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料理初心者の「任しとけ」を鵜呑みにしてはいけない

誕生日の禊が終わったので、昨日のnote副音声バージョンとして書き残します。

自分の名前だけは騒がしい場所でもよく聞こえるという現象(カクテルパーティー効果)の逆で、自分と関係が無いと思っている事象は、そこに現に存在するのに認識できなくなるなんて事があるんだろうか。

男女差なのかも知れないけれど、我が家の旦那さんはキッチン周りで極端にこの認知機能が低下する現象が起きる。

昨日の話。私が色々と作業に追われていて外食もままならなかったので、「今日は誕生日だし、夕食作りは任せておけ」と旦那さんが言ってくれた。今週はお試しで取り寄せたレシピ付きの食材宅配があるから、手順の通りに作るだけだ。よし、ありがたくお願いして、とっとと作業を済ませて一緒に乾杯しようではないか。

料理開始早々、パプリカがどこにあるか聞いてきた。既に手に持っているキャベツの真横にあったはずなのに。そうかと思うと、引き出しを物色しながら、醤油はどこかと聞いてくる。一番背が高くて飛び出しているボトルにでかでかとそう書いてありますよ。

「さとう」のシールが貼られた調味料入れを開けながら、砂糖ってこの茶色いのでいいの、って聞いてくる(注: 三温糖)。小さじ1杯ってどれくらい、って小さじやら大さじやら書いてあるさじの束を持って聞いてくる。計量カップってどこ、ってそう来ると思って食器カゴにわざと残しておいたのを気づかず聞いてくる。
エノキってくっついてるとこ、どうしたらいいの、って聞いてくる。あなた、切り株みたいなエノキが入ったスープ食べたことありますか?無いですよね?ほぐせ?キャベツ4分の1って切り出すの難しくない?って聞いてくる。半分の半分に切ったら4分の1って小学校で習ったやろがい!何でピザみたいに切り取ろうとしてんねん、手ぇ危ないわ!

………うぉおおおお、進まん!料理もこっちの作業も進まんぞぉおおお!
(心の声です。表面は笑顔。)

誕生日だから特別扱いしてやろうという気持ちは物凄くありがたいし、昨日のnoteにも書いたけれど、一緒に祝ってくれる人がいること自体、本当に本当に幸せなことのだが、ひと手順ごとに声を掛けられるので全然進まない。全然解放されてない。むしろ自分がやった方が早いし、何とも心配で落ち着かない。何なの。

旦那さん、得意分野に関しては驚くほどのリサーチ力と問題解決能力を発揮する人なのに。キッチンに立つだけでなぜ見えてない、読めなくなる、食べたことがあるものの形状まで忘れちゃう?

そして食事が終わってまたPCに向かう私に「今日は何書くの。ネタ切れじゃないの」って聞いてくる。あんたの話を書いとるんだわ。

ご飯作ってくれた上に、ネタまで提供してくれてありがとう。

もうちょっと、キッチンも自分のテリトリーだと思ってくれると、ボケたと思ってひやひやしなくて済むので助かります。

ちなみに切り株みたいなエノキはじっくり焼いてバター醤油ステーキがおすすめです。いつか作ってもらおう。


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