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成功するビジネスモデル、戦略が一目でわかる「戦略図解」とは

こんにちは!ソラッチです。

ビジネスプランや企画を考えて、納得する結果を得た事ありますか?
ビジネスフレームワークを使って、これか!ってなった事ありますか?
このサービスならお金払ってくれるはずだと思ったら、悲しい結果になった事ありませんか?

恥ずかしながら、僕は全て経験しています。
ビジネスプラン作っては、今回は絶対いけるはずだ!と思い。
フレームワーク通り考えて、出てきた答え通りやってもうまくいかない。
利用者数や有料ユーザー数は、常に夢物語。

でも、そんなたくさん失敗をしたお陰で、成功するビジネスと僕の失敗したビジネスの違いが、一つだけ分かりました。

それは、成功するビジネスはビジネスの重要な要素が矛盾なく関連し、そして強化しあっているという事です。

もちろん、関連性を持つように考えていました。
ビジネスモデルキャンパスやリーンキャンパス、ビジネスモデル図解などを利用して考えていましたが、どうも頭が悪いのか繋がりが分からない。
そう、僕の頭では一目で分かる図解がないと関連性を理解できていなかったのです。

しかし、そんな悩みを持つ人は、きっと僕だけじゃないはずです。
そんな思いから僕だけじゃなく誰でも戦略やビジネスモデルが一目で分かる図解の方法を考えました。

そして、ついに完成したのが戦略図解です。

戦略図解とは儲けの仕組みと、顧客価値・儲け・強みの関連性を見える化した図解方法です。

日本人は特に「儲け」と向き合う事が苦手なので、顧客満足か儲けかのどちらかに偏りがちになります。
「儲け」は将来の顧客価値提案のために必要なものなので、儲けと顧客価値とのバランスが重要なのです。

ぜひ、僕と同じようにビジネスプランをうまく作れなかった方、全体構造は分かっても儲け方を見いだせなかった方は、ぜひ戦略図解もご活用頂ければ幸いです。
特に儲けの仕組みを知りたい、考えたい方にとってはこの戦略図解が一番分かりやすいはずです。

戦略図解の見方

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戦略図解は、顧客価値や強みなど9つのビジネス必須要素を関連させ、戦略やビジネスモデルを分かりやすく図解したものが戦略図解になります。
図解の意味やそれぞれ上段、中段、下段とそれぞれの要素に関して説明していきます。

1.ビジネスの本質は「交換」

ビジネスとは、誰かと誰かが何かを交換して成立しています。
図解する事で、それぞれの項目でどんな交換が成立しているのかを見える化されます。

2.顧客価値・儲け・強みの要素の「整合性・一貫性」

上手くいくビジネスは下記の三つがそれぞれ明確であり、互いに関連し矛盾がない状態で、かつ互いに強化しあっています。
⑴ 顧客に選ばれる理由(上段)
⑵ 儲かる理由(中段)
⑶ 勝ち続ける理由(下段と全体の関連性)
この中で一番重要な⑴から解説します。
なぜ重要かというと、顧客に選ばれる理由を間違えると、どれだけ儲ける仕組みや素晴らしい提携先がいたとしても、ビジネスとして成立しないからです。

顧客に選ばれる理由(上段)

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物がない時代では売り手目線で作っても売れましたが、現在は顧客不在で作っても顧客には選ばれません
ドラッカーがいうように、ビジネスは顧客を理解することから始まります

ではどうやって顧客を理解すればいいのでしょうか?
そもそも顧客が商品やサービスを求めるのは、それらが本当に欲しいわけではなく、それらによって用事を片づける事ができるか(片づけたい用事)、もしくは欲しい感情(インサイト)を得るために求めています。
極論すれば他の方法で用事が片づけられたり、感情を得られるなら、商品やサービスは何でも良いのです。

例えば、喉を潤すという用事を片付けるために、ペットボトルの水を購入します。潤すなら飴やスポーツドリンクでも良いわけです。
ディズニーランドに行くのは、そこで楽しむ事で得られる幸福感に対してお金を払っています
ディズニーランドの幸福感に取って変わるサービスがないからこそ、みんなディズニーに通います。
もちろん、幸福感を得るために他の方法で得ている人もいます。

