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自分の歴史を音楽と振り返る③1995−96

その時によく聴いていた音楽を添えつつ半生を振り返るこの企画、なかなか自分らしくて良いなと、書きながら感じている。そんな今回は3回目。主に中3の話である。この1年は自分の人生で色々なことが起きた。全力で駆け抜けた行事や甘酸っぱい出来事などを音楽と共に振り返ってみる。


〜合唱コンクール3連覇をかけて〜
「大地讃頌」
天使にラブソングを…サウンドトラックより「Hail Holy Queen」
Mr.Children「Over」

中学3年になって、すっかり登校できるようになっていた。ちなみに音楽の成績は中学高校とオール5。実は絶対音感もある。そんな自分が一番熱くなったのが合唱コンクール。 自分のクラスは中1中2と1位だったから中3も絶対に1位でしょ!と意気込んでいた。そんな自分はbassのパートリーダーに就任。他のパートリーダーたちと自由曲を決めることに。女子がとにかく推してきたのがミスチルのOver。そう、この頃「Atomic  Heart」が300万枚を超える勢いの売上で流行りまくっていたのだ。しかし音楽の先生からは頑なにNG。それで決まったのが「天使にラブソングを…」の「Hail Holy Queen」だった。ただ英語とラテン語が混ざった歌詞に大苦戦。それでもなんとか仕上げて臨んだ本番。

結局1位は取れず。その後採点が悪いだの音楽の先生のNGがそもそも悪いだのみんなで言って、音楽の授業をボイコットしたりしたのはいい?思い出。ちなみに後で本番の合唱を聴いたら、めっちゃ野太いソロバージョンの大地讃頌が流れてきた。声を出すのが恥ずかしいという思春期独特の殻を思い切り打ち破ったのは何より自分だったようだ。

ちなみに、少し時間は戻るが、中1の時ソプラノのパートリーダーからこれ読んでみてと渡された紙には

人のすることに文句ばかりつけるノンキオンナだきゃ避けて通りたいけど 自分だって悩める人の心情 理解した気で 余裕しゃくしゃく

と書いてあった。読んでみたら「なんだあ、そうじゃない」とがっかりされたっけ。これがのちに大ファンとなり今に至るB'zとの初めての出会いだ。これは後にB'z「ZERO」のラップの部分だということに気づくことになる。

〜ダイキライが大好きに〜
B'z「ねがい」「love me,I love you」「LOVE PHANTOM」

最初のB'zの印象は最悪だった。というのも、当時一番好きだったZARDの曲を出すたびB'zに首位を取られていたからだ。「揺れる想い」はすぐ「裸足の女神」に、「この愛に泳ぎ疲れても」はすぐ「Don’t Leave Me」に。ロングヒットした「負けないで」も、「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」がいつも上にいた。しかも短パンめっちゃ短いしなんだかチャラいし、かと思ったら今度はみんなロン毛でブルースなんか歌ってるしガラ悪いしコワイよ…というのが自分の印象。

それが「お、いいかも?」転じるのが1995年5月31日発売「ねがい」だった。前年の「The 7th Blues」をはじめとしたいわゆる暗黒時代(これはこれで後でどハマりするわけだが)を抜け、稲葉さん髪みじかっ!マイクスタンド姿で水を足で蹴り上げて水飛沫がきれいに舞うし!というMVは衝撃的だったなあ。そして「love me〜」を経て、「LOVE  PHANTOM」。初披露はCD発売前の、9月ぐらいのMステだったはず。スリリングでドラマティックに変化する曲。畳み掛けるようなボーカル。学校では生理的に嫌いとまで言っていたのはこの時に、人生の快楽へと変わり、自分を支えていくことになる。

〜性のめざめと初めての交際〜
WANDS「Secret  Night〜It’s My Treat〜」

交際の話をする前に自分の性のめざめのことを少し話しておきたい。小5の時、男の子にドキドキする自分に気づいた。かたや巷ではとんねるずの「みなさんのおかげです」が大流行。その中で「保毛尾田保毛男」という、同性愛を揶揄するキャラクターがいた。※2017年に同番組の30周年記念特番で復活、それが大炎上したのは記憶に新しい。当時の自分は、「ああ自分は周りからこんなふうに見られるやつなんだ」と思っていた。ただ一方で、このコントをとてもよく笑っていたのもよく覚えている。周りと同じように「わー気持ちわるっ」と笑うことで、周りにバレないように必死だったのだ。笑いっている体を作りながら、自分を気持ち悪く感じて傷つけている、それが小学校の頃からの自分だった。

そんな自分を否定したかったのかもしれない。もしくは他の可能性にかけたのかもしれない。中学の時に初めて女子と付き合った。一緒に学校から帰ったり、休みの日に遊園地でデートしたり、辛い時は励ましたり。またお互い好きなのが当時「世界が終わるまでは…」などで好きだったWANDSだった。そのフィルムコンサートに一緒に行ったなあ。WANDSはその次の曲「Secret  Night〜It’s My Treat〜」が一番好きだった。事務所にキャラを強制されているのを脱却したがっていたのが曲調からわかるし、この曲はクールでカッコよかった。

結局交際は中学を卒業して程なく終わりを告げる。付き合っている間、男の子に目が向いてしまうことが申し訳なくて、自分でも止められなかった。これにより、志向が男性に向くのを否が応でも再認識したわけだが、中学の時に女子と付き合おうと思ったのも自分の意志だ。ますます混乱する自分。でもこれはのちに、「性はグラデーション」という言葉によって自分を認められるようになっていく。


というところです。他にも、中学の卒業式の日に地下鉄サリン事件が起きて、その犯人が学校の最寄駅から出てきたという情報が流れて、下校時に友達の家にみんなで避難したこともあったっけ。ドラマでは29歳のクリスマスにハマり、初めて買った洋楽はマライヤ・キャリーだった。

次回は高校編、青春を謳歌したオーケストラ部の話や、進路のことで悩む話になる予定です!

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