母性とはどういうものですか?|ゆるぎない大地です
【質問】父性は大樹に守られる感覚とのことですが、母性はどういう感覚ですか?大海?大地?
【お返事】母性や父性を考えるときは、コフート心理学を勉強すれば、かなり適切な答えを見つけることができるでしょう。母性とは、
・世界中が私の敵になったとしても、この人だけは自分の味方でいてくれる
そんな感覚ですね。質問者さんのいう「大地」のようなイメージでしょうか。大地震がやってきても、自分の足元は決して揺るがない、そんな印象です。
大樹は大地に根を張りますね。それが母性と父性の関係です。しっかりした大地(母性)があってこそ、大樹(父性)が根を張れます。ということは、母性がない父性は、あり得ないということですね。
父性については、
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■母性について
母性とは、次のような感覚を与えてくれます。
・この人だけは自分を認めてくれる
・この人だけは注目してくれる
・この人だけは味方でいてくれる
あなたが認めてほしいポイントがありますね。それを外さずに、的確にそのポイントを押さえて認めてくれる。これば母性です。単に、ほめているだけとは違います。ポイントを外していないこと。
これは愛着の基本原理ですね。ポイントを外さず情緒交流できることです。これが出来ていれば、愛着障害になりません。ポイントを外さないためには、相手のことをよく観て、よく話を聴くことです。これが母性ですね。するとこの母性は、子どもだけではなく、他の人にも使えるということになります。
母性は人生の最早期に与えられる滋養のようなもので、それがないとこれから人生をスタートできないというようなものです。これを心理学では【基本的信頼感】と言っています。別の名前で【愛着】といいます。なくてはならないもの、それはまぎれもなく「大地」といえるでしょう。大地がないとその上に家も建ちません。
大地があると、そこに大樹(父性)が育ちます。これが、母性と父性の関係です。母性がしっかりしていないと、どんなに父性が注がれても、その父性は倒れるかもしれません。
■コフート心理学について
心理療法を含めてカウンセリングは、次の2つに分けられるでしょう。
・アドバイス中心主義
・相談者中心主義
前者は(異論はあるかもしれませんが)、認知行動療法、森田療法、フロイトによる精神分析、ユング心理学などがあげられます。カウンセラーによるアドバイス(心理教育・解釈)を相談者が受け入れていくことで、こころの状態(思考)を変化させていく方法です。
後者は、ロジャーズの来談者中心主義、コフート心理学、ハコミセラピー、芸術療法、ボディアプローチなどがあげられます。共感をすることで、相談者が勝手に変わっていく方法です。相談者が育て直されるような印象です。コフートやハコミのほうがロジャーズよりも積極的ですね。
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