大好評『タロットの美術史』シリーズより、「巻末特別寄稿」の一部を特別公開!|2巻&3巻
■2巻 女教皇・女帝寄稿者:夢然堂(古典タロット愛好家)
◆マルセイユ版の 3 枚の切札—―「錬金術師(アルケミスト)」的視点から◆
近年、タロット史の世界ではタロットの「脱神秘化」が進んでいる。特にその起源について、占いやオカルトとは何ら関わりのないものであった、というのが共通認識となりつつあるようだ。しかし、ことマルセイユ版に関しては、こうした「神話の解体」の行き過ぎはいかがなものか――と個人的に思っている。この辺りのことは、『ユリイカ』 誌の拙稿(「『マルセイユの