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大拙禅学まとめ図


 2020年9月、龍雲寺での、円覚寺横田南嶺管長のご講話「鈴木大拙に学ぶ」がとても素晴らしく、管長の図式をアレンジして、大拙思想の要点を整理してみました。(管長オリジナの図式は、下のリンクからYouTubeでご覧になれます。)

 まず、大拙思想の中核をなす用語のひとつの「超個の個」という言葉の位置づけです。これは、見性経験に伴う個人のあり方の変化として示すことができそうです。

分別 ⇒ 無分別 ⇒ 無分別の分別
個  ⇒ 超個  ⇒ 超個の個

図1 見性による個人の在り方の変化

 禅を学ぶ人は、時が至ると、主客未分の現前意識、平等・無差別の世界を観ますが、その人はそこに安住せず、差別・分別の世界に戻ってきます。ですが、そのときはもう、個は元の個ではなく、超個の個になってしまいます。
 次に、「禅の思想」から、大拙独自の有心と無心の表記を整理しておきます。

心⚫︎ ⇒ 無心 ⇒ 無分別 ⇒ 愛 ⇒ 安心
心⚪︎ ⇒ 有心 ⇒ 分別  ⇒ 力 ⇒ 闘争

図2 闘争を生む心、安心を生む心

 心⚪︎は、私たちが通常もっている知性で、分別、すなわち二分性の心です。心⚫︎は、いわば見性経験を得た人のもつ不二性の心、超個の個の心、無分別の分別の心です。大拙は、この2種の心について、禅の思想の中で詳しく説明しています。

 大拙の思想の全体像については、以下のリンクの横田管長のご説法を、ご参照願います。大拙の人となり、学問、そうしたものがじつに明快に、楽しく、講談を聞くかのように頭に入ってくる素晴らしい講話です。

Aki.Z

【龍雲寺ダンマトーク:鈴木大拙に学ぶ】9月26日(土) 午後3時30分より


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