マガジンのカバー画像

ラノベエッセイ

2
運営しているクリエイター

記事一覧

黒歴史のラノベエッセイ 縮まらない距離、放した手

 彼女と付き合いだした。うきうきとワクワクで、僕はこれから始まろうとしている恋人生活に胸を膨らませていた。でも、そう易々とうまくはいかなかった。彼女はいわゆるヤンキーや不良と呼ばれる人で、いつもその取り巻きの渦中にいるような子だった。それはまるで壁となるかのように僕に立ちふさがった。僕はそうした人たちとはあまり関わりを持ちたいとは思わなかったから、なおさら学校で話をすることは難しい。不良同士の付き

もっとみる

黒歴史のラノベエッセイ 劣等感と告白(仮)

 僕が中学一年生のころ、ちょうどORANGE RANGEというバンドの『花』や『以心伝心』という曲が流行っていたころのお話。流行というもの意識しだして、髪型や服装など自分や周囲の容姿に敏感になる、そんなお年頃だ。いわゆるヤンキーや不良と呼ばれるような人たちがタバコに手を出し始めるのもこのころだろうか。クラスの中にある程度序列ができて、隣の机や同じ班の異性(または同性)が誰になるのか、席替えの度にウ

もっとみる