また、同じようなテーマパークでのUSJは幸福感ではなく爽快感という感情を提供しているので、爽快感を得たいお客がチケットを買うのです。
成功しているビジネスは、それぞれ独自の役割があり、お客様にとってその役割が認識されているから選ばれています

では、片づけたい用事やインサイトを導き出すためにどう考えれば良いかというと、STPの変化形のSTPIPで考えるのが一つです(ここ参照)。
これは下記の五つの頭文字をとったものになります。
S(セグメンテーション)
T(ターゲティング)
P(ペルソナ)
I(インサイト)
T(ポジショニング)

STPやペルソナなどは色々なサイトで紹介されているので詳しい説明は省きますが、セグメンテーション、ターゲットを考えた後、そのユーザーの具体的なペルソナを作り、そのペルソナに感情移入して片づけたい用事やインサイトを導き出します。
ターゲティングでは表面的なニーズしか分からず、さらなる掘り下げが必要であるためペルソナ、インサイト分析が求められるようになっています。

ペルソナ分析を勘違いしている人が多いのですが、ペルソナ分析の目的は、片づけたい用事やインサイトを導き出すためなので、それらを導き出せる分析に価値があり、導き出せなければ、どれだけ細かく分析できたとしても価値はありません。 

あと、ポジショニングを疎かにする人が多いですが、これも非常に重要です。
一言でいうとポジショニングは顧客にとっての独自の役割と認識を作る事です。
なぜ重要かというと、それらを明確にする事で、競合と比較されずに選ばれるようになるからです。

例えば、iPhoneが出てきた時、スペックではガラケの方が上でした。
しかし、革新的でユーザーフレンドリーな認識においてはiPhoneの一人勝ち。
その役割と認識のお陰で、ガラケと比較をされずにiPhoneを買うか買わないかで判断されたのです。

片づけたい用事やインサイトが明確に分かれば、「何を提案するか」=「どんな利便性もしくは感情を提供すべきか」も決まります。図の①と②は、ほぼ一緒に考えます。

次に、何を提供するかが決まれば、それをどう提供するかを考えます。
ここで、多くの人がいきなり④の4Pや4Cを考えるのですが、そうすると思い付きで、かつお客様にとって価値がない方法に時間と労力を使う事になります。
どう提供するか(HOW)の部分は、思い付きでも議論が進み楽しい部分なので、あらぬ方向にいかないか注意が必要です。
特に日本人は他社との違いにばかり気を取られ、過剰な価値を提供し、お客様にとってどうでもよい違いを提供しがちです
例えば、高機能、高スペックのガラケは、開発者や会社からすれば差別化されていた認識が、お客様にとってはそんな過剰価値どうでもよかったのです。

さて、どう違いを生み出すか(差別化)を考えるためには、③のこのビジネスにとってどのプロセスが重要かを考える必要があります
ここではバリューチェーンやカスタマージャーニー、購買プロセスと、競合のそれらとの比較をすることで、この事業の核となるサービス・機能や組織能力(ケイパビリティ)を探し出します
これをビジネスの成功要因(KSFと呼びます。以後KSF)と呼びますが、これを探し出す事が③の一番の目的です。

例えば、Uberは従来のタクシーを探すという手間や、ぼったくり料金の不安というプロセスにおける顧客の悩みを、スマホで探す手間を無しにし、不安のない料金支払いという解決策で一気に拡大しました。
これもビジネスの背景とバリューチェーンから、そのビジネスの成功要因を見つけて実現させたといえます。

KSFを見つけた後、4Cと4Pでどう提供するか、他社との違いを意識して作っていきます。
4Cと4Pの詳しい説明は他サイトにたくさんあるので省きますが、ポイントはまず4Cで顧客視点で考え、その後4Pに落とし込むことです。
そしてそれぞれの要素を独立して考えるのではなく、整合性・一貫性があり、相乗効果を発揮するかを重点的に考えます。

儲かる理由(中段)

