風景のレシピ #13 “霧深き日”| nakaban
風景のレシピ #13 “霧深き日”
1.眠る人の夢の中から、儚い記憶を取り出して、室内に大きくひろげる。
2.古い鉄枠のガラス戸を少しだけ開ける。
朝の霧でつくられたような 優しい光の曇りガラスである。
3.霧の粒子をわずかに室内に浮遊させる。
この部屋を取り囲む霧の向こうのぼんやりとした朝日を想像しながら。
4.舞台のように、テーブルの上に数冊の書物とレモン、木の枝を置く。
5.レモンが放つ陽の名残りと霧の冷たさを対流させる。
相互のバランスをととのえ