社会人博士という選択③:実際に社会人博士課程での博士号取得までに苦労したこと

前回の記事で、社会人博士のために入社したメーカーを辞めた経緯をお話ししました。

私は現在、転職先の某研究機関で研究しており、そこで社会人博士課程入学し、博士号を取得しました。

ただ、困ったさんな私は、所属先のテーマではなく、修士時代の教官のお誘いを受けて、修士時代の研究を基に博士号取得を目指しました。

そうなると、どうなるのか。こういったことも含めて、社会人博士課程で苦労したことを主に3点書いていきます。

4年前の内容の仔細を覚えていないし、当時の情熱も薄れ、何が新規の知見なのかわからなくなる

 私が社会人博士課程にたどり着くまでに、修士から数えると4年の月日が経っていました。

修士論文を読み返した際に「自分が何を考え、何をやっていたのか」の詳細をほとんど覚えていませんでした。

そして、「この研究のなにが重要で、なにが面白かったのか」もあまり覚えていませんでした。

「鉄は熱いうちに打て」というのはよくいったものです。

さらに時間が経てば、新たな知見も増えてるわけで、文献調査はもちろん、多くのアップデートが必要になります。

そのため相当な時間をかけて、修論を読み込み、関連論文をひたすら読み漁っていました。

「以前に一度やったテーマだから余裕っしょ!」とはなりませんでした。見通しが甘かったです。


これから、社会人博士を目指す方は、「自分が現在所属しているチームで担当している仕事を博士号取得のために昇華する」のが一番良いと思います。

普段の仕事もあるから、対応が後手後手になる

日本での博士号取得の要件の1つに「欧文誌への投稿および受理」があるかと思います。その本数は大学や学部によってまちまちです。

私も要件を満たすために、指導教官の指導の下で論文をあくせく書きました。

それを、共著のかたにみせたら「こうするともっとよくなる」と提案をいただきました

しかし、それが、かなり広範にわたっており、私の能力ではかなりの時間がかかるのがわかりました

時期もちょうど農繫期であったため、日中は基本的に外作業であり、作業に充てられる時間はあまりありません。

必死にやったのですが予定はどんどん後ろ倒しになり、これ以上対応すると本業にも影響する恐れがありました。

結局、もう一度相談の上、助言をもとにマイナーチェンジで投稿する方向となりました。
査読対応のときも、また色々とありましたが、本業と並行していることもあり、予定より遅れていました。

今考えると、もっと頑張れたのではないかとも思います。

ただ、あの時は色々追い詰められていて、余裕が私にありませんでした

なので、相談は大事です。

コロナのこともあり大学へ行くことがあまりなかったため、指導教官以外に大学で相談する相手がいなかった

私の通っていた大学院は、家から気軽に通える距離にはありませんでした。また、課程の途中でコロナが発生したため、指導はオンラインがメインとなりました。

その結果、大学へほとんど行かなかった弊害として、自分の同級生がわからず、仲を深める機会がありませんでした

そのため、博士号取得に関わる相談をする相手は一人もいませんでした。ボッチです。

指導教官の綿密な連絡のおかげでなんとかなってはいましたが、それがなければと考えると恐ろしいです。

現在、コロナで満足に大学へ通うことのできない学部生の気持ちが少しではありますが理解できました。

まとめ

思い出話で、まとまりのない文章を書いてしまいました。

私は、なんだかんだ、かなりスムーズに博士号を取得できたほうだと思います。なので、私より苦労している方はごまんといますから、そちらの方が参考になるかと思います。

私は博士号をとりたいと思っていたにも関わらず、少し遠回りをし、博士号を取得しました。

傍からみると無駄にも思えます。

しかし、今はこの遠回りのおかげで、自分が研究に関わって生きる覚悟ができたように思います

また、この遠回りの時期に携わっていた仕事についても、話をする機会が時々あり、「遠回りも、無駄ではなかったな」と今なら思います。

以上、3回に分けて、私が社会人博士課程を経由して博士号取得するまでの流れを書きました。

この記事が同じように悩んでいる誰かの参考になればと思い、書きました。

質問等ございましたら私のTwitterにご連絡すれば、できるだけお返事したいと思います。


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