友達

気がつけば近くにいた。
出会いなんて覚えていない。
でもたしか、私の記憶のほとんどに君がいる。
言葉を交わさなくても分かり合える、そんな存在。
友達とは、自分を写し出す鏡だと私は思う。
楽しい時、嬉しい時は同じくらい笑ってくれる、
悲しい時、辛い時は一緒に悩んでくれる、
もちろん、友達が泣いている時は一緒に泣いて寄り添ってあげる。
私の友達は、みな素晴らしい人間である。
視野が広く、他人想いで気が使えて、
優しい人ばかりだ。
そんな人々に感化されて私もそういう人になりたいと考えるようになった。
私はとても恵まれているのだろう。
そう思う根拠は他にもある。
全てを打ち明けられる存在、
自分を叱ってくれる存在、
自分のために何かをしてくれる存在がいるからだ。
何事もうまくいかず悩んでいる時、もちろん1人でも解決策を見つけられるかも知れないが、
もしそれが間違った方向に進んでいたとしたら
それに気づくことすらできない。
私は、自分の弱い部分を見せるのが嫌なので
1人で考え込むことが多い。
だが、抱え込みきれない時もある。
そんな時に私は、私の全てを打ち明けられる友達に頼る。
そうすると、それまで1人で考えていた過程で出てきた答えが間違っていたら、
それは違うと指摘してくれるし、
時には叱ってくれる。
私はそれで自分の考えの甘さなどを知ったりする。考えがまとまらない時は、
より良い方向へ進めるように一緒になって悩んでくれる。
私は、1人では生きられない。
それは私だけではないはずだ。
なぜなら、人間の温かさを知っているから。
一度をそれを味わってしまえば、
簡単に抜け出すことはできない。
抜け出す必要はない。
頼って、頼られて、
助けて、助けられて、
人はそうやって成長していく。
友達とは、そういう存在である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?