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自閉を中心に愛を求む〜ver2〜

加筆・修正しました。

毒を吐いて終わった前回の記事でしたが、この記事では療育業界に対する個人的すぎる毒吐きがほぼですのでご注意を。





実際に自閉症児を育てている親からしたら、あんな記事読まされれば毒の一つぐらい吐きたくなって当然だろう。

やり方としてだけみれば、よくあるABA。
褒めるを強化子にし、環境も配慮し、課題を細分化(スモールステップ)し、プロンプトを駆使し、子どもの“できた!”を増やし、肯定感を高める・・・てなとこ。

わかる。
理想。
とてつもなく理想。
だから、ただの綺麗事、絵空事。
何にも分かってないなと思う。

ただ、こんなにも障害児がいる家庭に対する想像力が欠如した提案でも、してくるだけまだ全然マシなのが療育の世界。

私は仕事柄、様々な療育施設の方と会う機会があったり、業界の内情を知る機会も多いのだが、リアルに体感してる療育の関係者は、

発達障害さん大好き、楽しい、可愛い❤︎
皆んな個性的なだけだから、周りのみんなの理解と寄り添いが大事だよ❤︎
みたいな人6〜7割。

(ちなみに、残りには謎の育児論を自信満々に振りかざして突っ走る人が多数。)

これが私の知る最恐な療育の実態。

はぁ〜。
本当に反吐がでませんか。

だから障害児は、いつまでたっても障児。

発達障害児大好き支援者さん達は、一体、障害を何だと考えているんだろう。

障害って、害になってるものだから障害だとは思わないんだろうか。

共同生活を送る人が困る行動は障害。
公共の場で困った行動をすれば障害。
相手に不快な気持ちを抱かせる行動は障害。

当人の状況によってはもちろんこれ以外にも障害は増えるが、基本としてはこの3点が大きい要素になると私は考えている。
(当たり前だが、障害と呼ぶに相応しい程度であるのは当然。加えて、知的程度によっては許容範囲を広げていくのも当然。)

自閉症はコミュニケーション障害と言った人がいたが、まさにその通り。

特にコミュニケーションをとる相手が困る(不快)と感じる行動は、今の世の中を生きていく上で当人の生きづらさや、社会との共存の大きな壁になるのだから、理解や寄り添いではなく、可能な限り消していく方向で支援者は考え行動していかなくてはいけないはず。
(逆を言えば、それ以外の行動は別になんだっていいぐらい。
それこそ、個性として捉えてもいいし、合理的配慮によって解決できる事がほとんどじゃないだろうか。)

なのに!
例えば、我が子の多動による落ち着きのなさに疲弊し苦しむ親に対し、
「この子は色んな事に興味あるから動きたいんだね〜。でもちゃんと考えている子だし、周りの事よく見てる子なんですよ。お母さん、まずはこの子をたくさん褒めてあげてください」って・・・。
そんな事を言っちゃって、結果見守るだけの自称支援者多すぎ。

確かに褒めるのも理解も寄り添いも大事だが、問題点を無視した支援者が、障害に一番困っている家族に愛をもった理解と寄り添いを求めるって、心底やばすぎ。

こんな事を言う支援者は、この家族に
「多動で周りにとてつもなく迷惑かける続ける上に、将来的には身体拘束で病棟に入る可能性もあるけど、みんなで愛をもって寄り添ってあげようね。」って伝えるべきである。

自閉を中心に、愛を求めすぎた結果、不幸な自閉症児家族のできあがり。

動画の中の【一見、優しい母親】も、愛を求められすぎた被害者に見えて仕方ない。
母親は何も悪くないのに、暴れ狂う息子に対してこの場がおさまるならと進んで悪役にまわり、愛する我が子のためにと必死に寄り添い愛ある言葉で慰め続けている。

これ、可能な限り本当にやめたほうがいい。

自閉への愛と理解と寄り添いを中心において家族をまわすと、必ず家族が崩壊する。
そんな家族をこれまでたくさんみてきた。

自閉でも定型でも子でも親でも、皆んなただの人間だという共通理解でいてほしい。

自閉だから理解されて当然なんて事はない。
自閉は不幸で可哀想な子では決してない。
過剰な理解や寄り添いなんて本当に必要ない。

家族の誰もが尊重されるべき1人の人間。

皆んな一緒、横一列なのだ。

親がすべき事なんて、自分のストレスをどうやって捨てて、心の余裕をどうやって拾うかを考えるぐらいでいい。

私だって家では、芯だけは何があっても決してブレる事はないが、それ以外は本当に適当だ。

息子の癇癪の横で、「あーうるさ」と言いながら娘とお菓子食べる日もあれば、怒涛の響く日だってある。
知識あってもそんなもん。
だってただの人間ですから。

大変なところは療育に任せて、可愛いところは独り占めしたい。

だから私は今日も療育の世界で必死で働き、帰ってからは可能な限りグータラするのだ。



・・・・・・・・・・・。
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すいません・・・。
無知で無能な支援者への毒ばかりで何の解決にも至っていない上に矛盾も多数ありますが、ここで【一見、優しく見える母】から始まった長話を締めたいと思います。

長々とありがとうございました。


次回は、“障害を助長する親”や、“平等に囚われて破滅する兄弟児”あたりのテーマで書いていけたらと思います。

※ここに出てくる支援者は私がこれまで出会ってきた支援者達ですので、全ての人がそうだと言っているわけではありません。
確かな知識と能力で、障害児達を社会へ自信をもって送り出している素晴らしい支援者達もたくさんいます。
私が今働く施設の支援者達はまさにそれです。

障害児を抱えるご家族が、素晴らしい支援者と出会える事を祈るばかりです。

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