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なぜ、KSFを見つければビジネスが上手く行くのか?KSFの見つけ方と事例

ご興味持っていただきありがとうございます!
ソラッチです。

ビジネスで、この部分に人やお金を集中させれば成功確率が上がる重要な所があるのってご存じですか?

それをビジネスの成功要因=KSF(Key Success Factor)と言われるもので、事業を成功させるための必要条件と言われています。

経営戦略やマーケティング戦略の立案だけじゃなく、営業や開発に携わる人でも、このKSFが分かっていれば、成果は大きく変わってきます。

なぜ、KSFは重要なのでしょうか?

それは、どんなに大きな企業でもお金や時間が無尽蔵にあるわけではなく、限りある経営資源をビジネスの重要な所に集中させる必要があるからです。

でも、どこがビジネスの重要な所か分かっていなければ、経営資源を集中させる事もできません。

このビジネスの重要な所というのが、成功要因=KSFです。

さて、このKSF(ビジネス成功要因)ですが、多くの企業では活用できずにいます。

KSFを活用するのが難しい二つの理由

①そもそもKSFを見つける事が難しい
②市場や競合の変化に応じて、KSFを変えていない

魔法のようなツールですが残念ながら、KSFなんて簡単には見つからないし、使いこなせません。
簡単であれば、多くの企業が成功しています。

また、成功している企業も、KSFに気づいていない場合も多く、市場や競合の外部環境の変化で、KSFを変化させる必要があるのに、同じKSFに投資し続け、潰れる企業、商品もあります。

例えば、ガラケの高画質カメラなどの機能開発は、当初はKSFでした。
しかし、競合との高スペック競争を行い、いつの間にか顧客にとってはどうでも過剰価値になっている事にも気づかずに、間違ったKSFに投資し続けたのです。
その結果は、皆さんご存じの通り、iPhone、Androidに席巻されます。

KSFの活用が難しいからこそ、KSFを制すれば、ビジネスを制するといっても過言ではありません。

ということで、私が色々な学んだ中で、1番納得できた見つけた方をお伝えします。

それは、バリューチェーンから見つける方法です。

バリューチェーンとは、原材料を調達してから商品やサービスが顧客に届くまでに企業が行う活動の連鎖を、モノの連鎖(サプライチェーン)だけではなく、価値の連鎖(バリューチェーン)として捉えたもの。

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バリューチェーンを使えば、顧客への価値をプロセスに分解して把握する事ができ、どの部分に集中すれば、顧客への価値連鎖を最大化できるかが分かりやすくなります。
(※集中する部分は二つ以上の場合もあります)

だからこそ、KSFはバリューチェーンから見つける事が一番です。

KSFの見つけ方

①KSFを見つけたい市場構造と顧客の理解
まずKSFを見つけるためには、その業界の市場構造を理解した上で、顧客の片づけたい用事やインサイトを見つける必要があります。
※すみません、片づけたい用事やインサイトの説明は、ネットに沢山あるのでここでは説明を省きます。

②KSF候補をリストアップ

片づけたい用事やインサイトを満たし、バリューチェーンの価値連鎖が最大化するKSF候補をリストアップします。
この時、他社と違う価値であることも重要です。

③競合と比較してKSF残す
リストアップしたKSF候補から、市場構造に逆らわず、顧客にとって価値があり、競合が真似しづらいものを残します。

KSFの見つけ方のポイントとしては、顧客にとって価値があるKSFであるかが重要です
顧客を考慮せずに考えたKSFは、KSFではありません。

KSFを見つけた後は、本来は残ったKSFから4Pやビジネスモデルを考え、真のビジネスモデルを構築する事になりますが、それはまた別の機会で書きたいと思います。

では実際にKSFの事例をいくつか見ていきます。

イオングループのKSF

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①KSFを見つけたい市場構造と顧客の理解
小売業の市場構造の特徴として、仕入れる物が同じで、競合との差が出しづらい点が挙げられます。
そのため、いかに顧客を固定客化させるかが重要な業界です。
(例えば、Amazonの顧客至上主義の徹底は、固定客化させるためであり、その結果、世界中の多くのユーザーが固定客化しました。)

食品・日用品を求めるターゲットは、毎日購入するので、安く手に入れたい、欲しいモノが手に入る、探すのが楽などのインサイトがあります。

②KSF候補をリストアップ
市場構造やインサイトを意識しつつ、バリューチェーンの価値連鎖が最大化し、競合との差がでるKSF候補をリストアップします。
・多品種大量仕入れ
・低価格販売
・PB商品
・ポイント制度(WAON)
・モール型(ファッション、飲食店) etc
特にバリューチェーンにおいて、重要な箇所は仕入れと宣伝集客の部分になります。

③競合と比較してKSF残す
イオンは現在は②で上げた全てのKSFを実施しています。
規模の経済を活かし、競合よりも多品種を低価格大量仕入れを行い、低価格販売を実現しています。
そして、WAONポイントで集客・収益化、モールへの送客、PB商品など時代の変化に応じてKSFを変化させながら、収益もGMSやSMだけでなく、金融や不動産で収益化させるように変革しています。

詳しくは「【図解】なぜ、イオングループは儲かるのか?

