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スマート農業に向けて、農薬散布ドローンの講習を受けました

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昨年の年末に取引先の企業様からお誘いを受けまして、2月下旬に5日間、農薬散布のためのドローン講習に行ってきました。
空撮用やトイドローンに関しては操縦経験がありましたが、農薬散布はそれらと異なる視点が必要でした。

農業は今転換期

昨今、スマート農業やアグリテックといった言葉が、農業におけるキーワードになっています。日本の農業は少子化高齢化の影響により、人手不足や後継者不足が大きな問題です。それらを解決するため、ロボットやIT技術を用いて、業務の効率化や労働環境の改善を図っていく取り組みが各地で進められています。ドローンによる農薬散布もその取り組みの一つです。

講習を受ける

講習カリキュラムは、おおむね以下の内容でした。

1日目ー2日目:座学中心
3日目ー4日目:実技中心
5日目:自動航行教習

時間は9時~18時まで、8時間みっちりコースです。

座学

主に法令やドローンに関する知識について、テキスト主体に講義が行われ、最後には試験が実施されました。すべて選択式の問題で、講師の話をしっかりと聞いていれば問題ないレベルでした。

ドローンを飛行させる際には、当然ですが法律が関わってきます。特に重要になってくるのは、航空法という法律です。
200グラム以上のドローンを含めた無人航空機は、この法律が適用されます。飛行範囲の制限や禁止行為について言及があり、ドローンを飛ばすのであれば確実に知っておかなくてはいけません。

そしてドローンによる農薬散布は、禁止行為に該当する飛行にあたるので、許可申請をする必要があります。この申請を経て、初めて農薬散布を行うことができます。

他に関わる法律としては、農業食品衛生法や農薬取締法、電波法があります。

実技

自分の手の動きとドローンの動きがイメージできるように、実機とシミュレータを利用してとにかく操作しまくりました。やはり、実技が最も多く時間が割かれた項目でしたね。

農薬散布用ドローンは、空撮用ドローンと比べると大きく重量もあるので、風などの影響は受けにくかったです。ただ、カメラがないためドローン主観の視点を確認できず、機体の向きには常に注意を払う必要がありました。

向きが変わったり、速度が一定でなかったりすると、農薬の散布量にばらつきが出てしまうので要注意です。特に、濃くなると農薬の基準量を超える恐れがあります。こうなると出荷できなくなるので、損害が大きくなってしまいます。

それと、機体の距離感をとらえることが難しかったです。余分に飛ばしてしまうと、余計なところへ散布してしまったり、バッテリーの浪費につながります。短いと、散布できていない所が生まれます。講習中、常に気にかけていたことでした。

自動航行

最後は自動航行でした。事前に測量を行って散布ルートを作成することで、人が操作することなく散布を行えます。大きな農場になるほど、メリットの大きい方法です。講習に使ったDJIのMG-1だと、この機能を最大5台で使用することができます。

手動による飛行は、操縦者の技量によって大きく左右されるため、よりドローンを生かそうと考えるなら、こちらの方法を習熟させていきたいと私たちは考えています。もちろん、操縦も向上を図ります。

講習を経て

無事講習を終え、修了書をいただくことができました。
講師の方もおっしゃっていたのですが、ただドローンを飛行させるなら、少し触ればだれにでもできます。ただ、講習を修了した身としては、より効率よく、より安全に飛行させる意識を持たなければいけません。それによって差別化することができます。

山口県でも、すでに始めている地域があります。この動きを広げていけるよう、私たちも力を尽くしていきたいと思います。

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