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子犬を砂浜に放すように その1
これまでの私の人生は、音楽と読書と少しの映画に助けられてきました。その中でも読書によって得た知識や考え方は、私の人生観(と言うと大袈裟ですが)の大部分を形作る要素として機能しています。
小説を読んでいて好きだなと思った言葉やシーンがあると、私はそのページの角を折るようにしています。これ、犬の垂れ下がった耳に見えることからdog earsと言うそうですね。
私の周りにはそうやって生まれた子犬がたくさん居て、苦しいときには私を勇気付け、辛いときには私に寄り添ってくれます。
今回から少しずつ私の好きな言葉を記事にしようと思います。まるで、抱えた子犬を砂浜にそっと放すように。
そうすれば、あなたのところへもきっとその子犬たちが駆け寄って行き、あなたのことを温めてくれるかもしれません。私はそう願っています。
今回は、私がいちばん好きな小説家 村上春樹さんの小説に出てくる言葉です。
「でも人間はなにかに自分を付着させて生きていくものだよ」と大島さんは言う。「そうしないわけにはいかないんだ。君だって知らず知らずそうしているはずだ。ゲーテが言っているように、世界の万物はメタファーだ」
それでは、また次回。
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