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【本紹介📚】『妊娠カレンダー』著:小川洋子

こんにちは!
今回は小川洋子さん著の『妊娠カレンダー』を紹介しようと思います💡

文春文庫から刊行される『妊娠カレンダー』は表題の通り「妊娠カレンダー」、そして「ドミトリイ」「夕暮れの給食と雨のプール」の3作が収録されています。

中でも表題の「妊娠カレンダー」は第104回芥川賞も受賞している、すげぇ名高い作品となっています😲

概要

「妊娠カレンダー」
出産を控えた姉に、毒薬に染まった果物のジャムを与え続ける妹のお話。
妊娠をきっかけにゆらめく、登場人物らの絶妙な心理の動きを捉えた名作。

「ドミトリイ」
人気のなくなった寂し気な学生寮のお話。
学生寮と、そこを運営する「先生」が抱える謎とは一体…

「夕暮れの給食と雨のプール」
小学校の給食室に魅せられた男のお話。
男は主人公に対して、自らの過去を告白するのだが…

感想

3作どれも、登場人物の心理描写が上手いなぁと感じました。直接的に感情を表現は中々しないのだけれど、それによって逆に登場人物への想像を膨らませられるというか…そんな感覚を覚えます🤔
どの作品も短編と呼べるほど少ないのですが、読み終わった後は長編を読み終わったような、ずっしりとした満足感がありますね😳

個人的には3作の中では「妊娠カレンダー」が好きです。妊娠中で不安定な姉に対して従順な態度を取りつつ、毒薬だらけのジャムを与え続ける妹に、どことなく共感できた気がします。ぶつけようのない、むしゃくしゃした感覚とでも言いましょうか?そういう静かな鬱憤みたいなものを、妹から勝手に感じ取って、勝手にカタルシスを覚えていました(笑)

最後に

以上になります!✨
『妊娠カレンダー』に収録されている3篇は、どれも短編ながら少し重めな作品だと感じました。そういう作品なので、少し読み手を選ぶような気がします🧐
一方で、「むしろそういう重めのが欲しいんだよ!」という方はぜひぜひ手に取ってみてほしいです!
あと、こういうエグッてくる系の小説は読書の醍醐味に一つな気もするので、読書沼にハマりかけている人もぜひ、と言ったところでしょうか?🙄

ぜひ本選びの参考にしてください😊


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