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"Think different" iPod誕生秘話

20年前、2001年の10月24日はスティーブジョブズが、初代iPodを発表した日でした。 

当時私は某メーカーのHDD(ハードディスクドライブ)事業部にいてNotePC向けの2.5インチHDDを営業していました。 その頃PCの補助記憶装置として1.8インチという当時の世界最小HDDが発表されると、それに飛びついたのがスティーブジョブズ。 Apple内でも完全に鶴の一声でした。

しかしその1.8インチHDDを何に使うのかは、スティーブジョブズ以外は数名の技術者のみのトップシークレットで、我々HDD供給側にも知らされず、どうやらPCではなく家電らしい、くらいしかわかりませんでした。

やっと教えてもらえたのは具体的な契約を結ぶ時。
え、携帯型音楽プレーヤー?
当時半導体メモリーを使ったMP3プレーヤーは既に存在していましたが、容量は数10メガバイトで数10曲を保存できるものしかありませんでした。
それを、5ギガバイト! 5,000曲を持ち歩く! 携帯機器にHDD!
度肝を抜く発想に関係者は驚くことこのうえない。
でもやるからには携帯に耐えられる設計をするべく技術者がAppleに張り付く。

こうして生まれたのが iPod でした。
翌年には音楽配信の iTunes が登場し、そこからは iPod の快進撃が続き、今の音楽はネットで購入する文化が生まれた訳です。
Apple社は長年の低迷を抜け出し、一気にトップ企業へ上り詰めていった、そのはじめの機器の立上げに関われたのは、とても面白い経験でした。

Think Different
これは90年代終わりにApple社が使っていたスローガンです。
それを本当にやりやがった。
やっぱり凄いな、スティーブジョブズ


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