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ただただ会いたい、それだけでいい

 「旅」といってもそれにはいろいろなパターンがあるように思う。

僕は誰かに会いに行く「再会の旅」がもっとも記憶に残るので好きだ。

僕の一番の友達がワーホリで日本を離れてからもうすぐ半年。
日本にいた時は1.2ヶ月に1回は会っていたから、半年も会えていないと寂しくてたまらない。

本当は空港で彼を見送ってから1年後(ワーホリの期限が最大で1年だから)にまた空港で会えたらいいなと思っていたしそうするつもりだった。

でも彼が日本を発って1ヶ月半が過ぎた頃、
僕は彼を日本で迎えて再会するのではなく、
彼が住んでいるところに向かって再会することにした。
つまり、僕が彼に会いに行くことを決心した。

彼に会いに行くための航空券を買ってから4ヶ月。再会まであと2ヶ月。
ここ最近の数ヶ月は1週間に1回電話している。

でもどこか違和感が残る。
画面越しにお互いの顔も見れて声も聞いているのに。

遠距離での連絡手段が手紙しかなかった昔の時代に比べて、
今はいとも簡単に連絡が取れるのにどこか満たされない気持ちになるのはなぜだろう。

リモートワークが普及したことで、オフラインで会うことの大切さに気づいた人は多いと思うけど、僕もそのうちの1人だ。

電話越しに100時間話したとしても、
直接会って1時間話すことには到底叶わないだろうと思う。
なぜかはわからないけど。

人間は当たり前のものや日常には鈍感だけど、
失ったり離れたりするものには敏感である。

親元を離れて1人で生活した時に初めて
親の偉大さとありがたみを感じるような感覚だろうか。

彼が日本を離れて、当たり前のように会えなくなって初めて
僕はどれほど彼から恩恵を受けていたかに気がつけた。

でもそのおかげで僕たちはさらに仲良くなり、
関係が濃くなったように思う。
長く関係を保ち、深めていくには
物理的に距離を置くことも必要なことを知れた。

そう考えると、今の状況はネガティブなことばかりではない。

でも早く会いたい。もう一度言うけど寂しくてたまらない。
残り2ヶ月だけど、とてつもなく長く感じる。

再会ができれば他はなにも望まない。
会って何をするかではなく、ただ会うだけでいい。

電話越しでお互いに向き合って話したり語るのもいいけど、
同じ空間で同じ方向を向きながらお酒を片手に語りたい。

その時が来ること、それだけを楽しみに生きている。

神様
どうか僕たちが2ヶ月後、
無事に再会できますように。

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