夢の端21

イタリアの地方都市。
急峻な山を見上げている。
標高は数百メートルくらいだろうか。鮮やかに晴れ渡った空。
山腹の岩肌から幾重もの地層がのぞいている。
僕はこの山を登っている。
あっという間に頂上まで進む。
頂上は、テーブルマウンテンのようになっており、意外にも平らな土地が広がっている。

そこに一人の男性がすっと現れる。
30代後半だろうか。
長い黒髪、イタリア人だろうか。
「不思議な場所ですね」と声をかけてみる。
「そうでしょう。こうして頂上に街が広がってるからそう思ったの?」と男。
「ここは古くからの神聖なる山なのですね?」
「もちろんそうだったのでしょうね。」と男。

頂上からやや下り勾配になっている方角に、意外にも現代的な町並み広がる。
僕は観光案内所を探す。
すぐに見つかり、仄暗いその案内所に入る。
この町に名物カレーがあることを知り、男と二人でそのカレーが特集された雑誌を探すことにする。
男はいつの間にか小学校時代の同級生吉田になっているが、テレビでよく見る芸人のような気もする。

いつの間にかショッピングモールのような場に移動しており、雑誌が置いて有りそうな店を探す。

喫茶店内を探してみるがが無い。
次にブックカフェのような店を見つけ入店。
柱に書棚が据え付けられており、何冊か手に取ってみる。
それらしい本はあるのだが、探している雑誌はなかなか見つからない。

ブックカフェを出ると、正面に小さな「アンケートショップ」がある。
吉田と二人入店する。

女性店員に吉田がアンケートを受けている。
どうやら、客にアンケートを実施し、その答えの中から、面白くて商売になりそうなものをサービスにして提供する、というシステムらしい。
当然吉田は、この町の名物カレーが特集された雑誌につい説明しているようである。

帰りはケーブルカーだ。
赤とクリーム色の古い車体。
2両編成。
薄暮れの山腹をストンと降りていく。
到着と同時に目を覚ましたようである。

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