見出し画像

#18 Modern Times

チャーリー・チャップリンの代表作「Modern Times」

あらすじ
1930年代。文明という名の機械化の波があれよあれよという間に押し寄せる中、工場で働くチャーリーは、スパナを両手に次々と送られてくるベルトコンベアーの部品にネジを締めていた。絶え間なく運ばれてくる部品を見ていた彼は、精神に異常をきたして入院することとなる。退院後も、彼はさまざまなハプニングに見舞われていくこととなる。

感想
資本主義社会の風刺映画として知られているチャーリー・チャップリンの代表作、モダン・タイムス。
本作で、チャップリン演じる男は、工場で働いています。作業場はモニターで監視され、社長の指示のもと、労働者たちは黙々と働いています。チャップリンの仕事は勢いよくベルトコンベアーで流れてくるねじをただただ締め続ける単純作業。ずっと同じ動作をしているせいか、徐々に精神がおかしくなり、しまいには奇行をするようになってしまいます。それはある夫人が着ている服のボタンがねじに見えて、追っかけまわしてしまうほど。

最初はコメディ作品として、彼の不思議な動きや奇行でクスっと笑えるのですが、これを社会の皮肉作品としてみると、また違う一面が見えてきます。
中でも、冒頭地下鉄で押し寄せる労働者を羊に例えていたり(つまり労働者=家畜として捉えている)、チャップリンが精神に異常をきたしてもなおタイムカードを押そうとする姿だったりと、皮肉いっぱいの映像。その他にも、何度もストライキしている人々の姿が映し出されたり、1930年代のアメリカをそのまま映しているよう。
1930年代、アメリカはまさに大恐慌まっさだ中。効率が良い働き方と、高い生産性が求められました。それは確かに、短い時間で多くの、性能の良い製品を生み出すことは可能になりますが、同時に、人から人間性までも奪ってしまいます。作中のチャップリンが体現しています。

そんな時、町で出会った女性と恋に落ち、「仕事とは何か」の答えを見つけていく。彼女と知り合い家を建てるという夢ができてからは、彼は自分から仕事を探すようになり、働ける喜びを感じている。働くのはあくまで愛する人のため、夢を叶えるために働くという明確な意思を持つようになります。

この作品は、チャップリンが資本主義に対する皮肉を込めた作品ですが、この社会は20世紀の現在にも当てはまると思います。作中チャップリンが危惧している「機械のように働くこと」が求められる世の中、どこに幸せを見出せるかで、人生は大きく変化すると思います。

"Back up-never say die, We'll get along"
まさにこの通り、めげないで頑張ろう、何とかなるさ

このシーンウルっときてしまいました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?