推し、語らふ。✿第3回|実咲
オープニングに名前があるだけで、心が躍りました。
祝・藤原行成 「光る君へ」第4話出演!!
そしてついに、ついに………。
喋ったーーーーーーー!!!!!
「やはり、忯子様に皇子を産んでいただかねば、ですね」(約3.3秒)
喋った瞬間、まさに歓喜にうち震えました。
推しが画面に映るだけでも(私の中で)大変な大騒ぎだったのに、ついにセリフが。
たった一言でも、この日を待ち望んでおりました。
大河ドラマで、推しが声を発する。
またここに、新たな記念日が生まれました。
いい日ですね。最高です。
これがビデオテープの時代なら、このシーンだけ擦り切れるほど見ていたはずです。
同じ画面に映るメンバーの中で、行成は一人年下です。
やや控えめに、そっと口添えをするあたりに思慮深さが感じられます。
あぁ、これは行成なんだなぁ。この場にいるのは、藤原行成なのだ。
確かにそう思える一言で、なんとも趣深いシーンでした。
さて、この行成が喋る貴重なシーンに集まっている4人の若者。
藤原道長、藤原公任、藤原斉信、藤原行成。
彼らはこの後、史実を鑑みるに作中で描かれる時期まで全員が物語から去ることはありません。
なぜなら、藤原道長の亡くなる歳まで全員生きているからです。
私の推し藤原行成だけはうっかり道長と同じ日に亡くなってしまうので、世間での扱いが小さくなってしまったという悲しいお話もあります。
コネとタイミングで大きく左右される平安貴族の出世レース。
この4人の中で、行成は他の3人に比べて大変に不利な状況でした。
道長、公任、斉信は全員父親が存命かつ、それぞれの姉妹が天皇のもとに嫁いで(これを入内と言います)います。
状況が好転すれば、出世レースを勝ち抜いて、末は大臣にだって手が届くかもしれません。
しかし行成は摂政藤原伊尹の孫ではあるものの、伊尹は行成が生まれた年に亡くなっています。
そして、伊尹の息子で行成の父である藤原義孝はなんと21歳で早世。
初っ端から行成、超絶ハードモード決定です。
父の没年齢からも分かるように、入内して将来皇子を産んでくれる姉妹もいません。
歴史の時間に出てくる「摂関政治」。
天皇に自分の娘を嫁がせて、次の天皇になる皇子が産まれると、その皇子の後見として摂政や関白に就いて政治を動かす。
一言で書くと簡単なようですが、これには大きな運の要素が含まれているのです。
まず、自分に娘が産まれて無事成長するか。現代のような医療技術や知識もない中で、子供が無事に成人するかどうかも一苦労です。
そして、その娘が時の天皇に嫁がせるのに丁度いい頃合いである必要があります。
となれば、複数の年のばらついた娘がいないと上手くいきません。
嫁がせた後、天皇と娘の仲が上手くいくかも運次第。
さらに娘が無事に皇子を出産することができるのかどうか。またここに立ちふさがる医療関係問題。
なんとかここまでクリアできても、最後の最後に一番大きな難所があります。
自分の寿命です。
孫が即位するまでに、なんとか生きていなくてはいけないのです。
当時は平均寿命が短く、40歳を迎えることが出来れば、現在の還暦のように節目のお祝いをしていました。
単純に自分や子や孫の年齢を数えてみても、「孫の後見として摂政・関白になる」のハードルの高さはすさまじい。
だからこそ、このすさまじい難易度のミッションをクリアした藤原道長が教科書に載っているのです。
余談ですが、「光る君へ」に登場する人物は現代から見ても長寿を全うしている人物が多く、第4話までに出ている中では、ユースケ・サンタマリアさんが演じている陰陽師の安倍晴明は80歳を超え、ロバート秋山さんが演じている藤原実資や黒木華さんが演じている源倫子は90歳までご存命でした。
第4話で即位した花山天皇の母は、伊尹の娘懐子で行成とは従兄弟にあたります。
つまり、いい線まではクリアできたのですが、残念ながら孫の即位を見ることなく亡くなってしまった形になります。
この、母方の祖父の事を外祖父と言います。
後ろ盾になりうる祖父が亡くなっていることは、花山天皇の立場の弱さにも繋がってくるのです。
さて、その花山天皇が出世の頼みの綱、行成の運命はいかに?
右大臣藤原兼家は、日々暗躍している模様です。
花山天皇は一体どうなるのでしょうか?(ネタバレになるため今回は伏せます)
行成はここからどうやって出世していくのでしょうか?
今後も行成から目が離せませんね!!
この連載は、今後も行成を見守り、立身出世を応援してゆきます。
がんばれ行成!負けるな行成!!
(続く)