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【ライトノベル】の歴史と今

どうも、ラノベ大好きそるです。

6年前から愛読書となっているライトノベルですが、昔ラノベの歴史について書いた文章を昨日USBメモリーから発掘致しまして、改編、加筆したものをnoteにぶん投げておきます。

ライトノベルとは?

1. ライトノベルを発行しているレーベルから出版物
2 .一般にライトノベル作家とされる人が作者
3 .マンガ・アニメ調のイラストの多用
4 .キャラクターを中心
5 .ファンタジックな要素を盛り込んでいる
6 .中学生・高校生などがターゲットである

以上のことが当てはまればライトノベルといえようが、正確に決まっているわけではないのであやふやである。ライトと言いながら軽くない内容のものも多く存在する。

ライトノベルの歴史

1990年12月、大手商用パソコン通信サービNIFTY-ServeのSFフォーラムで「ライトノベル」なる名前が発明された。このころ生まれつつあった新しいタイプの小説を語るスペースにつける名前として生まれた。

だが、その名前はなかなか定着せず一般名詞として出たのは2000年代に入ってから。インターネットが広く普及し読者同士の交流が増えた事がきっかけで広まる。

世間に広まるまでに10年間のタイムラグが生じるが日本で定着したのは偶然ではない。ラノベが発明される1990年以前に2つの大きなブームが根底にある。1つは「海外翻訳ファンタジーの流入」2つ目は「RPGゲームの普及」。

海外翻訳ファンタジーの流入

海外翻訳ファンタジーは「ファンタジー古典」という作品群が翻訳されたもの。 C・S・ルイス『ナルニア国物語』(岩波書店/講談社、翻訳版は1966年〜) J・R・R・トールキン『指輪物語』(評論社、1972年〜) アーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記』(岩波書店 1976年〜)などがある。1960年代後半から1970年代前半のファンタジー古典の流れを受けるように1980年代前半から、後にライトノベルがターゲットとするのと同じ中学生・高校生層の『ヤングアダルト』向けの広義の意味でのファンタジー小説が活発になっていった。ちなみにヤングアダルトとは、英語圏での小説の分類。ミドル〜ハイティーンの、思春期の後半で悩み始めた少年少女を対象とする小説。しかし、「ヤングアダルト」語感が語弊を生むのか、最近は「青少年向け」「青少年文庫」という言い方が普通。

ヤングアダルトからの流れと共にSF小説からの流れも来た。ライトノベルが登場する前は少年向けの娯楽小説の王者はソノラマ文庫やハヤカワ文庫に代表されるSFであった。SFはやはりライトノベルの原型となったものだ。

RPGゲームの普及

1980年代後半になってくるとコンピュータゲームの普及でファンタジーブームが到来。その中でも「RPG」の登場が大きくかかわっている。

RPGはもともとアメリカで生まれたタイトル。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』はアメリカでの人気は爆発。今までにないゲーム性は世界で大きな衝撃を与える。

アメリカのRBGを真似し1985年に「ドラゴンクエストⅠ」をファミコンで発売した。しかし、日本にRPGという概念がなく劇的という売り上げは出すことはできなかった。しかし、1987年に続編「ドラゴンクエストⅡ」が発売。ドラゴンクエストⅡは社会問題となる程の売り上げを記録。追随する形で「ファイナルファンタジー」などの現在も続く人気シリーズが発売。日本はファンタジーブームとなった。小説界も波に乗り『ロードス島戦記』、『スレイヤーズ』、『フォーチュンクエスト』などが登場しヒットを重ねていった。ライトノベル黎明期の一大ヒットタイトル達だ。

レーベルの創刊

1990年末に「ライトノベル」という言葉が出来、「角川スニーカー文庫」と、「富士見ファレタジア文庫」が現れしばらくは二つのレーベルが二人勝ち。他にも集英社のスーパーファンタジー文庫などあったがその二つに対して規模は少ない物。だが、1990年代後半に新たなレーベルが台頭する。主婦の友社(のちにメディアワークス)から1993年に創刊された「電撃文庫」。このレーベルは、角川スニーカーの人気作家がそのシリーズごと「移籍」。初動はベテラン作家を軸に覇権を取る。電撃文庫は後進の育成にも力を入れ、新人賞をフルに活用し新人を貪欲に発掘し、さらに掘り出された新人たちを根気よく育てた。その結果、毎年の新人賞者のうち誰かは十数冊を書き、電撃文庫のトップや中堅作者として生き残る。当時としては斬新な新人育成が電撃文庫を今現在まで支えている。

