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マキシーのために

このタイトルで記事を書くのは2回目です。でもそれは17年も前に書いたブログでした。
一部再編集・加筆して記事にしようと思います。

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このタイトルがすぐになんだか分かる人はだいたい世代が想像つきます。
「マキシーのために」とは、フォークグループのかぐや姫の初期の曲で、学生運動の頃の友人のことを歌にしたものです。

歌詞では、マキシーが自殺してしまうのですが、この歌を聴いていると、31年前の夏に自らの命を絶ってしまった僕のクラブの後輩のことを思い出します。
彼はとても個性的で面白いやつで、クラブのみんなからよく慕われていました。
彼が描く絵も、これまた個性的で彼らしさが現れているようでしたが、あまり描きたがりませんでしたが、デッサン会で描いていた彼のクロッキーが僕は大好きでした。
僕も含め、先輩にはよくかわいがられていたように思います。

彼の同級生にYとHがいますが、彼らも楽しいやつらでした。

18年前の夏、Hに10年ぶりに会いましたが、その晩は学生時代に逆戻りしたような、なつかしく楽しい晩でした。Hと話していて、すっかり学生時代の思い出にひたることが出来たのですが、その時も死んでしまった彼のことが思い出され、なにかしら心のなかに小さい穴があいているのを感じました。

あれからずいぶん時間が経ちました。

暑かった葬儀のあの日に昔の仲間たちが集まって彼を送ったあの日。
葬儀のときにみた、静かに眠っている彼の顔がいまでも忘れられません。

でももう30年以上経ったのですね。

衣装ケースの奥にずっとしまっていた一枚のトレーナーがあります。

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大学3年の時にクラブで作ったトレーナーなのですが、
これはその死んでしまった後輩がデザインしたものです。
チャーミングでおちゃめな絵がすごく気に入っていました。
大学時代の思い出の品と思って、捨てずにとっていたものですが、
捨てられなかったのは、これを見ると彼のことを思い出すからでした。

色あせてすっかり古びてしまって、もう着ることはないので、
数年前からもう捨てようかなと何度も思いながらも
そのまま、また
なんとなくしまい込んでいました。

先日、衣替えの時に掘り起こして、また出てきました。
今度もぼんやり捨てようかどうしようかと考えつつ、手近なところに置いたままになってましたが、

最近、自分自身のことを振り返るなかでの心境の変化もあり、

ようやくですが、もうさよならしようと思います。
今夜捨てます。


さよなら。

バイバイ、緒方。

ByeBye.

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