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愛着障害へのカウンセリング|積極的なマインドフルネスや積極的な傾聴を心がける

【質問】2022.3.15のラジオ(スタエフ)で、動くことしか出来ない自分も、動けない自分も良し、という話がありましたが、マインドフルネスな態度という事ですか?
動いてもいいと許可が降りれば止まるし、止まっててもいいとなれば動く、ということでしょうか?それだとまだ目的思考でしょうか?
望む状態を導くためにマインドフルネスをやろうとしてるというか・・
どうなっても、どっちでも良しということですよね。言うが易しおこなうは・・ですね(笑)

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

【お返事】「生きるって返せない借金がかさんでいくようだ」という質問に対しての私の返事ですね。「行動している自分も、行動しかできない自分も、行動しない自分も、すべて良し。」とお返事しました。

こちらの記事にある2番目の質問ですね▼

■積極的なマインドフルネス

「行動しても、しなくても、すべて良い」というのはマインドフルネス的ですが、【積極的なマインドフルネス】と言ってもいいかもしれません。通常のマインドフルネスは、どういう自分もジャッジしないで見ている感じですが、積極的なマインドフルネスは、どういう自分であっても肯定している感じです。だから、「すべて良し」なワケです。

瞑想でいうと、通常の座るパッシブ瞑想と、動きのあるアクティブ瞑想の差ともいえるでしょうか。どっちの瞑想もいいのですが、ソレアではアクティブ瞑想をおススメしています。なぜなら、アクティブ瞑想のがヒーリング的要素があり、積極的に自己に関わっているからです。同じように、ソレアでは、傾聴であっても、積極的な傾聴を使う場合があります。この理由は、ソレアには愛着障害の人々が多く来るからです。

愛着障害の人々へのカウンセリングには、少しアクティブなアプローチが効くのです。逆に、愛着に問題はなく、通常の葛藤による相談や家族相談には、パッシブなアプローチ、つまりガチな傾聴が効くのです。そのへんを上手に使い分けるのが、カウンセラーの力量が発揮されます。

■積極的なマインドフルネス|具体例

自分の現在位置を知ることがマインドフルネスです。例えば、「いま とっても さびしい」こういう自分がいることが分かっている、これがマインドフルネスです。その自分を肯定もしないし、否定もしない。まずは、こうやって自分を知っていくことが大切です。

積極的なマインドフルネスは、この通常のマインドフルネスを経由してから行います。例えば、「さびしい」と客観的に観察している自分がいます。その「さびしい」と感じている自分に「さびしいね」と声をかける感じです。

ハコミセラピーには、マインドフルネスな状態になってから、プローブという手法を使う場合があります。これは、かけてほしい言葉を第三者にかけてもらうことです。ここの「第三者」を、自分のこころの中に居る第三者に言ってもらうのが、積極的なマインドフルネスです。次の2つのスキルがあります。

  • まず、「さびしい」自分の感情を十分に味わいつくす必要があります。フォーカシングでいうとフェルトセンスを感じ続けているような感じです。

  • そして、十分に味わいつくしたと思ったタイミングで、「さびしいね」と受容してあげる。これが積極的なマインドフルネスです。

ハコミセラピーの技法の、マインドフルネスとプローブの2つのスキルを自分でやる感じです。これが積極的なマインドフルネスです。

■積極的な傾聴|具体例

さて、積極的な傾聴とは何でしょうか。これもまず「普通の傾聴」ができることが条件です。傾聴については何度もお話しています。復習すると、

  • 口をさしはさまない

  • あいづちもできるだけ少なく

  • 助言をしない

この3つでした。そして、積極的な傾聴とは、

  • 相手が自分の感情に触れる話をしているとき、特に嬉しい感情、快な感情に触れる話をしているとき、ちょっとだけ受容度を高めた応答をすることです。

  • 1セッションで、2度くらいでしょうか。あまり頻繁にはやらない。頻繁にやると相手が不愉快になりますから。

例えば、「カウンセリングに来る途中で立ち寄った店で、気に入ったジャケットがあったので思わず買ってしまった」と話があったとします。積極的な傾聴では、「へー、ここで着れる?」と促し、実際にジャケットを着た姿を見て積極的な感想を返すのです。「似合ってるね」「その赤、すごくいい!」「私もそれ買おうかな」とかです。通常のカウンセリングでは、「へー、気に入ったの買えて良かったね」と返すか、にっこりする程度ですが、実際にそのときに感じている気持ちを、相談者とカウンセラーが一緒に味わうのです。

■まとめ

  • 積極的なマインドフルネスは、愛着障害のカウンセリング向き。

  • 積極的なマインドフルネスとは、マインドフルネスな状態で感情を味わい尽くし、そこに自分で「受容的な」声をかける。ハコミセラピーのスキルが活きる。

  • 積極的な傾聴も愛着障害のカウンセリング向き。

  • 積極的な傾聴とは、相手のうれしい感情を増大させるもの。実際に行動してもらって、それを肯定する。

◇ラジオのおやすみ談話室:今日のtweetから。

保育士の仕事って何でしょう?それは、子どもが感じている感情を言語化してあげることです。これは普通の育児でも同じです。使える!☺

■他の助けを求めるのもいいでしょう

もし、あなたが重大なストレスを抱えていて、生活がなかなかままならないときは、積極的なマインドフルネスや傾聴が効果的かもしれません。愛着臨床の経験豊かな臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。あなたが様々なストレスにうまく対処できるように、心理士は特別なトレーニングを受けています。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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