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住学コミュニティーのあり方から考える報酬設計

先回のセミナー告知記事の続きです。
まだ読んでない方は是非そちらからご覧くださいませ↓

私が三代目の校長を務めております住まいの学校、略して住学(すがく)
そのコミュニティーとしての在り方が、実は結構珍しいし意外と出来なくて困っているコミュニティー及び運営者もいらっしゃるかもしれません。

業界内ではもちろんですが、そもそもコミュニティー運営に関しても珍しい事例なのかもしれないなと思いまして、ちょっと私なりに因数分解して解説できたらなと。
それではどうぞ!


コミュニティーの報酬設計を考えてみる

まずは、コミュニティーにおける報酬設計のお話を。

例えば、次回開催するセミナー運営に携わってもらった人に報酬として住学事務局から皆さんに3,000円を支払うとしましょう。
ある人は「え、こんなに貰えるの?ラッキー♪」と感じるかもしれませんが
ある人は「あれだけやったのに、これしか貰えないの?次は手伝うのやめようなかな…」と思うかもしれません。

運営の仕事も様々ですし、担う作業も全く違うので、この場合は当然一律の報酬だと不満が生まれてしまいます。
更に、自分では5,000円分くらいの働きをしたと思っているのに3,000円しか貰えなかったら、そのギャップはそのまま不満へと変わります。

では多くの仕事をこなしてくれた人に多めに謝礼を払ったとしましょう。
今度は謝礼金の差額が生まれますから、そこのギャップでも不満が生まれてしまうのではないでしょうか。

報酬をお金という数値に置き換える事で、自分が担った役割の価値は3,000円なんだ、という事が決定してしまいます。
報酬が発生する事で、新しく生まれる不平不満というものもあると考えています。
常に自分の相場感より報酬額が上回ればいいのですが、そうもいかないのが現実ですよね。

そして報酬が先に目的に代わってしまうと、報酬ありきでそのコミュニティーの運営をしていく事にも繋がりそうです。
住学としての理念は当初から一貫して
「シェアとリンク」
「競争よりも共栄共存」
設立より6年目に入りましたが、ここは変わらずに運営できていると思います。

特定の個人や会社に利益が集まるような仕組みになっていませんので、全ての方が等しく中立の立場で対等に付き合えているのではないでしょうか。

お金の前に信用、信頼が積みあがると考える

では実際に住学コミュニティー内でどういう状況かというと(あくまでも個
人的な主観で述べておりますので、あしからず

現在、主に運営を担っているのは
①住学を立ち上げた発起人であり初代校長の佐藤さんと初代教頭の鈴木さん
②二人からバトンを渡された二代目校長の村松さんと二代目教頭の大平さん
③三代目を務めている校長の私、勝手に新ポストを作った(笑)書記長の庄司さん、中越支部長の渋谷さん、委員長の石田さん
の8人です。
簡単に言うと、表向きは代替わりしていますが、歴代運営メンバーがそのまま運営に携わり続けるパターンです。

①の発起人のお2人に関してはこの会を立ち上げてくれた事に対する住学内外からのリスペクトや感謝が当然ありますし
そんな二大巨頭から二代目を託された②のお2人のプレッシャーや、コロナ禍で大変だったであろう難しい時期の運営に対してのリスペクトや感謝があります。
そして我々三代目運営チームは、初の4人態勢でのスタート。
一応、私が校長という事になっていますが、それぞれが出来る事、得意な事を分担しています。

三代目事務局メンバーで慰労会

そんな運営メンバーの中でもひと際重要な役割を担ってくれているのが、書記長の庄司さんです。

後頭部から徳が溢れ出している庄司氏

現在の住学の活動の大部分を担っていると言っても過言ではありませんし、他の誰に聞いても「庄司さん凄いよね」「庄司さんのお陰だよね」って言うと思います。
最近では、職場的に他県異動も有り得る庄司さんがいつ居なくなってしまうのか…残された我々は一体どうやって生きて行けば…みたいな話もチラホラと。
そのくらい、メンバーからの信用も信頼も集めている庄司さん。ですが、当然金銭的な謝礼などはありません。
でも、その代わりに積み上げた徳の数が半端じゃないと思っています。スカウターで測ったら「ボンっ!」って壊れるレベルの数値です。きっと。

その代わりに、きっと庄司さんも得ている物も多いのではないかなぁと思っています(詳しくは知りませんが(笑)
独り身で誘いやすいという事もありますが、色んな人に飲みに誘われたりだとか、思わぬ所からお声がけをしてもらうとか、そういった事がまた本業の営業にも繋がっていたりもするんじゃないかな~と。

コミュニティー内での献身的な姿勢を見せる事でメンバーからの信用、信頼が積み重なり、その結果として金銭もついてくる(こともある?)
私なりの勝手な想像なので、今度そこんとこ聞いてみたいと思います!

