ゴーストタウン化する京都

京都市が大変なことになっているようです。
借金8,000億円以上、これがなんと30年以上赤字が続いているようです。市長曰く、「このままでは10年以内に京都市の財政は破綻しかねない」とのこと。

そもそも30年以上赤字って、もっと早くからマスコミ含めて問題提起されてしかるべきでしょう。

少なくともコロナ禍までは、観光業で絶好調のはずだった京都市。なぜ借金は8,000億円まで膨らんだんでしょう。

理由のひとつが、地下鉄東西線建設の市債
建設当時、バブル期のため建設費の膨張というものがあったようですが、もうひとつの理由が独特です。
地下鉄を掘り進めているうちに、至るところに埋蔵文化財が見つかり、この発掘コストが余計のかかったとのことです。京都という土地柄、ほかの地域では想像もつかないことがあるんですね。

二つ目の理由が、橋梁の耐震補強のコスト

これ、他の自治体も他人事じゃないですよね。橋だけではなく、道路や水道管などの老朽化サイクルはどの自治体も抱える課題です。

橋梁について、京都市は553か所で、政令指定都市の中では平均くらい。最も多いのは、横浜市の1,055か所。横浜市、劇場とかつくってて大丈夫か?

3つ目は、無電柱化にかかるコスト

景観美化のため、無電柱化に取り組み、さらなる観光業の活性化→税収アップを図る。というのが、当初の自治体担当者の計画だったのでしょう。

しかし、ふたを開けてみれば、インバウンドで観光業は活性化したものの、観光で動くお金はそれほど大きくなかった。しかも、観光を担うのは地元の零細企業が中心のため、税収も想定より低かった。

そういえば、小池都知事の前回の都知事選で掲げた7つのゼロ公約の中にも、都道電柱ゼロ政策がありました。結局6つ未達成のままですが、東京在住の宗一郎にとって、今となっては未達成のままでよかったと思います…
ゼロ政策にこだわりすぎて、水道だとか、道路だとか、ライフラインに直接かかわるものが後回しになってはたまらないから。

政府のジャッジメントと、市民による監視、そしてなにごともバランスが大事であると、つくづく感じます。

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では、京都市の財政改善に向け、今後の税収は期待できるのか?ということですが、こちらも前途多難です。自治体の主な収入源(税収)は、固定資産税と住民税ですが、どちらも京都市ならではの課題があります。

<固定資産税>
固定資産税がかからない神社仏閣が多いこと、景観保護のため高層マンションNGにより、税収増が困難。観光都市(観光最優先)ゆえの悩みです。

<住民税>
大学の街で学生が多いため、住民税を納める人の割合が政令指定都市でワースト1位。さらに、住宅ではなく、ホテル・宿泊施設が増えたため、2020年人口流出もワースト1位とのこと。

2007年に全国で唯一財政破綻した北海道・夕張市は、公共施設が次々と閉鎖し、市民税や下水道料金は値上げされ、家庭ごみの処理が有料になるなど、市民サービスは大幅に削られました。そして、かつて約11万人いた人口も7000人余りに激減しました。

京都市は現在、市営地下鉄や市バスの運賃の値上げ、保育所への補助金削減による保育料の実質値上げ、消防職員を1割近く減らすといったことを検討しているようです。

そして、火に油を注ぐように、159億円かけての市役所の改修工事。

夕張市の二の舞となり、(観光客と学生などの)人はいるけどゴーストタウンみたいな未来も現実味を帯びてきました。

夕張市が財政破綻した際、“まさか、あのメロンで有名なところが?”ととても驚きました。国民の知名度で言えば、京都市はそれの何十倍もありますが、また同じことが繰り返されようとしています。

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自治体運営にとって大事なことは、外から一時遊びに来る人をもてなすことではありません。“その土地に長く住む人”をいかに大切にするかってことです。

自治体の財政を潤す住民税や固定資産税を負担しているのは、世界中から集まってくる観光客ではなく、地元の人です。いくら観光を基幹としている地域でも、その税金を観光に集中投下して、住民生活を蔑ろにしては、長く地域社会が持続するはずがありません。

住むべき自治体の選び方って、ネームバリューでもなく、ましてや観光ランキングでもなく、地に根を下ろした地元の人たちをいかに大事にしているかである。というお話でした。

ゆるい笑顔の男の子


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