同時期に電撃文庫はファンタジー系から現代のもへ転換期を築いた。1980年代末には新鮮だったファンタジーも飽きられてくる。科学的な要素やSF的な要素など入れて目先を変えようとしていた。それに対して、「現代もの」は超常的な能力によるアクションを題材にとった「現代ファンタジー」、「学園異能」などと呼ばれるジャンルは目新しく映り、また現実の社会問題とキャラクター設定やストーリーを絡めることで読者の感情移入をより強く誘えることも合間って勢力図がファンタジーより現代のものへと大きく傾く事となったのである。そんな功績を残した電撃文庫は現在もライトノベル界のトップランナーある事は変わりない。

ライトノベルを取り巻く環境は状況がどんどん変わる。もっとも目に見える形の変化は新レーベルが続々と創刊だ。たとえば『MF文庫J』、『ファミ通文庫』、『GA文庫』、『ガガガ文庫』、『SD文庫』、『HJ文庫』、『講談社ラノベ文庫』、『このライトノベルがすごい文庫』、『JUMP j BOOKS』、『C★NOVELS』、『創芸社クリア文庫』、『ヒーロー文庫』、『オーバーラップ文庫』、『講談社BOX』、『星海社FICTIONS』、『一迅社文庫』、『KCG文庫』、『スマッシュ文庫』etc... 

また、流通や販売面でも状況は変化していた。[アニメイト]や「とらのあな」などのアニメ・コミック類を専門とする書店が各地に登場。インターネット通販だけを行う『Amazon.Co.jp』、『bk1』の存在が小型〜中型書店などでおかれないようなマイナーレベルの作品や、シリーズの即刊を容易に買えるようになりレーベル間の競争が激化する。

変化する読者層

ライトノベル読者の年齢が縦に伸びているという。上記で述べたが、ライトノベルは中学生・高校生層がターゲットだが、大学生や社会人といった本来のターゲットではない層がライトノベルに関心を持ち読むようになる。従来、中学高校の六年間でライトノベルを卒業し、ミステリーなどの大人系の本へ進んでいく。しかし、卒業せずにそのままライトノベルを読み続けたりするモラトリアム傾向が出ているという。

こうした動きを受けて従来型に合わせてよりストーリー性を重視したハードカバーが増える。ハードカバーのライトノベルのほとんどが従来のライトノベル的なイラストが使われず「読みたいけれどイラストが」という層にアピール。こうした動きによりライトノベルの知名度は著しく上昇し、2003年~2004年にかけて「ライトノベルブーム」の到来。その要因は、ライトノベルを紹介する本が増え「ライトノベル」という言葉が世間で確立し広まった。

アニメ化の主流に

最近では、ライトノベルが原作となるアニメ作品が大ヒットを飛ばすケースが増えてきた。多くのアニメが1クールで終わってしまってところを、2期や劇場版化、OVA化を果たしている。その結果Blu-rayやDVDが売れ原作の文庫のほうも売れる。最近で言えば「Reゼロから始める異世界生活」、「この素晴らしい世界に祝福を」、「オーバーロード」など。「SAO」は異色ともいえるハリウットでのドラマ化も進行中らしい。
 

だが、2019年あたりから市場売り上げ数は減少傾向にあり、各レーベルは安泰とは言えない。

この記事の中では、『中学生は少ないお小遣いの中でハズレを引かないように売れている作品や話題になった作品を買う傾向にあり、中高生を対象とした新作が売れない。連鎖的に対象は大人買いできる大学生~社会人向けになり内容が重く、難しくなり余計中学生の手が伸びにくくなったと推測されている。』

かくいう私も、中高生の時は話題作やアニメ化された作品を中心に少ないお小遣いから買っていた。大学生になった今でも昔から読んでいたシリーズの最新刊が出れば買いに行くが、読書時間がなく新作に手が伸びない。

映像系であればNetflixや、Prime video、dアニメストアに代表されるように低額で見放題できるサービスが主流になっている。ラノベでも角川が運営している『book☆walker』などあるが認知度が低い。760円と文庫本1冊分の金額で1万冊以上がが読めるのはお得だと感じる。

多くの作品に触れさせ、気に入った作品があれば続編を買わせる。角川以外でも増えてくるのだろうか。

サブスクに入らなくても小説家になろうで数多の作品が投稿され、中には書籍化作品やそれ以上の作品も無料で読むことはできる。お金がなくても自分で発掘できる。そんな楽しみ方もある。

電子書籍の利点としてシリーズが長くなりがちなラノベにとって本棚がかさばらないのは非常に優秀なポイント。

最後に

中高生向けであったライトノベルの読者層が多様化して久しい。2017年にアニメ化された『幼女戦記』は中学生が軽く読めるような文章難易度ではない。世界史に対する事前知識も必要。しかも文庫本と比べればハードカバーで高い。

敷居が高くなったのか、重さが出たのか。ライトノベルの軽さが失われなければ良いが...。

参考文献

大森 望  三村 美衣 『ライトノベル☆めった斬り!』太田出版  2004

榎本 秋 『ライトノベル文学論』 NTT出版
2008

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