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病気が怖い人へ|病気不安症への2つの対応

【質問】歯医者が怖いという質問を読みましたが、 私は、病院が怖いです。ただの風邪ですら、もし、怖い変な病気が他にあって見つかってしまったらどないしょ、と思い 、受診するだけで血圧も高くなってしまう始末。
今月末に健康診断が控えていますが、今から心配で夜も寝られません。こんな私に良きアドバイスお願い致します。


【お返事】DSM-5には、病気になる恐怖症というものがあって「病気不安症」という診断名があります。身体症状症というカテゴリーの中の1つです。対処については薬によるもの、心理的な対処、2つあります。

身体症状症と似ている状態のもので、別のカテゴリーとして、不安症や強迫症があります。これらは1つのものー不安の病理ーとして捉えることもできます。不安と強迫症、身体症状症の関係は…

・意識的に不安が強くなると、その不安を何とか収めようと強迫行動(繰り返し行動)に出ます。これが強迫症です。例えば、ガスが切れたかどうかを何度も確認したりすることです。

・無意識で不安を感じると、その状態のままで居ることが居心地が悪いので、その不安をそらすために身体の症状として出す場合があります。これが身体症状症です。

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■病気不安症とは?

病気が不安であるというのは、普通の人でもよくある話です。しかし、それが気になって気になって、次のような行動につながることがあります。

・病気を恐れて過度に受診を繰り返す
・病気の判明を恐れて受診や検査を受けない

これらの行動が、分かってはいるがやめられない状態が6か月以上続くと、病気不安症と診断されます。

質問者さんは後者の場合でしょうか。病院恐怖というのではなく、病気恐怖なんですね。怖いから血圧も上がって当然です。

病気不安症という名前がついているので「病気への不安」と思いがちですが、むしろ恐怖に近い。「病気恐怖症」と言ったほうが近いでしょう。

■薬での対応

心療内科へ行くと、不安症や強迫症と同じようにSSRI(抗うつ薬)が処方されるようです。

身体症状症は別のカテゴリーとしてDSM-5では区分されていますが、不安症や強迫症と似ている状態なんですね。だから、同じような薬が処方されます。

■心理的な対応

身体症状症は恐怖症の一種ですので、「安心」を感じることで恐怖が緩和されるかもしれません。

・あなたが「安心」を感じる場面を探してみてください。

・小さな頃の思い出でもいいですよ。

・何かの歌でもいいです。あなたの思い出の歌をくちずさんでみる。

とにかく安心と恐怖は共存できませんので、安心を喚起する歌によって、少しは恐怖が緩和されるかもしれません。試してみてください。それくらい安全基地というものは、あなたの人生に重要な役割を担っています。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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