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山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第15回

ブエノスディアス!山本粧子です。

前回に引き続き、アレキパ旅行について書いていきます。

アレキパから一足伸ばして

アレキパの市街地からバスで4時間ほど走ったところにある、標高約3660メートルの村Chivay(チバイ)へいきましょう。
アレキパからさらに約1300メートルも標高が高くなります(富士山9合目!)。しかも道中には標高4800メートルの場所も通過するそうなのです。果たして、大丈夫なのでしょうか。
Chivay(チバイ)へ行く目的は、
①温泉に入る!
②コルカキャニオンでコンドルを見る!
この2つです。半年くらいお湯に浸かるというアクティビティのない生活をしているので、温泉に入れるのかと想像するだけでワクワクが止まりませんでした。
さあ、未知なる世界へいってみましょう!

いざ、チバイ村へ!

高原バスの旅

アレキパからチバイ村のバスターミナル行きのバスに乗って行くわけなのですが、その道中がますスゴイのです。見たこともない景色が、窓の外に広がっています。
緑でいっぱいの風景の中に、ときおりドーム状に生えた苔の合間を網目のように流れる小川、リャマやアルパカらしき生命体の姿も見えます。
4時間もバスに乗るなんてちょっと嫌だなあと思っていましたが、車窓からの光景に夢中になっているうちに、あっという間にチバイ村に到着しました。

ご、合成…? と思うほどの険しい山々と高原のコントラスト
苔のドーム。丸い石を苔が覆っているのかな?
落ちたら確実に「終わり」そうな濁流

バスに乗っていると、ここから人が乗ってくるか!? というような場所(つまり、まわりに民家らしきものもまったく見えない高原のどまんなか)から、沢山の荷物を抱えた女性たちが乗車してきます。
チバイ村の女性たちは、素敵な刺繍の入った民族衣装や帽子を着用していることが多く「お!なんかまた違う世界観の国に来たぞ」と感じました。
その刺繍があまりに美しく、後に寄ったお土産店で刺繍入りの帽子やバンダナやカバンやコインケース、ポーチなどを爆買いしてしまいました。
私は知りませんでしたが、チバイ刺繍はかなり有名だそうです。

ここから乗られる…⁉ 大量の荷物を持って、バス停までどれくらい歩いてこられたのか?
チバイ村に到着。当然のようにリャマが闊歩している!
お土産屋さん
チバイ刺繍、おしゃれ~!

とりあえず、コカ

チバイ村のバスターミナルでバスを降りると、タクシーでホテルへ向かいました。
フロントでチェックインをするとき、ふと目をやると、やはり標高が高いからか、コカの葉の入ったカゴが「ご自由にどうぞ」という感じで置いてありました。
私は特に頭が痛くなったりしなかったので頂きませんでしたが、この記事を書くなら食べておくべきだったなあと少し後悔しています。コカの葉は、いつかマチュピチュへ行った時にでも挑戦してみようと思います。

試してみればよかった、コカの葉

ただ、私はチバイ村に来ただけではいわゆる高山病にはなりませんでしたが、村を一周して分かったことは、早歩きしたり、走ったりするとさすがに息ぎれしそうになるということです。ですので、高地に慣れていない人は焦らず、ゆっくり歩いたほうが良さそうです。
よろよろ歩きながら、「これでは運動会とか実施困難だろうな」と思っていたら、グランドで村の子どもたちが走り回っていましたので、これも慣れなんだな、人間ってスゴイなと思いました。

絶景……かな?

今回、El Refugio d’Elise(エル・レフヒオ・デリゼ)という温泉併設のホテルに宿泊したのですが、コルカキャニオンの標高3200メートルに位置する立地が絶妙で、温泉の目の前がコルカ川なのです。
しかも私が宿泊した日は、川が氾濫するんじゃないかというくらいの勢いで水が流れていまして、やはり日本の温泉のように「あ~いい湯だなあ」という感じとは少し違う温泉体験でした。
お湯に浸かりつつ、氾濫しそうな川を眺める。川の向こう側には崖が広がっている。やや、ビビりながら浸かる温泉は、リラックスできているのかいないのか……?
不思議な体験でした。とてもおすすめのホテルです。

余裕そうなポーズをしているが、歩きまわって息苦しいのである
宿泊したホテル。バスローブを着て屋外の温泉施設の方に歩いていきます
断崖! 濁流! 温泉!!(お湯が映ってないけれど足元のプールみたいなのが温泉です)

うきうきコンドルウォッチング

翌朝、待ちに待ったコンドルウォッチングのため、ホテルよりさらに標高の高いCruz del Cóndor(クルス・デル・コンドル)へ。
果たして見れるのだろうかとドキドキしながら、地元の方とせせこましく肩を寄せ合いつつ、バスで向かいました。

チバイ行きバスチケット売り場の、帽子がイカしてるお姉さん

バスでぐるぐると谷の周りを上がっていくのですが、谷がびっくりするほど深いのです。有名なアメリカ・アリゾナ州のグランドキャニオンより深いとも言われているコルカキャニオン、頂上からの景色はグランドキャニオンとはまた違う迫力がありました。

ウェ~~イ、コルカキャニオン!!

谷の深さもさることながら、その長い谷を覆う緑、自然の偉大さは圧巻でした。
谷の長さは70キロもあるそうです。その深い谷の間を、重力が存在しないんじゃないかなと思うくらい軽々と、大きな羽を広げたコンドルが飛んでいました。コンドルとコルカキャニオンとのコラボレーションが非常に美しく、時間を忘れて空を見上げ続けました。

緑に覆われた、深く長い谷が続いています
コンドルは飛んで行く♪

コンドルを見ながら、「鳥のように自由に空を駆け、永遠の青の天空を行けるのなら、私は歓びのうちに誉めたたえよう、自由という名の神を!」という宝塚歌劇団のミュージカル「エリザベート」のシシィのセリフを思い出していました。

もっとペルーのいろいろな姿を見に行くぞ!

今、ペルーでそこそこ自由で快適な生活ができていることに感謝しつつ、これからも私はいろいろな場所へ旅に出て、ペルーのおすすめスポットを探求していきたいと思います。

***

ペルーのオススメしたい場所がまたひとつ増えてしまいました。
アレキパ、そして一足伸ばしてチバイのコルカキャニオンへも、是非日本から遊びに来てください。ペルーでお待ちしています。

それでは、この辺りでアディオース!

~編集Oが選ぶ今週の一枚~

〈プロフィール〉
山本粧子(やまもと・しょうこ)
神戸市生まれ。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻芸術学コース卒業。卒業後、国境の街に興味があったことと、中学生の頃から目指していた宝塚歌劇団の演出家になる夢を叶える修行のため、フランスのストラスブールに2年ほど滞在しながら、ヨーロッパの美術館や劇場を巡る。残念ながら宝塚歌劇団の演出家試験には落ち、イベントデザイン会社で7年半、ディレクターとして国内外のイベントに携わる。また、大学時代より人の顔をモチーフに油絵を描いており「人間とはなんだ」というタイトルで兵庫県立美術館原田の森ギャラリーや神戸アートビレッジセンターにて個展を開催。趣味は、旅行の計画を立てること。2016年からは韓国ドラマも欠かさず見ている。2023年秋より南米ペルーのイカ州パラカスに海外協力隊として滞在し、ペルーとジャガイモと人間について発信していく予定。