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冬至を過ぎたとはいえ、1月の北海道の夕暮れは、相変わらず早い。
ワンコとのお散歩も、16時をすぎると、家の灯りがちらほらと灯ります。

ふとこの曲を思い出しました。

この曲をカバーしていた日高晤郎の街の灯りのことをふと思い出すんです。


北海道の人気ラジオ番組で1983年4月9日から2018年4月7日まで放送されていた『ウィークエンドバラエティー日高吾郎ショー』

週末ごとにサッカーの試合と称しては4時間かけて、地元に帰っていた新卒時代。

オホーツクの地に赴任した私は、田舎暮らしが辛くて、毎週地元へ帰っていたんですね。

その時の車のお供が『日高吾郎ショー』だったんです。

毒舌、辛口。
でも、ほろって泣ける話をぶっ込んでくる話芸。

泣いて笑って4時間の道のりもあっという間。

そして、エンディングで歌われていたのが『街の灯り』だったんです。


街の灯りといえば、夕方、家々に灯りが灯り出す。
この様子を見るのがなぜか好きなんです。

『のぞき趣味?』
いいえ、妄想が好きなんです。余計タチが悪いかな(笑)
特に、冬の夕方。

ついつい灯りの下で、どんな暮らしをしているのかついつい妄想してしまうのです。

思い出されるのは、50年近く前の冬。
小学校低学年の頃。
母子家庭で、母親の仕事の関係で、私が保育園の妹を迎えに行ってたんです。(今なら許されませんね)
戻ってきたら、16時を過ぎで、外は真っ暗。
本来なら家に入るべきなんでしょうけど、それから家のまえの小学校の築山で『ミニスキー』遊びに出かけるんですよ。
妹は、プラスチックのソリを持って、ついてきます。

日も沈み真っ暗なはずなんですが、雪あかりと街灯のおかげで、目が慣れると、意外と明るい。

だから、普通に遊べちゃうんですよ。
だから、まだ築山には友達がいたりするんです。

ミニスキーに飽きたら、雪合戦をしたり、ふかふかの雪の上にの転がって、星を眺めたり。
でも夢中になって遊ぶと、手先や足先がかじかんでくるんです。
今ほど防寒素材が良くないせいか。

まあ、深雪の中を漕いで歩いているうちに、長靴の中に雪も入ってしまうせいもありますが。(雪が入らないように脚絆をつけていたんですけどね)

手足が冷たくなって、ようやく『おうちに帰ろう』ということになり、解散するわけです。

そんなかじかんだ手で、ダイヤルロックの鍵を回そうにも、手がゆうことを聞かずに悪戦苦闘しながら玄関をこじ開けます。

真っ暗で冷えっ切った室内。

遊ぶ前に、暖房つけとけよ!

ってツッコミたくなりますよね。

でもね、当時は石炭ストーブで、これを焚きつけるのも一苦労。
そんなことに時間をかけるよりも、1秒でも外で遊びたい!
この欲望のままに遊び、帰宅後に、後悔の沼にハマります。

夕方の5時から6時くらいはアニメの再放送のゴールデンタイム。

トムとジェリーを見ながら、
「早く暖かくならないかな」
と手を擦りながら母の帰りを待ちながらストーブに当たっていると

「ただいまあ」
の声。

「お帰り!」
玄関に立つ、私と妹。

「今日は学校どうだった?」
と聞かれる前に、
「あのね、さっき雪山でミニスキーのジャンプで一番飛べたんだよ!」
母親に付き纏いながら、聞いてほしい話を一方的に話していました。

調理が上手な母が作ってくれる夕食は、1日の中で最も楽しみにしている時間でした。
疲れていても、手間暇かけて、何品ものおかずが食卓には並びました。

6畳の居間(キッチンも)に勉強机が2つ、冷蔵庫と洗濯機、茶箪笥、石炭ストーブにテレビ。
こんな狭いとこで、家族三人がちゃぶ台を囲んでいたんです。
でも、毎日お腹いっぱい食べ、言いたいことは、全部吐き出していました。

6畳間と4畳半のオンボロの借家。
そもそも当時は、今のようにきちんと断熱されていない家の中で、さらにオンボロだった当時の我が家は、窓の隙間から雪が吹き込むので、外からビニールをかけたりして、なんとか寒さから身を守るのに必死だったように思います。

それでも、家族が額を突き合わせながら、わいわいと過ごす夕食の時間は温かかった。

家に灯りが灯ると、そんな『温かかな時間』を思い出します。

「どうして、うまくいかないんだろうね」
手術の説明を受けた後に、ぼそっと母がつぶやきました。

まもなく82歳になる母。
どうも術後が良くなく、3度目の腹腔壁ヘルニアの手術を近日中に行う予定。

毎週生存確認を兼ねて、母宅を訪問して様子を見ていますが、病院で待ち合わせの際には、別人と思えるほどやつれて見えました。
難易度は難しくない手術とはいえ、やはり不安なのでしょう。

私たち兄弟を産んだ時の帝王切開から始まって以来、胆石の手術やらと何度も体にメスを入れてきた母ですし、高齢で体にも堪えるはず。

久々に若かりし日々の母のことを思い出しました。
気がつけば、私は当時の母を遥かに超える57歳になりました。

ちょっと昔のことを思い出しながら歩いていたら、随分と長いコースを歩いていて、思いの外が冷えてしまった、今日のお散歩。

視界に入ってきた、我が家の灯りも灯っている。
妻と老犬クッキーがソファに寝そべってテレビを見ている様子が目に見えます。

我が家は今日も温かい。

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