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まっさらで ひとつの にごりもない あなたの あたたかな ことばを とりこぼさないように み…
幻想(ゆめ)の浅瀬で戯れていた手足 思い思いの場所へ旅立っていく 無邪気な笑い声が明け方に…
鏡に映る「もしも」の世界を飛び越えて、私がつくったわたしの夢を今日も生きる。 からっぽの…
茹だる熱のなか くらむからだ 頸筋に ひとすじ 冷やかな鈴音 境の意識ふるわす 夏のしらべ
燃え盛った狂気がはじめに貫いたのは 憎い仇ではなく、最愛の君だった 私の凶器がどれほど君を…
だいすきなクッキーの空き缶に詰めた とくべつなリボンとあの子の手紙 プラスチックの宝石にま…
彼(あ)の場所に焦がれた時間だった。 夕陽色した声で朗らかに笑う、おしゃべりが好きな君。 それなのにこころを言葉で語らず、行動で魅せるあなた。 クールな印象とは裏腹に、いつも心に「少年」を飼っているキミ。 凛とした横顔と慈愛に満ちた瞳で、誰かを見つめる貴方。 すべては切り取られたツクリモノ。 たくさんある君の人生のワンシーンでしかない。 それでも私は、キミに五感を攫われた。 息吐く間もない一瞬の出来事。 今日まで楽しいばかりではなかった思い出
肉体のない機械的な歌声に宿る熱が僕の鼓膜をノックして プログラムされていないはずの感情す…
仄暗い水槽のような部屋にも欠かさず光は注がれる 午前5時、白んでいくガラスの向こうに小…
定期的に集まるわけではない。そもそも、いつも行動を共にしていたわけでもない。 グルー…
ぽっかりとあなたの存在だけ空いた空間を満たすように吐き出した煙はひとときだけ寂しさを埋…
君に狙いを定めてまっすぐに飛んでいくわ 時間はかかるけれど、必ず射止めて見せるから そこに…
一番星はいつだって、舞台の上で眩い光を放っている。 影さえも味方につけて、余白を彩って、…
曇天が立ちはだかる明朝に太陽は昇らず、街は翳り、沈む。 ゆっくりと確実におわりへと近づくからだを受け止め続けるベッドは頼りなく軋んで、ふたつの容れ物が堕ちないよう踏ん張っている。 素肌が融け合う瞬間を識ってしまった動物はぴったりと重なる自分以外の重さに心地よさを覚え、完全に境界線が消えることを望んでしまう。スノードームのようにこの街だけ永遠に雨が降り続け、ひかりから置き去りにされないだろうか。仄暗い水底のような場所で息を潜めて、酸素が足りなければ互いに補い合って、神の裁きをじ