少なくとも、今後庄司さんが何かに困った時に「助けて―!」と言えば、住学の皆がこぞって助けてあげるのではないでしょうか。
これは庄司さんに限らず、これまで運営に携わった人には少なからずメンバーからの「ありがとう」が積み重なっているのではないか、と捉えています。

そしてその感謝や尊敬こそが、住学コミュニティー内においての「報酬」と言えるのではないでしょうか。(多分みんなあんまり意識してないけど)

運営メンバーだけでなく、毎度の勉強会の時には「誰か早めに来れる人は手伝いに来て下さいねー」とアナウンスすれば、いつも5~6人が手伝ってくれます。受付とか集金とか会場設営とか諸々ありますからね。
我々運営メンバーからも「ありがとう!」だし、参加者からも「ありがとう!」になってると思います。

これも当番制みたいにしちゃうと、かえって面倒くさい事になりそうなので、今の「誰か手伝ってー」形式が緩くていいと思ってます。

信用、信頼の積み重ねが仕事に繋がる

直接的な報酬とは言えませんが、住学内での活動を通じて仲良くなり、本業の建築の仕事を実際にやり取りしたり、コラボしたりという事も普通に行われています。
誰かに外注したい仕事があった時、できれば全く知らない方よりもある程度知ってる人や会社に依頼したいですよね?
それが頻繁に顔を合わせている人だったり、住学内での献身的な姿勢を見ると「あぁ、この人は信用できるな」という事で、それがそのまま仕事の受注に繋がる。
そもそも住学に参加している方は個人事業主や小規模な会社の方が多いので、横のつながりが出来るだけでいざという時に頼れる仲間と考えれば、こんなに心強いものはありません。

実際に私も協働で仕事をした経験もありますし、今も私から別の方へ設計協力をお願いしたりしています。

これだけ人数が居ますから、それぞれ得意なジャンルとか分野を持っています。あ、この仕事はあの人に相談してみようかな、というマッチングの観点から言っても、住学コミュニティーはとても有意義に機能していると感じています。

まぁあんまりそういう人は居ませんけど、最初から仕事の受注が目当てだったり、利益第一主義の人は参加してもこっそりフェードアウトしているような気がします(笑)
別に営業目当てでも全然構わないと思うのですが、まずはそれよりもやる事があるんじゃないかなぁと思ってます。
いわゆるテイカーというヤツですね。ギブ&テイクとは良く言ったもので、テイクしたいならまずはギブだよね、という単純な事です。
いや、正確には自らがギブする事で、巡り巡って自分の所にもギブが来る、というイメージでしょうか。
住学内ではそのギブギブ精神の人が多いので、テイカーとしては大変居心地が悪いのでしょう。

その点では書記長の庄司さん、営業としてはめちゃくちゃ有能ですよね。
住学コミュニティー運営にめちゃくちゃギブしまくってます。しかもテイクをほとんど出しません。多分、年に2、3回位です。
いやー庄司さんが言うなら買っちゃおうかな~、ってやつです。まぁ、弊社は庄司さんの取り扱ってるCADソフト、買ってませんけどね!(笑)ごめんね書記長!今度ビールおごるから許して!

校長としてのメリット

メリットと言うと語弊があるかもしれませんが、少なくとも私個人として三代目の校長を引き受けて良かったなぁと思う事があります。
校長の代表的な役割として、主に勉強会やらセミナーの時の「代表挨拶」を任される事になります。
元々人前で話すのが得意なわけでもありませんし、毎回脇汗MAXなくらい緊張してます。報酬は出ないのに、汗ばっかり無限に出ちゃう。

でも、そうして少なくとも2か月に一度は50~60人程度の前で話していると、やっぱり慣れてくる面もあります。
どうやったらなるべく緊張しないかな、とか工夫をする訳です(勉強会の前にビール飲みすぎて行った時には緊張こそしませんでしたが、違う意味で怒られました笑

内容もそれなりに考えますし、言い回しや伝え方も気にしますので、私の「人前で話すスキル」というのは間違いなく上がったな、と実感できます。
スキルが上がれば、住学とは別の機会で大勢の前で話す時も応用が利きますし、何をどう準備すれば良いのかも分かっています。

普段仕事をしていて大勢の前で話すなんて事は滅多にありませんので、強制的にその機会に恵まれているのはメリットとして非常に大きいように感じます。

一応これまでの任期で言うと2年くらいなので、今年の6月でちょうど2年になります。
このまま続投で~という話もあったりなかったりしますが、個人的には是非住学の校長という役割を楽しめる方に引き継いでもらえたらなーなんて呑気に考えております。

時間も取られますけど、何より楽しいの方が上回ってます。我こそは!という方が現れれば一瞬で校長の座をお譲りしますが、そうはいかないんでしょうね。
ちょっとアタリをつけてる方に打診しなくちゃな~と思う今日この頃。
関係者の皆様、突然私から連絡が行ってもどうか既読スルーしないであげてください(笑)

それでは、また!

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