【シリーズ「あいだで考える」】坂上香 『根っからの悪人っているの?――被害と加害のあいだ』の「はじめに」を公開します
*
はじめに
本書の表紙から目に飛びこんでくるのは、「悪人」「加害」「被害」などのネガティブなワードばかりだ。暗い、重い、とパスすることだってできたのに、あなたは本書を手にとった。なぜか?
「犯罪者」っていったいどんな人たちなのか、興味をひかれたから?
「なんで悪人の肩持つのよ? 」ってムカっときたから?
逆に、「サイテーなやつ」のことが、実は気になってる?
いや、「自分のことが書いてあるかも」と思った人だっていると思う。
理由は何であれ、あなたは本書を開いた。