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10代で母親をなくした子|かなしみを乗り越える(喪の作業)だけではない苦労がある

この記事は「シノブラジオ」の覚え書きです。本編が気になったら、下記のラジオのほうもお聴きください。
>>シノブラジオ

臨床心理士・公認心理師の高間しのぶです。埼玉県志木市のソレア心理カウンセリングセンターでカウンセラーとして働いています。

■テーマ

10代で母親をなくした子|かなしみを乗り越える(喪の作業)だけではない苦労がある

◇こんな疑問や悩みを持っている方に
・若くして母親を亡くして、それがずっと乗り越えられずにいる
・母親喪失のかなしみがなかなか消えない

◇そんな人がこの放送を聴くと、
・喪の作業以外に必要な作業がもう1つあることが分かります。

◇ツイート紹介
今日のテーマにつながる私のツイートを紹介します。

10代で母親を亡くした人は、母の死を乗り越える作業が必要といいます。これは喪の作業ですが、実際は「母の死」を乗り越えるというより「母」を乗り越えることのほうが大変です。つまり母とは、子どもにとっては倫理規範であり、それを乗り越えることでアイデンティティが見えてきます。

■喪の作業とは?

・精神分析のフロイトが提唱したもの。大切な親しい関係の人を何らかのことで失った場合、残された人が一般的にたどる心理的な過程。

・正常な喪を「悲哀」、異常な喪を「メランコリー」(うつ病)と呼んだ。

・愛着研究のジョン・ボウルビィは喪の作業の心的な過程を、以下の4段階にまとめた。

1. 激しいショックを受けている
2. 失ったことを認めず、まだ生きているようにふるまう
3. 失った絶望に浸る。抑うつ状態になる
4. 失ったことを認め、再生する努力を始める

メモ
最終的には、失ったものを諦めることよりも、失ったものとの絆は続いていくことを理解する。東日本大震災でも協調された「絆」である。

■10代は「母を乗り越える」時期でもある

・母の死への喪失感は、当然、ある。
⇒そのため喪の作業は必要
⇒母の死を乗り越える

・しかし10代は学童期に母親から受け継いで完成させた「倫理規範」を自分の規範に合わせるために、倫理規範を壊して再構築させる時期である。
⇒そのため「母を乗り越える」作業が必要。

・母を乗り越えると、自分の倫理規範が完成し、アイデンティティが築かれて、自立が完成する。


■まとめ:10代で母親を亡くした子の苦労

・喪の作業は必要⇒母の死を乗り越える
・倫理規範の再構築が必要⇒母を乗り越える

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