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[写真撮方覚書]ボケとブレ

前回の記事では、僕がやっている構図の決め方について書きましたが、今回はボケとブレによる表現の仕方について書き出してみようと思います。

写真の主題が決まったら、表現としてボケブレをどうするかを考えます。ちなみに、普段は撮影モードはP(プログラム)が多く、ボケを使いたい場面ではA(絞優先オート)、ブレを使いたい場面ならS(シャッタースピード優先オート)を使います。この辺はごく普通ですね。

ボケの表現

ご存知の方がほとんどだと思いますが、ボケとは、対象にピントが合わないとボヤっと写ることを利用し、あえて主題だけにピントを合わせ他をボカす手法で、見る人の意識を主題に集中し、伝えたいことがわかりやすくなる効果があります。特に主題が花やポートレートなら、ボケがいい仕事をしてくれます。
主題の奥の背景をボカす後ボケ、手前に何かを入れてボカす前ボケなどの方法があります。前者は主題を際立たせる効果があり、後者は幻想的な雰囲気を出すことができます。

機材:Nikon D90, AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
設定:f5.0, 1/100s

ボケを上手に使うには、被写界深度を理解する必要があります。被写界深度とは、写真の中でピントが合っている範囲(奥行き)のことで、この幅を広くすると広い範囲にピントが合いボケが小さく、逆に狭くするとピントが合う範囲が狭くなりボケが大きくなります。
そして、この被写界深度は、レンズの焦点距離と被写体までの距離と絞りによって変化します。細かく説明し出すとキリがないので、詳しいことはNikonさんのサイトを参照ください。

絞りの調整

僕の場合、写真全体の構図を考える際に撮影距離や焦点距離は大体決まってしまうので、ほとんどの場合は絞りでボケをコントロールすることになります。そう言う時に役立つのが、Aモード、絞り優先オートです。絞りを自分で選択し、カメラがそれに合わせて適正なシャッタースピードを決めてくれるので、絞り開放側(F値が小さい方)から好みのボケ量になる値を探ります。

マクロレンズなどで花に寄って撮る場合、開放まで行くと被写界深度が狭すぎて、主張がわからない写真になりがちです。1〜2段くらい絞った方が良いことが多いですね。このノートのタイトル画像は、ちょっとやり過ぎの例です。

機材:Nikon D90, AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
設定:f3.2, 1/320s

逆に、風景写真などの場合、絞る(F値を大きくする)ことで被写界深度を大きく取り、全体にピントを合わせるパンフォーカスという手法をとることもあります。

機材:Nikon D90, AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
設定:16mm, f9.0, 1/320s

ブレの表現

ブレとは、動きのある被写体を撮る際に、シャッターが開いている間に被写体が動くことで、像が流れて映る現象のことです。基本的には、室内など暗いところでシャッタースピードが遅くなり、子供が動いてしまって撮れないなど、失敗の元になることが多いですが、動きを表現したい場合などにあえてシャッタースピードを遅くして、被写体をブレさせる手法としても使われます。

手法としてのブレには、カメラを固定して被写体の動きでブレさせる被写体ブレと、被写体を追うようにカメラを振って被写体はブレさせず背景をブレさせる流し撮りがあります。

機材:Nikon D90, TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
設定:122mm, f14, 1/160s

シャッタースピードの調整

ブレを使うには、被写体の動く速さとシャッタースピードを考える必要があります。速く動くものなら、それほどシャッタースピードを遅くしなくても十分にブレるので、ブレ量はその場で確認しながら調整するか、何度も撮って慣れましょう。ブレを使いたい場合、撮影モードはS、シャッタースピード優先オートが便利です。

被写体ブレ

被写体ブレの場合、シャッターが開いている間にカメラを動かすと背景までブレてしまうので、基本的には三脚を使います。また、シャッターボタンを押す際にカメラが揺れるのを防ぐ為、リモコンシャッターやセルフタイマーを活用しましょう。
僕は、一眼レフの場合はファインダーのアイピースと鼻でカメラを支えて、脇をしっかり締め身体を固定して息を止める事で、ある程度までは三脚がなくても頑張って撮ります。シャッターボタンも押し込むのではなく、指の腹を使い関節を伸ばす動作でそっと押します。以下の作例は、手持ちでの撮影です。

機材:Nikon D90, AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
設定:24mm, f22, 1/2s

流し撮り

流し撮りでは、まずファインダーに被写体を捉え、ファインダー内の被写体の位置が変わらないように被写体の動きに合わせて体ごとカメラを動かしながら、シャッターを切ります。また、わざとカメラを振ってブレさせる手法なので、基本的に手ぶれ補正はOFFにしましょう。
ほとんどの場合、被写体以外の構図は運任せになる為、連写した中から好みの構図になった物を選びます。その辺りが僕のポリシーと合わないので、流し撮りはあまりやらないです。

機材:Nikon D90, TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
設定:200mm, f5.6, 1/60s

応用編

ボケの応用で、点光源や木漏れ日などをボカす事で、玉ボケと言う光の表現を使うことができます。玉ボケの形は、レンズの絞り羽の形になる為、綺麗な玉ボケを使いたい場合は、円形絞りのレンズを使いましょう。

機材:Nikon D90, AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
設定:f3.5, 1/1250s


被写体ブレの応用としては、花火の撮影があります。普通のシャッタースピードで花火を撮ると、パラパラと光が散った写真になりますが、シャッタースピードを長くして撮ると、光の筋が残ります。以下の作例は、シャッターボタンを押している間ずっとシャッターが開いているバルブ撮影で、2.9秒!しかも手持ちです…
ちなみに花火撮影の場合は、シャッタースピードだけでなく絞りも手動になるMモードを使います。

機材:Nikon D90, AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
設定:16mm, f22, 2.9s

まとめ

僕の撮影スタイルでは、主題となる被写体と構図を決めたら、ボカすかブレさせるか、どれくらいにするかを考え、それに合わせて撮影モードを選択、設定を考えます。あとは撮ってみて微修正したり、なかなか思い通りにならない時もありますが、時間をかけて撮る感じです。
最近はAIが主題を認識して自動で合わせてくれたりするらしいですが、試行錯誤して思い通りの表現ができた時の達成感が味わいたくて、できる限り自力で撮ることを目指しています。

最後に宣伝させてください。OpenSeaでNFTを販売しております。今回の作例の写真もあるので、ご興味あればぜひご覧ください。
https://opensea.io/T_SAKUMA

#写真  #ボケ #ブレ #覚書

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