として着用するみたいです。

なので、黒をテーマに曲を作りたいと思ったのは、完全にその時ハマっていた「イチケイのカラス」の影響ですね笑

そこまでは伝えませんでしたが、漠然としたイメージからしっかり汲み取って、確か二、三日後にはユウスケくんはデモを送ってきてくれました。
solesを結成してからずっとこのペースで新曲持ってくるから、この男は本当にバケモノです。

そのデモ音源は弾き語りだったのですが、それがすごく良くて。直後に僕は名古屋へ行く用事があったのですが、往復の道中はそのデモしか聴いてませんでした。往復で6時間くらいかな?ずっと聴いてた。

そのおかげでアレンジもすんなり取りかかれて、あれよあれよとレコーディングする事に。

レコーディングの時には、毎度恒例の僕の無茶振りが炸裂して、アートリンゼイみたいなギター入れてほしいなどと言って、困らせてしまいましたね…笑
サビの後半から入ってくるノイズギターはフレーズとかそういうのは弾いてなくて、本当にパッションだけで弾いてます。よく分からないですが、僕が弾いた記憶があります。
ちなみにフレーズのギターはしっかりユウスケ君が弾いてくれました。

どの曲でもそうですが、言葉やメロディーの持つエネルギーを最大限発揮させて、輝けるようにするのが、アレンジだと思ってます。
どんな音が合うかなとか、どんな景色が見えるかなとか、そんなことばかり考えて作ってます。

このロマンチックという曲は最高の形で作れたと思うし、曲の持つエネルギーを最大限発揮できてます。自画自賛。


やがて日常が 目の前の 色を変えても
鳴り止まない メロディ 染まらないで欲しい


この二年間で嫌というほど感じてきた、当たり前の日常が変わっていく様。
それでも音楽の力は絶対だと、僕は信じ続けます。


最後に、ユウスケ君が僕について色々書いてくれてますが、こうして止まらずにずっと音楽を続けているのは、お互い二十代前半の頃にユウスケ君が言ってくれた言葉のおかげです。


「諦められないのも才能です」


(いしつかねこ)

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