002校正_2020年_焦っている中国のパパママ

2020年、焦る中国のパパとママ

中国経済が発展していくと同時に中国の教育も年々進化している。しかし、中国の親はみんな焦っているし、教育事情の中でおかしいと思うことも多くある。

僕は仕事で日中間を行ったり来たりしているけど、少しでも時間があったら北京に帰り、家族の面倒を見る。
ある朝、娘を学校に送ってあげる(娘は小2で、朝は7時40分から始まる)。もうすぐに学校に着くというとき、娘の知り合いが1人で学校に向かって歩いていった、「1人で学校に行くなんてかわいそう」娘が僕を見ながら言った。
そのとき「なにかおかしい」と僕は思った。
そうだ、僕の小さい頃は1人で行くのは当然だったんだ。(僕は1982年に生まれ、小学生だったのは90年代、当時はまだ豊かな生活ではなかった)
生活は豊かになったのにも関わらず、なぜ子供の自立能力は低下したのだろうか?親が子どもを送り迎えしなければならない理由は何?
僕が思うに、それは、
車が増えたこと、貧富の差がどんどん拡大したこと、社会的に不安定な要素が多くなり、子供を見守らなければならなくなったためである。
【これは親が安全に対して焦りや不安を覚えているということである】

北京に行ったことがないとわからないかもしれない。北京は(中国の首都で)巨大な都市であり、初対面の北京人同士は「どこに住んでいますか?」「南のほうです」という挨拶を交わす
北京は四角い都市で東南西北に分かれている。北のエリアには学校やIT企業も多いため当然教育の競争も相当高い。
北エリアに住んでいる親同士の会話を聞くとわかると思う。
“うちの子は小三で、英語の単語は1500個ぐらい覚えたけど、これで足りるかな”
“アメリカの子どもなら十分けど、海淀(北京の北側にあり、大学が集まっている区)には足らないな”
「なにかおかしい」僕は思う。
なんでアメリカで十分な英語能力は、中国には十分ではないのか?それはおかしくない?
ここにやっぱり、理由がある。
中国経済がここまで発展した原因は、人口が多いおかげで、労働力が多くて安くて質もいい、だからたくさん価値が生まれた。その反面、中国国内の競争も相当なレベル、出世するためにはいい成績を取って、いい大学に行かないと無理だ。
このような環境でいい大学に入り運命を変えた勝ち組の人たちが今の中国でトップに立っている。
だから、僕は、その人たちは出来る限り今までの仕組みを維持していきたいと思っているのだろう、と推測している。
【これが親が教育競争に対して焦りを覚えているということである】

当然おかしいと思っている人は僕だけではない。、
インターネット時代は今やここまでやって来た。そのおかげで中国はかなり進化した。
情報世界の今、知識よりも、情報をどうやって組み合わせて新たな世界を作るのかということが大事で、そのわけを知っている中国人はたくさんいると思う。
例えば、ある年の全国テストの作文のタイトルは「三国志の中のある人物だという設定で、面接で話すための自分の歴史を書いてください」。
これはすごくないだろうか?ある程度知識と情報を持ってないと書けないし、今の時代の特徴を知らないと書けない。
僕はこのタイトルを考えた先生を尊敬している。

中国教育、特にK12教育(幼稚園年長から高校まで)にはまだたくさんの問題がある。昔と同じ考え方とやり方で今の子どもに教育をしていくと、優秀にならないし、時代遅れだと思う。
もしかしたら、これは余計な心配なのかもしれない。起業ブームの今、教育ベンチャー企業もたくさん増えていて、我々中国的なやり方で教育の市場を変えていく、よくなる可能性は十分にあると期待している。

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