ペスタロッチについて⑥

文筆家としてのペスタロッチ
この時期に書かれた作品が「リーンハルトとゲルトルート」「隠者の夕暮れ」だ。人間の本質とは何かが最大のテーマである。「玉座の上にあっても、藁葺き屋根の影に住んでいても、同じである人間、その本質において人間とは一体何であろうか。何故賢者たちはそれが何であるかを我々に言ってくれないのだろうか。何故高貴な人々は、人類が何であるのかに気づかないのだろうか。」(冒頭の一節)
その探求方法は抽象的、思弁的な方法によるのではなく、直接自己自身の家そして奥を探求する方法によるべきというのがペスタロッチの考えである。
ペスタロッチは当時の知識を断片を教え込もうとする「言葉主義の学校」を痛烈に批判している。これに対して、自然の教育法は、間違いなく真理に基づく堅実なものでありながら、しかも「少しも堅苦しさがなく」、「どこにも押し付けがましい秩序の影響見られない。」ペスタロッチはこうした自然の教育法を高く評価してそしてこの方法にならって教育を行うべきだとしている。
(ここまでの読後感)
いよいよここからがペスタロッチの思想に触れる部分である。自然にある教育、人間の本来の姿とは何か、人間の本質は何か、非常に重要な課題である。ペスタロッチの言う言葉主義の学校と言うこと、これは現在でも言えているのではないか。これまでの自分の教育の来し方を振り返ると思いつくことがないわけではない。これからの深い読み方が楽しみになってきた。
(今日はここまで)

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