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次に、儲かる理由に関してですが、上部でも書きましたがこの戦略図解において、それぞれの関連性の見える化と、この儲かる理由を特に重要視しています。

「儲け」は「誰から、何で、どのように儲けるか」であり、上段の顧客価値と密接に関わっています。

まず「誰から」は上段の顧客価値の「誰」と同じ対象の場合もあれば違う場合もあります。
上段の「誰が」が子供であれば、「誰から儲ける」は親からという具合です。
子供向け映画なんかはそうですよね。あと「何で儲ける」も同じで、上段と中段の「誰」「何で」で異なるようにするのがポイントです。

では、なぜ異なるべきなのか?
一言でいうと、顧客価値と儲けの「誰」と「何で」が同じである企業が多く、同じにすると価格競争、体力勝負になってしまうからです。
差別化という観点でこの「誰」と「何で」を分ける事が非常に重要です。

それぞれ分ける事を、顧客ミックスとマージンミックスと呼びます。
そして儲ける顧客・商品と儲けない顧客・商品を作るのですが、ポイントは儲けない顧客や商品の役割です。

例えば、顧客ミックスでいうとグーグルが良い例です。僕たちが検索する時にお金を支払っていません。
ではグーグルは誰から儲けているのかというと広告主からです。
僕たちは無料である変わりに、検索情報(他の無料のGoogleサービスも同じ)を提供しています
聞こえは悪いですが、Googleや広告主に対して情報を提供するのが役割になっています。

また、マージンミックスでいうとコストコが良い例です。
普通は商品で儲けますが、コストコでは商品で儲ける事はせず、魅力的な商品を低価格で提供し、会員の年会費で儲けて小売業界2位にまで上り詰めています。
昔からある小売業界でも、商品で儲ける代わりに顧客を呼ぶ役割に変えて、儲けを年会費にずらしてイノベーションを起こした良い例です。

このように「誰」と「何で」を違うものにするだけで、古くから存在するビジネスでもイノベーションを起こすことが可能です。

「どのように儲けるか」の部分は、なぜ他社より儲けられるのかを理由になります。
ここの考え方として、経営に関する世界の6賢人にも選ばれたエイドリアン・スライウォツキーの『ザ・プロフィット』の中で紹介されている「23の利益モデル」などを参考に、儲かる理由が論理的に納得できる事です。

例えば、セブンイレブンは日販で他社を10万円、利益率でも2倍ほど高くなっています。
競合ともほぼ同じ商品を取り扱っているはずなのに、なぜここまで差が開くのか。セブンが他社と比較して差が大きいのが、目的買いできた顧客が、他の良い商品もつい買ってしまう、「ついで買い」が多く、競合より客単価が高いからです。
そのためには顧客が求める商品を陳列し続ける構造が作り上げられています。
また顧客からすればそれだけ満足できる商品が置いているので、「ついで買い」の儲けを追求するほど、リピートにも繋がる関連性に矛盾がなく、プラスのサイクルになっています。

⑶ 勝ち続ける理由(下段と全体の関連性)

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「儲け」を数社が独占し続ける事は通常はできません。
免許が必要な銀行業界など参入障壁(ポーターの7つの参入障壁を参照)が高いものか、ニッチなビジネスで参入企業が少ないビジネスでない限り、通常は競合が参入し、利益を奪い合います。

すると利益を残し勝ち続けられる企業は、コストを一番安くできる業界一位の企業、いわゆるコストリーダーシップ戦略(ポーターの三つの基本戦略参照)が取れる企業か、それ以外は差別化戦略を取れる企業しか勝ち続ける事ができません

さて、両方の戦略とも共通するのは、他社に真似されない強みがある事です。
そして、その強みが④の他社との違いと⑥の儲けと関連し、矛盾がない状態(整合性)である事がポイントです。
強みで差別化ポイントと儲けのポイントが関連していない限り、その商品・サービスは他社に簡単に真似され、儲けは奪われます。

例えば、QBハウスでは強みである好立地、低コスト構造、カットの質が、他社との違いとして10分1000円カットを実現し、またこの強みにより高回転率を実現する事で儲けを生み出しており、強みと差別化、強みが整合性があるのが分かります。

