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心震わせる音楽

中学のころから、近所の人に頼まれてもうピアノを教え始めていました。アメリカの大学時代も、卒業後はNYでピアノのインストラクターになり、メキシコに引っ越してからも、キャンセル待ちの生徒がいるほど人気だったそのピアノを私がぴったりやめてもう2年。

先日急に「今日の夕方6時から8時まで、プライベートイベントでピアノを弾いてもらえませんか?」と昔のせいとからメッセージが入っていました。

曲のリクエストをきいたら、なんでもいいとのこと。ベビーシッターさんの手配ができたので、OKのお返事をしました。


2年前、赤ちゃんが生まれ、仕事に復帰しようとしたとき、夜も眠られないほどに、もちろん指も曲げられない、ひどい湿疹が両手の指にあらわれました。

ホメオパシーの先生に診てもらったところ、あなたが仕事でつかう指だけに湿疹ができるのは何か理由があるはず、と、スピリチュアルヒーラーを紹介され、彼女に母親との関係に原因があるといわれました。

実は3さいのころから、母から「将来お金に困らなくていいように。」と、「あなたはピアノが好きで、こうやってならわせてもらえて幸せだ。あなたの幸せのためだ。」と、怒られ、怒鳴られ、頬をたたかれながらの毎日のピアノの練習をさせられてきていたのでした。

自分では気がつかないぐらい小さいころから、思い込みが激しく人の言うことに耳を傾けず気性の激しい母の理想の人生を生きてきた私がピアノをやめた瞬間。それは母の人生を生きることをやめて自分の人生を生きようと決めた瞬間でもありました。


お客さんにみとめてもらおうと、自分以外の誰かになろうとしたり、自分のすごさをアピールしようとしたり。。。心の奥底から沸きあがってきそうになる承認欲求と、お客さんが私を必要としてくれるからそのままでいい、という2つの思いの葛藤の中、久しぶりに本を取り出し、ほんの数時間お仕事の前に練習をした時に、クラッシックの曲の旋律とポップソングの歌詞の美しさに心が震えました。

2年前の私のピアノの生徒さんと待ち合わせ場所で会って初めて、彼が彼女にポロポーズをするための家族の集いのために私を呼んでくれたことを知りました。

そこに集った人たちのリクエストをきいてそれに答えながら、私から生徒さんへのお祝いの気持ちをこめて、一曲一曲を心から選び私からのプレゼントとして演奏していきました。

ポロポーズが終わってひと段落したとき、私の好きなドリカムのDreams の「すき」を私からのプレゼントとして歌わせていただきました。

そのあとは彼が私の弾き語りがいいといい、「You are beautiful」James Blunt, 「Lovin´ You」Minnie Riperton,「Overjoyed」Stievie Wonder,「Thousand Years」Christina Peri, と、わたしからの彼への婚約のお祝いのプレゼントは続いたのでした。

この2年以上、まったくピアノに触れることもなく、発声練習もしたことがなかった、何も飾らない本当にそのままの素の自分の演奏と歌声。

私がひくピアノ、私が歌う歌を聞きたいと思ってくれる人がいて、私の心を震わせる音色と歌詞を、私の飾らない演奏と声で心をこめて表現した。

ただそれだけでした。


「私はただ人の利己心のために犠牲になるための人間。」から、

「ありのままの私を必要としてくれる人がいて、その人に私自身を表現することで、喜びと感謝の循環がはじまる。」へ。。。


ピアノに対する私の思い込みの書き換えが少しずつ始まりはじめました。


愛をこめて。。。

Sofia

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