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「ammo」楽曲紹介 - Jadyss-

3回目となるJadyss -Phase Unpredictable-が10/25にリリースされました。
本EPにammoという楽曲を収録しました。

ありがたいことに、今回もiTunes Store インスト部門で1位を頂けました。
これについては私だけの力では辿り着けず、私も含めた9名の功績によるものであると考えています。

制作イメージ・物語

初めに
ammoは前作のJadyss -ignorance on-に収録した「eche」の続編となります

「eche」について

幼い頃に両親を殺され、大人たちに拉致され少女兵にされた「エシェ」
殺人と戦闘を強要されて心と感情を失った
エシェの胸中と戦闘による激しい消耗で疲弊し、仲間が死んでいく傍らで
自分だけが命を繋いでいることへの虚しさ。

とはいえ、戦争を導く指導者に対して抗う事もできずに
ひたすらに己が生き残るために、敵兵の返り血を浴び続けるエシェ。

対極して、俯瞰的に見れば、このような血で血を洗う諍いもすべてが小さく霞み、青く美しい地球という星があり、我々人類が行うことの小ささを感じる形で、echeという楽曲を綴り終えました。

続編「ammo」について

ammo・・・ammunitionの略称。スラング。
弾薬・銃弾を指す意

前作の話の少し後の話。
内戦が終結し反乱軍は組織を解散した。
国連に保護収容され14歳になったエシェは
両親を殺め、少年少女の拉致を実行した指揮官と目撃することになる。
エシェの止まらない激昂。今日までに積み重なり過ぎた理不尽。
男の登場がトリガーとなり、落ち着き始めた彼女の精神を再び殺戮者と変えた。
男を計画的に殺す算段を練り、復讐劇が始まる。

楽曲の展開

本作ammoでは、前作eche以上に
エシェの心の内にある激情を表現しています。

曲頭から曲中盤まで
憎き対象をどのように殺すかを、7.62mm ammoを装填しながら
思考を重ねている様子、湧いては鎮める感情の揺れを
音量と音域で臨場感で表しました。
とにかく音を奥に奥に配置するように心がけ
彼女の心の内側にある想念を抽象的なTexture系音色で配置しています。
時に薄く、時に濃く。濃霧と晴れ間が周期的に訪れるように。
思い出しては湧く殺意。衝動を抑えるために心を鎮める。
周期的に憎んでは鎮めて呪っては鎮めてを繰り返しながら
音像は次第に大きくなり、真相が露わになっていく。

G-G-G-F-G C-D-F-G-G#-G-F-C-DのEPがメインのMotif

エシェが楽しそうに「ルルっルルっルルっルル♬」とハミングしながら
殺しのソロブリーフィングを楽しんでいるシーンです。
鉛の弾丸を眺めながら。弾倉に装填しながら。

そして間奏
実行の時がやってくる。開始前の合図を待つ数十秒。

合図が来る。機が熟し、復讐という蹂躙劇の開幕に心技体が統一する。

男に連弾を浴びせる。男が踊る。踊る。踊る。踊り続ける。

それはクラシックに合わせて踊る舞踏のように
楽しんで、笑って、歌って、無邪気に、高尚に、しかし下品に。
あの日の夕暮れに沈んだ仲間の死体のように。
爆風で手を残したまま消えた妹のように。手を握ったままの焦土と火の粉。
頭蓋を割られ肉片が飛び散った父のように。
生まれてくるはずの私の兄弟を胎に納めたまま絶命した母のように。
行かないで。私も連れて行って。どうして置いていくの。
なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。
髪を掴まれてトラックに載せられる隣の家の男の子。
黒煙と炭になったお気に入りのぬいぐるみ。
葉巻の臭い。醜悪なサングラス。癒えたばかりの生傷と縫合痕のある顔。
酒臭い口からの大声、恫喝、狂言、暴行、脅迫、殴打の痛み。
そんな男が踊り続ける。踊り続ける。私の前で醜い舞踏を踊って崩れ落ちた。
貫いた弾丸は向こうのテレビを割り、穿たれた厚い壁。
排莢は床のカーペットを焦がし、白煙が仄かに昇った。

復讐を遂行し達成したとしても、エシェの憤りが鎮まることはなかった。
再び蘇った当時の記憶を思い返し、微笑を浮かべ
エシェは歌いながら踊り死んだ男の元を去った。
業火が覆う家と爆発音。エシェの影は残響と夜陰と共に消えていった。

終盤は特に力をいれました。
いかれた844の味。MESSの味。ガンパウダーとヘロインの味

生音でRockに攻めたかった。
やはりここが私の音楽の原点だから。
反社会的に。反動的に。反応的に。本能的にRockを欲した。
狂う表現をバイオリンとエレキギターで奏でた。

始奏から終奏までの音色、音像の移り変わり。
レンジ、ダイナミクスレベル。
ソジュカノはJadyss出展に対しては
映画音楽を主調として表現することを明言しています。
その枠組みの中で取り組み、そして
ammoは2023年 最高の楽曲となりました。

音量は静かだからと上げすぎると
後で下げることになるかもしれません。
そのあたりの不便さについては
エシェとご自分との心の距離を感じるように
心を同期しながら観照していただけたら幸甚です。

以上となります。
いつも聴いてくれてありがとう☆

ソウジュ拝

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