愛着障害の人の厳しい子育て・その2|質疑応答
こちらの記事▼への質問が続きました。質問を紹介しつつ、回答をまとめておきたいと思います。
回答は今朝、個別に質問箱にしましたが、まとめるにあたって、追記した部分もありますので、よろしければこの質疑応答もご覧ください。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■愛着障害の「かりそめの成人期」について
【お返事①】愛着障害の人のカウンセリングが終結すると
幼児期(成人期)⇒ 成人期
になります。かりそめの成人期が、かりそめを卒業していくわけです。
これは精神年齢が、幼児期→学童期→思春期→成人期と発達していきます。実際に成長している自分に遭遇するケースもあります。幻覚を見るというのではなく、自分が〇〇歳くらいだなと実感する体験が、日常生活のささいな出来事の中で体験していくのです。数か月という単期間で、幼児期から成人期へ発達を遂げる人もいます。下記の記事もお読みください▼
しかし、成人期ですが、普通の成人期とはちょっと違って、成人期には、成人期初期、壮年期(中年期)、老年期の3期ありますが、20代でも成人期(老年期)くらいになる人もいます。実年齢を精神年齢が追い越していくケースもあるのです。これは愛着障害の人、特有の現象とみていいでしょう。
■愛着障害の「ハリボテ」と愛着不全の「空虚」
【お返事②】質問者さんが自分で結論を出していらっしゃいますが、その通りです。
愛着障害の人に使った「ハリボテ」とは、生きていく上で現在必要なツールという意味です。おっしゃるように、一生懸命にゼロから作り上げたツギハギだらけの「かりそめ」の自己です。これがあるから社会生活を送ることができます。モビルスーツですね。
愛着不全の人に使った「空虚さ」は、彼らは「怒り」を常に抱えているわけですが、その怒りが噴出したあとに見えてくる絶望的な感情がある、それが空虚である、という意味です。
そしてその空虚さは、愛着不全の人にとっては、おっしゃる通り、アイデンティティが構築途上にあることからくるものです。自我(自己)同一性が確立していません。つまり自立しきれていない寄る辺なさから来るものです。発達段階でいうと、反抗期がまだ終了していない状態です。
空虚な感じは愛着障害の人も同様に持っています。何が違うのかというと、愛着不全の人は、怒りがベースにあった空虚さなので、空虚な感じに自信(パワー)があります。言い方がヘンかもしれませんが、しっかりした輪郭をもった空虚さです。
それに比べて愛着障害の人は、消え入りそうな空虚さです。ベースが怒りではなく、恐怖だからです。
(ここからは高間の試論です)しかし、恐怖と怒りは背反する感情で、ひっくり返るときもありますので、愛着障害の人の空虚さと愛着不全の人の空虚さは、どこかで反転する可能性もあります。つまり「自信のある空虚」←→「消え入りそうな空虚」、これらは反転する可能性もあるわけです。反転するのは、愛着障害の人の治療が進んでいった先に起こります。愛着不全の人は反転しません。
■愛着障害の人への父親(父性)の役割
【お返事③】確かに父親の存在は、母親の存在に比べたら小さいものです。子どもにとっても母親だけいれば十分ともいえます。この基本は変わりません。
この基本を押さえつつ、さまざまな場合に「父親(父性)の存在」が後押ししてくれることも事実です。例えば、昨日の放送で言えば、愛着障害の人の「かりそめの成人期」の「強さ」についてのことですね。
こういうふうに様々なシーンで父親の顔が見え隠れするのも事実としてあります。しかし、繰り返しになりますが、必要なものは、父親ではなく「父性」です。父性をもらえるなら父親でなくてもよくて、母親でもいいのですね。
■愛着障害の人のはかなさと強さ
【お返事④】愛着障害の「はかなさ」はこの記事ですね▼
サイトの記事をよく読んでくださっててありがとうございます☺
愛着障害の人は、【幼児期(成人期)】でした。(成人期)が「強さ」の源泉です。そして、「はかなさ」は、基本的信頼感の構築に失敗した「幼児期」、つまり愛着障害(虐待)の源泉から出てきているものだと思います。
基本的信頼感は、人間が世界で生きていくためには、必要不可欠のものですので、それが無いというのは、はかない人生そのものであるということです。愛着障害の人々の「消え入りそうなはかなさ」は、そこから出てきています。
つまり、強く見せている、その背景には、消え入りそうなはかなさがあるということ。
強く儚い者たちという歌があるのですね。Coccoの歌だったんですね。
◇ラジオのおやすみ談話室:梅の花が咲いています。東京では2022年は2月1日に開花しました。16日から18日は、風は冷たいものの、日差しが届き、梅の開花も進みそう。
桜の開花は、東京で3月22日予想です。
⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。
Twitter でも発信しています。フォローいただくと、発信ばかりでなく質問箱のQ&Aを見ることもできます。【Twitter】→ https://twitter.com/soleapsy
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?