ではどうやって強みを考えれば良いのでしょうか?
そもそも強みとは何かが分かっていないと考える事も見つける事もできません。
一言でいうと、強みとは機会に対して活かせるものです。
機会(ビジネスチャンス)は、人口推移や今回のコロナ禍などで人の購買行動や競合の違いで変化します。
そういった外部環境の変化を機会と捉えて、それに対して活かせるものが強みです。
そうすると、従来まで強みだと思っていたものが外部環境で弱みになる場合も多く、ベンチャー企業であっても勝てる可能性があるのです。

例えば、年齢が高いプログラマーが多い会社は、費用も高く新しい言語に取り込みづらいので、一見すると弱みに見えます。
しかし、セキュリティや質の高さが求められる状態であれば、経験値や高品質、対話力など強みとして捉える事もできます。
つまり、外部環境で自社の経営資源は弱みにも強みにもなりえます。(機会と強みなどの分析はSWOT分析がおすすめです)

初めから強みがある企業は珍しく、企業が発展する過程で強化されていくものです。
その強みの種が③であげたビジネスの成功要因であるKSFです。
KSFを実現させる過程で、強みが育成されるのです。
つまり勝ち続けるためにも、KSFを見つける事は非常に重要です。

強みを見つけたら終わりではありません。
企業にも人にも、強みがあれば弱みも必ずあります。
しかし、時間もお金も有限であるためすべてを強化することはできないので、特に強みを強化するべきです。

では弱みに対してはどうすべきか。
弱みに対するアプローチは二通りあります。
一つがその弱みを克服すれば、強みをもっと活かせる場合には弱みを克服すべきです。
逆に克服しても強みの強化にならない場合は、放置するか、もしくは⑧の協業など弱みを克服してくれる企業と手を組むことです。

例えば、ユニクロは東レと組むことで弱みを克服し、ヒートテックという機能性素材を活かした商品を開発することを実現しています。

戦略図解まとめ

このように、顧客価値・儲け・強みの要素がそれぞれ矛盾なく関連しているビジネスが成功するビジネスです。
逆に矛盾があれば、何が問題であるかを見極め改善していくことが必要です。
また一つでも要素を変えれば、全ての要素を見直して整合性をとる事も必要です。

特にこの戦略図解で抑えるべきポイントは
・各要素の「交換」の部分で矛盾がないか。
・ビジネスの成功要因(KSF)から他社との違い、顧客価値へ矛盾のない流れになっているか。
・強みを中心として、他社との違いと儲けのポイントが関連し、矛盾がないか。互いが強化しあえているか。整合性・一貫性・相乗効果があるか。

最後にKSFから導き出されるセンターピンを見つけ出す方法です。
センターピンとはこのビジネスにおける一番核になるものです。
なぜ、センターピンが重要かというと、経営資源は有限であり、目的達成のためにどこに経営資源を配分するかが戦略であり、その集中すべき点=センターピンが明確になるからです。(KSFをKPIとすれば、センターピンはKGIにあたるイメージです)

例えば、Facebookでは、登録したユーザーが10日以内に7人以上の友人と繋がることであったり、アマゾンでは品揃えを圧倒的に増やすこと、スタバではゆっくりコーヒーの味を楽しめることです。
このセンターピンを追求し続けるためにKSFを徹底させていきます。
スタバでは上場前にこのセンターピンから外れる事を行い、あのスタバでも経営の危機に瀕した事があるくらいこのセンターピンは重要です。

長くなってしまいましたが、戦略やセンターピンと各要素の関連性を図で分かりやすく図解したのが戦略図解です。
この戦略図解を使って、負けない戦略や儲け続けるビジネスモデルをぜひ作って頂ければ幸いです。

今、僕もこの戦略図解を使って作ったビジネスを立ち上げて、成功に向けて頑張っています。この戦略図解の辛い所が、自分で考えたモデルの弱い所が一目で分かってしまうところ。立ち止まるのが嫌いなので、改善しながら進めています。

長くなってしまいましたが、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

引き続き、いろいろな企業の戦略図解を書いていこうと思います。



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