起業家は商品と戦略のミスマッチで失敗する
起業家は、一歩間違うと、桜が散るようにすぐに会社が倒産します。
以下のエルモさんが配信されてるニュースレターで興味深いニュースを配信されてました。
マットレスD2Cで有名な「Casper」がPEファンドに買収され、なんとか破産を免れたというニュースです。
そもそもD2C(Direct to Consumer)は、直販による「中間コストのカット」「エンドユーザーとの直接的なコミュニケーション」が強みとよく言われますが、最大の強みはブランド側が「リピート率に介入しやすいこと」にあると思っています。
と、エルモさんはニュースレターで言ってます。
「Casper」は、リピート率に介入しやすいD2Cの戦略を、リピート率向上が売り上げ向上に効きにくい「マットレス」を売るという間違いをしています。
そして、以下のようにエルモさんのコメントは続きます。
しかし、マットレスを商材としている時点で、顧客のリピート回数の上限はかなり低くなり、顧客が半永久的にお金を運んでくれることもほぼありません。
つまり、
「マットレスという商材の都合上、他ブランドと比べても、つねに新規顧客を獲得しなければならなかった」
のが、Casperの台所事情だったとおもいます。
出典:エルモさんのニュースレター(発行日:2021.11.24)より
つまり、マットレスはリピーターの獲得が難しいです。そこがビジネス上のネックになった。
起業家のプロダクトが、リピーターを前提としないなら、一発で高価な商材を売る必要があります。
iOSアップデートの壁も痛かった
マットレスを商材とすることは、新規顧客を集め続ける宿命です。
マットレスD2Cという商材の都合上、Casperは他のD2Cブランドと比べても「新規顧客の獲得圧力」が非常に強かったと思われます。
つまり、ビジネスの成長ドライバーは新規獲得の効率と量にかかっていたということです。
そんななか、今年新たに生まれた壁が、プライバシー保護を目的としたiOSアップデート(詳細記事)です。
めちゃくちゃ簡単にいうと、このアップデートによって、ターゲティングの質が各媒体で下がっておりまして、新規獲得の効率と量が最重要KPIのCasperにとって大打撃になった可能性が高いです。
出典:エルモさんのニュースレター(発行日:2021.11.24)より
このように、iOSのアップデートという不運もありました。
起業家はコントロールできないこと、コントロールできることを分けて、コントロールできることに集中する
iOSのアップデートは、「Casper」には不運でした。これは、「Casper」の経営者にコントロールできない。
しかし、マットレスをD2Cで売るという、ミスマッチな戦略を採用したのは経営者の判断です。
起業家は常に勉強し、定石を外さず、ミスマッチの少ない戦略を採用し続けましょう。
起業家は、一歩間違うと、桜が散るようにすぐに会社が倒産します。
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