コストコのKSF

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①KSFを見つけたい市場構造と顧客の理解
小売業界はAmazonの影響で苦戦中です。
基本的に同じ商品なら安く、楽に手に入る方を選択するので、ネットに奪われるのは必然です。

それでも、実店舗で買う顧客は沢山います。
この先も一定数はずっと存在する事でしょう。

ただ、AmazonなどECサイトが現れてから、実店舗に求める顧客のインサイトは変化しています。
それは、ネットよりも安くて魅力のある商品が手に入る事や、ネットでは得られない店舗の魅力を求めるようになった事です。
特に、ネットでは得られない店舗の魅力は、競合と差を出しづらい小売業にとって重要です。(ワクワクする、楽だ、楽しい、安心だetc)

例えば、ドン・キホーテは、迷路みたいな店舗で、掘り出し物を見つけ出すワクワク感を提供しています。

②KSF候補をリストアップ
市場構造やインサイトを意識しつつ、バリューチェーンの価値連鎖が最大化し、競合との差がでるKSF候補をリストアップします。
・圧倒的な魅力的な商品を見つけるバイヤーの目利き
・巨大な店舗で掘り出し物を探す楽しさ
・低価格販売
etc

③競合と比較してKSF残す
コストコでは、②で残ったKSFをより徹底するために、低価格販売の部分をほぼ原価販売にしました。
そして、その代わり収益を会員費で稼ぐビジネスモデルを構築します。
これが、真のビジネスモデルの構築の方法です。

詳しくは「【図解】なぜ、コストコは儲かるのか?」

俺のイタリアンのKSF

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①KSFを見つけたい市場構造と顧客の理解
高級レストランの市場構造の特徴として、非日常使いであるため、滞在時間が長く、廃棄ロスが多く、値段を上げざる得ない点が挙げられます。

一方、多くの顧客は、高級レストランには行きたくても行けず、日常的に払える値段で、高級レストランの味を楽しみたいというインサイトがありました。

②KSF候補をリストアップ
市場構造やインサイトを意識しつつ、バリューチェーンから競合との差がでるKSF候補をリストアップしますが、インサイトを満たすためには、図のバリューチェーンの部分の「食材をシェフが選定する」と「一流の調理」は維持する必要があります。

逆に他の部分に関しては、ターゲットが求める価値連鎖に変更してしまえばいいので、そこからKSF候補をリストアップします。
・落ち着いたお店ではなく、立食形式
・日常的に食べられる価格
・最上級ではなく通常のサービス
etc

③競合と比較してKSF残す
残ったKSFを見ると、高級、一般レストランのバリューチェーンを混ぜたような形になっています。
これは、競合には簡単に真似できないKSFです。

そして、俺のイタリアンでは、高級イタリアンの味を低価格で楽しめるという事で、口コミが発生し、広告費無し、高回転率で、廃棄ロス削減というビジネスモデルで一気に拡大していきました。


ZARAのKSF

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①KSFを見つけたい市場構造と顧客の理解
アパレル業界の市場構造の特徴として、流行が読みづらく、在庫になりやすい点が挙げられます。

ファッションに求める顧客のニーズは様々です。
ZARAでは、お金がなくても最先端の服だけを着たいというインサイトを持つ顧客をターゲットにしました。

②KSF候補をリストアップ
市場構造やインサイトを意識しつつ、バリューチェーンの価値連鎖が最大化し、競合との差がでるKSF候補をリストアップします。
・ブーム予測するのではなく、流行りだしたニーズを収集・分析
・早く生産する
・安く作る
・手ごろな販売
・ファッションショーをしない
etc

③競合と比較してKSF残す
残ったKSFは実現が難しいモノばかりです。
つまり、KSFを実現させるためにどれだけ徹底できるかが重要です。
ZARAでは、このKSFを実現するために、経営資源を集中し、KSFを徹底し続けた結果、世界一になったわけです。
現在では、これらKSFは簡単には真似できないものになっています。

詳しくは「【図解】なぜ、ZARAは儲かるのか?」


最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもKSFをお知りになりたい企業などあれば、Twitterなどでコメント頂ければ、随時更新していきたいと思います。

皆様の何かしらのお役に立てれれば幸いです。
ありがとうございました。

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