小島創一

東北大学・大学院農学研究科植物細胞生化学分野で助教をしています。植物が窒素栄養を吸収し…

小島創一

東北大学・大学院農学研究科植物細胞生化学分野で助教をしています。植物が窒素栄養を吸収して代謝するメカニズムの研究をしています。研究と教育について書きます。気軽に読んでいただけたら嬉しいです。このサイトは個人で運営しています。書いてある内容は所属する組織や機関の見解ではありません

最近の記事

細胞質グルタミン合成酵素GS1;3のイネ穀粒の成熟と発芽への関与

要約イネのGS1;3は、イネが登熟する時と発芽する時に種子で高発現することがリアルタイムPCRによる解析でわかっていた。 Tos17の挿入によってGS1;3の機能が破壊された系統を単離し、変異体種子の窒素、アミノ酸、アンモニウム含有量、発芽速度などを野生型の種子と比較した。 GS1;3変異体は、窒素が欠乏する条件では登熟歩合が著しく低下し、第12葉身から穂などへ送られる窒素の流出が減少することがわかった。 GS1;3プロモーター活性は種子の維管束組織とアリューロン細胞層

    • 学生実験レポート:スペースを入れましょう!

      単位と数字の間には半角スペース科学論文を書くときには、単位と数字の間に半角スペースを置く決まりになっています。しかし、うっかりスペースのないレポートがとても多いです。この点に気をつけてミスがないレポートは、「気をつけて書いたんだな」ということがよく分かります。 この問題は国際的な問題でもあります。私は雑誌に投稿されてきた投稿論文の審査をするときがあります。そういう論文は科学的なトレーニングを十分に受けている人々によって書かれているはずなのですが、単位と数字がくっついている箇

      • 学生実験レポート:引用文献を整えましょう!

        引用文献の書き方を身につけましょう最近、学生さんのレポートを読ませていただく機会がありました。毎年のようにレポートを読みますので、気がついたことをまとめておけば有用かと考えまして、忘れないうちに考えたことを書きとめます。 今年はコロナの影響で例年と比べると学生実験の内容が少なくなってしまいました。短くとも内容が充実している実習をやりたいと思いまして、今年のレポートのテーマの一つとして、引用文献について考えていただく機会を設けることにしました。 三年生の学生実験を終えて、四

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