見出し画像

私の女子的対人能力が低い理由とは(人生振り返り①)

 人と関わるのが苦手だった。人と話していても楽しいと思えることが少なかったから。
 
 幼少期に自分にとって面白いーーというか一般的にみて大分とがった話をしてくれるのは大抵男の子だった。彼らは(良くも悪くも)周りの反応などお構いなしに自らの築いてきた世界の内側を見せてくれた。好きな文楽の話、木星の衛星の話、数学のパラドックスの話。知的好奇心を満たしてくれるそれらの話は私の心の栄養だった。私は対価として何かを差し出すことはできなかったけれど。

 小学生になっても私が女の子のグループに継続的に入れないことについて母親は危機感をもっていたのだと思う。
「なんで一人で帰ってくるの?」
「なんで友達ができないの?」
 だって、社会的な対人能力を身につけた女の子たちの当たり障りのない話は私の欲求を満たさないから。異性であるという理由で、面白い話をしてくれた彼らとはどんどん距離ができてしまって。気がついたら一人になっていた。
 女子の輪に溶け込めないまま、私が光を求めたのは中学入試だった。

 私立の中学入試では、中学生相当の知識を小学生に詰め込ませたり難しい特殊算で算数の問題を解いたりすることが求められる。そういう技を教わることができたなら? きっと知的好奇心は満たされるはず。そう思って小2の冬には親に塾通いを頼んでいた気がする。
 
 残念ながら物理的な距離と経済的理由によって私立中学の受験は諦めることになった。しかし、公立の中高一貫校なら受検してもいいとお許しをもらって小5から塾に通い始めた。
※公立中高一貫校の入試は「適性検査」という名称で行われるため「受検」表記

私:「なんで小2に中学受験の話してたの。まだお子さまだよ。」
母:「あんた図工とか体育がダメだったから高校受験は内申点で厳しいと思ってね。まあよく調べたら、うちの県はそこまで内申点重視じゃなかったけど。」
 
 こうして女子の輪に長く所属していられない、対人能力がごみだった私は塾に通ってからさらに対人関係で悩むことになる。
②につづく、かも


 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?