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球場に棒ラーメン?斬新すぎるネーミングライツが生まれたワケ

皆さんこんにちは、ホークス広報室の鳥原です。
いよいよ明日からPayPayドームでのオープン戦がスタート。
早く球場で観戦がしたい!と思っている方もいるのではないでしょうか。

今日は、そんな球場での野球観戦がちょっと違った目で見えるようになる、スポンサー企業とホークス営業担当の心温まるストーリーをご紹介します。

PayPayドームを埋め尽くすたくさんの広告看板。たくさんの企業がホークスにスポンサードしてくださっていますが、その中でもひときわ目立つのが、ネーミングライツ(命名権)です。2020年にPayPay株式会社がドームの命名権を取得したことは記憶に新しいですが、球場内には様々なネーミングライツがあり、各施設・座席でスポンサー名を冠したオフィシャルな名称を使用しています。

今回、日本で初めて球場内のあの場所に!ネーミングライツが付くことを聞きつけたので、契約企業にその思惑を取材してきました。

「棒ラーメンって○○に似てるよね」


今回お話を伺ったのは、福岡を拠点に即席めんの製造販売をしている株式会社マルタイ様。地元福岡ではおなじみの棒状めん「マルタイラーメン」を製造しており、ホークスとは2006年から16年にも及ぶスポンサーシップを結んでいます。

通称「棒ラーメン」で福岡県民から愛されるマルタイラーメン

突然ですが、このマルタイラーメン、球場内にある、あの設備に似ていると思いませんか・・?

ヒントは外野エリアです・・・
マルタイラーメンと同じ、細長くて黄色い棒が!

正解はファウルポールです!(笑)
ファウルポールは、選手が放った打球がファウルゾーンかフェアゾーンかを判定するために外野に立てられたポールのことです。ポールに当たった打球は基本的にホームランと判定されます。
今回、マルタイ様はなんとこのファウルポールを「マルタイ棒ラーメンポール」という名称で、日本で初めてネーミングライツを取得しました。

事の発端は、マルタイ様の社内であがった「PayPayドームのファウルポールって棒ラーメンに似ているよね」という声。

「黄色い棒ラーメンを作っている会社なので、社員は日頃からまっすぐな棒状のものや黄色いものに反応するアンテナを持っています」と語るのは株式会社マルタイ マーケティング部長の飯田健三さん。日頃からチャットツールを活用してアイデアなどが即座に共有される体制がつくられており、社員の何気ない雑談をきっかけに今回のネーミングライツが誕生しました。

しかし、ファウルポールのネーミングライツはホークスが取り扱う広告商材にないため、新商材として建て付ける必要があります。話を持ちかけられたホークス営業担当の伊藤大智郎さんは「とても面白いので実現したいと思った」と、社内各部署を駆け回って調整。日本初のネーミングライツ契約に至りました。

「マルタイって面白い!と笑ってほしい」

契約にあたり、スポンサー様からは当然お金をいただく話になるため、似ているというだけで話が通るのか、と衝撃を受けました。さらに今回はポールそのものにはロゴが入らない形での契約。その裏にどんな想いがあるのか、もう少し詳しく伺ってみました。

「15年を超える(ホークスとの)スポンサーシップも、地元福岡の企業として福岡の球場に広告を出し続けることに意味があると思っています。そこを発信源として、全国に、そして全世界に、マルタイという名前を広げて、たくさんの人にマルタイラーメンを愛してもらいたい。今回の命名権に関しても、似ているという雑談がきっかけではあるものの、日本初・業界初であることにはこだわりました。何より、地元の人たちに「マルタイってなんか面白いことする会社だよね」と笑ってもらえるような会社でありたいという想いがありました。(飯田さん)」

最終決裁者である見藤社長も日頃から「面白いことはどんどんやろう」というマインドで、今回も業界初という取り組みに納得してくれたそう。
取材をする中でもその風通しの良さと雰囲気の良い社風が伝わってきました。「マルタイ棒ラーメンポール」という名付けにあたっても、社員投票でみんなで決めたそうです。

日本初のネーミングライツの正体は、ロゴのない日本一控えめでさりげない場所に、けれど日本一温かい想いをもった方々によって生み出されたものでした。

(参考)ファウルポールにホークス選手が放った打球が当たった場合、場内アナウンスでの紹介とホークス選手に1年分の棒ラーメンが贈呈されます。

ちなみに、マルタイ様は他にも様々な面白い取り組みをしており、11月11日を「棒ラーメンの日」として日本記念日協会に申請し、正式に認定されたそうです。皆さん、今年から11月11日はポッキーだけでなく、ぜひマルタイラーメンを買ってください。

2017年には、その年のホークスのスローガン「1ダホー!」と合体した「ワンダ棒ラーメン」をドーム入場者へプレゼントする企画も実施。当時から長くて黄色い棒に反応していたようです。


「まさか実現するとは思わなかった」


今回取材をする中で、マルタイ様とホークス営業担当伊藤さんの関係の良さも印象に残りました。

伊藤さんはもともとホークスでプレーをしていた元プロ野球選手。引退後に球団職員となった伊藤さんを、飯田さんは「人当たりが良く、営業マンで野球のことを熟知しているのがとても魅力的」と評価し、さらに今回の契約も「ない商材を本当に持ってくるとは思わなかった。本当にできるんだ、という驚きと喜び」と表情を綻ばせました。

大阪出身で幼い頃からバファローズファンという飯田さんですが、「これを機に、ホークス選手にはマルタイ棒ラーメンポールを狙ってホームランを打って、日本一を奪還してほしい。」と話し、ホークスとの長年の信頼関係も確かに垣間見ることができました。

このように、何気なく目に入る球場内の看板の裏には、その数だけ営業マンとスポンサー企業とのストーリーがあります。

実はホークスの球団職員の中で最も多い人員配置がされているのが営業本部です。12球団随一の看板の多さと言われたりしますが、野球興行の裏には日々を奔走するたくさんの営業マンたちが、時にはない商材をゼロから作ってでも、お客様に喜んでもらえるサービスや媒体を提供し続け、信頼関係を築いています。

その結果たくさんの企業に支援をいただき、ホークスはファンの皆さまに野球の楽しさを届けることができます。ホークスにとってスポンサー企業がいかに大切で、なくてはならない存在か、今回の取材で改めて実感することができました。

皆さんもPayPayドームに来た際は試合の合間に球場内の看板を少しだけ見渡してみてください。営業マンとスポンサー企業のストーリーが、看板という結果になって掲げられています。

そして、ファウルポールが棒ラーメンにしか見えなくなった方は、帰り道にぜひマルタイラーメンを買って、ご家族で食卓を囲んでみてはいかがでしょうか。

(広報:鳥原早貴)




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